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ズバリ、英語が話せなくても海外旅行はできるのか?

私が初めて海外に行ったのは大学1年生、18歳の時でした。それから10年近く経って、まさかこんなにたくさんの国に行って、海外移住することになるとは思ってもいませんでした。

でも、「海外行ったことがない」「パスポートすら持っていない」という方も多くいらっしゃいますよね。私の家族や友人にもたくさんいます。その理由は、

・日本での生活に満足していて海外に興味がない
・お金がかかるから
・仕事の長期休みが取れないから

など、いろいろあるかと思うのですが、海外に興味はあるけど「英語が話せない」ことをネックに感じている方もいるようです。

いくつかの記事や統計を見たのですが、英語が話せる日本人の割合は大体10%〜20%とのこと。日本語が不便なく通じるのはこの世界で日本だけ。一歩、日本の外に出たらそこは異国、その国や地域の母語を話せない限りは、英語で意思疎通を試みるしかありません。

「英語が話せなくても海外旅行って大丈夫?」

こう聞かれた時、全然問題ないよ〜と仰る方もいるのですが、私は正直に言うと、「大丈夫だけど難しい場面もある」と答えざるを得ません。私自身は英語が話せない状態で海外に行ったことはないのですが、英語すらまともに通じない国には行ったことがあるので、伝えたいことを言語化できない生活の大変さは実感済みです。

今回は一般的な観光地(主要な場所では英語がある程度は通じる場所)を前提として、海外旅行ではどのように英語が必要とされるのか、各場面ごとにまとめてみます。


海外旅行で英語が必要とされる場面

フライト

日本の空港から出発する時は、航空会社に関わらずチェックインもアナウンスも全部日本語です。しかし実際のフライトでは選んだ航空会社によって運命が分かれます。

日系の航空会社(JAL/ANA/ZIPAIR/Peachなど)であれば、CAさんはほとんどが日本人、アナウンス等も日本語が優先されるので、初心者の方には安心です。ただ、アジア外に出る長距離の便だと値段が高めのことが多いのがネックとなります。

海外の航空会社だと、すでに搭乗の時から外国人のCAさんだらけの光景を目の当たりにします。日本発着の便はほとんどの場合、日本人のCAさんも乗ってはいるのですが全員ではなく、座っている座席によってデフォルトの担当CAさんは基本的に固定なので、外国人のCAさんに当たることの方が多いです。

CAさんとのやり取りが発生する場面としては、

離着陸時(窓、シートベルト、座席のリクライニング、非常口などに関する指示)
機内食提供時(希望の食事、飲み物を聞かれる)

など、限られてはいますが避けることは難しいでしょう。特に機内食はメニュー名が複雑なこともあります。

本当に困った時は日本人のCAさんを呼んでもらえば何とかなりますが、それも日本発着便だけの話。海外→海外の便の乗り換えたらもう、日本語の通じるスタッフさんはほぼいません。何が起こっても英語で対処しなければならず、分からない単語をネットで調べることもできない状況で、目的地に着く前から疲れてしまうかもしれません。

乗り継ぎ

長距離フライトはどう考えても直行便が1番楽です。でも、エコノミーでもヨーロッパまで片道20万なんてこともザラ。一方、乗り継ぎ便は直行便の半額以下で飛べることも多く、お金に余裕がある生活を夢見つつ私はもっぱら乗り継ぎ便を利用しています。

乗り継ぎは基本、「Transfer」などのシンプルな表示に従っていけば問題ないのですが、場合によっては一旦セキュリティチェックを通る必要があったり、ターミナルを移動する必要があったり、短時間で結構バタバタと動かなければいけないことも多く、ゲートのスクリーンは英語/外国語表記だし、現地スタッフさんとも(韓国など近場でない限りは)英語でコミュニケーションを取るしかないし、フライトですでに疲れていることも多い中、かなりエネルギーを消耗するイベントです。初めての方は乗り継ぎ時間3〜5時間くらい確保するのがおすすめです…

入国審査

やっと現地に着いたら、第一関門の入国審査、「Immigration」と呼ばれることがほとんどです。基本的にはパスポートを渡して、スタンプを押してもらいます。

日本人はとても信頼されているので、日本人観光客が多い国では何も質問されることなく通過できることが多いのですが、ハワイを含むアメリカは最近、審査が非常に厳しくなっているようで、質問はほぼ不可避。大体聞かれることは決まっていて、

滞在目的(観光の場合は、Vacation/Holiday でOK
滞在期間
滞在場所(ホテル名、友人の家や名が知られていない施設の場合は住所を事前にメモしておく)
帰国便(フライト予約のメール、添付のPDFなどを印刷しておくと便利)

上記はマストで、片言でもはっきりと言えるように準備しておいてください。英語に慣れていないと緊張してしまうかもしれませんが、挙動が怪しいとみなされるとさらに細かく詰められる可能性も高まるので、最初は笑顔でハローと挨拶し、ハキハキと答えるのが鍵です。

両替・キャッシング

やっと空港から出られた!しかし何をするにもお金が必要です。主要な観光地は大体クレジットカードも使えますが、電車やバス、タクシーなどの交通費や、小さい売店では現金のみということも。

初めての方は日本で事前の両替しておくことを強くお勧めしますが、特に長期間の旅行の場合は、大金をずっと持ち運ぶのも怖いですし、現金が足りなくなることもあります。空港には大体両替所があるので、そこで現金を渡して、パスポートを見せれば基本的には会話が発生することも少なく、スムーズです。

しかし、現金を両替するよりも、クレジットカードの海外キャッシングを使ったほうが手数料が安いことが多いのをご存じですか?VISAやMastercardであれば空港には大体対応しているATMがあります。ただ、画面表示は基本的に英語なので慣れていないとお金に絡むことはちょっと怖いかもしれません…

現地移動

お金が手に入ったら、まずは空港からホテルへの移動です。空港近くの大きな有名ホテルだと無料でシャトルバスが出ていることもありますが、空港って大体、市街地の中心部から少し離れたところにあるので、観光メインであれば中心部にホテルを取っていることが多いと思います。

その国や時間帯にもよりますが、基本的な交通手段としては、

・タクシー
・ライドシェア(Uber、Grabなど)
・バス
・電車

など。タクシーは空港を出てすぐに声をかけられることも多く、まず見つけるのに困りませんし、行き先だけを伝えて(言葉が通じなければGoogle Mapを見せて)直行してもらえるので利便性としては1番ですが、公式なタクシー会社の正規料金であっても驚くほど高額なことが多く、更にぼったくりタクシーも多くいるので、荷物の量が自分で運べる程度かつ到着が昼間の場合は、電車やバスにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

空港からの電車やバスの乗り方はその国や地域、路線によって様々ですが、現地のスタッフさんも観光客の対応に慣れているので、目的地を伝えることで切符の買い方や乗り場、スケジュールなどを英語で教えてくれることが多いです。

スムーズにいけばいいのですが、何かイレギュラーがある場合など、英語に慣れていないと、細かい説明を聞き取るのは難しいかもしれません。看板の表示やオンラインの情報、ジェスチャーなどを駆使して乗り切るのは、フライトや時差ボケで疲れ切った体にはなかなか効くと思います…

ホテル

ホテルに着いたらチェックインです。基本的にはレセプションにパスポートを渡すと、言葉を交わさずとも名前を照会して予約を確認してくれます。

問題は滞在に関する説明。

・お部屋はどこにありますよ
・〇〇に追加費用がかかりますよ
・朝食は〇時〜〇時まで、どこでやっていますよ
・〇〇は禁止ですよ

など、基本的な説明をされますが、これも基本的には英語。慣れていないとお部屋のベッドでリラックスできる道も少し遠いのです。

大体は文面で説明された紙も渡される / 部屋に置いてあるので、なんとか部屋にだけは辿り着きたいところです。

観光地

ついにメインの観光地へ!ヨーロッパなど遠方でも、世界的に超有名な一大観光地(エッフェル塔など)には、日本語のパンフレットが置いてあることもあります。

とはいえ、ガイドさんをつけない限りは全てが日本語でまかり通ることはありません。チケットの購入、入場方法などの案内は全て英語ではあるものの、周りに人に合わせればいいのでなんとかなるとは思います。ただ、観光地の解説などは英語・現地語でしか書かれていないことが多いです。フィーリングだけでも十分に楽しめますが、せっかく遠くまで来たのだからできる限り理解を深められるのがベストですよね。でも、英語に慣れていないと満足に理解できずに雰囲気だけ良かったで終わってしまうかもしれません。

食事

旅の楽しみの一つは食事です。個人的には「日本食が世界一!」だと思うのですが、普段あまり食べないようなお料理はワクワクしますよね。

ただ、レストランで食事をするとなると、必ず店員さんとの会話が発生します。(日本のくら寿司のように、受付から会計まで全て機械で済むようなところが増えてくれたらいいのですが…)

具体的にマストでやり取りが必要なのは、

・テーブルまで案内してもらう
・メニューを見て注文する
・お会計

このくらいで、流れは日本のレストランでも同じですし、人数を指で示したりメニューも指差しでなんとかなりますが、残念ながらスムーズにいかないこともあります。

・席が空いていない(予約が必須、少し待つなど)
・注文したメニューが品切れ
・メニューに画像がついていないので、どういうものかわからない
・注文と違う料理が来た

など、ちょっとした説明が必要な時ももちろん全部英語なので、そこでつまづいてしまうと、理解に時間がかかったり、誤解が生じたり、結局我慢したりと、少し残念さが残る体験になってしまうかもしれません。

現地の空港

やっと帰国!帰りたくないような、日本が恋しいような気持ちになりながら、帰国便にチェックインします。

しかし、日本の空港ではすべて日本語で済ませられていたことを全て英語で行わなければなりません。チェックインカウンターではパスポートを渡せば予約を照会してくれますが、

・別の書類を見せてください
・この荷物はどこまで行きますよ

など、結構いろいろ聞かれたり、説明されることがあります。日本のパスポート所持者が日本に帰るのですから止められることは滅多にないですが、フライトの遅延やキャンセル、ゲートの変更など、トラブルに見舞われることも無きにしも非ず。言葉が通じても嫌なトラブル、ましてや言葉がうまく通じず、理解しきれないような状況だと最後まで気が抜けない旅になってしまいそうです。

言葉が通じない相手とコミュニケーションを取るコツ

英語というのは、コミュニケーションツールの一つに過ぎません。言葉が通じなくても、同じ人間同士である限り、意思疎通を図ることは可能です。私が英語がまだうまく話せない頃や、英語の通じない相手と話す際に心がけているコツをご紹介します。

身振り手振りを駆使

「あれ」「それ」「これ」…指すものが場所であろうとものであろうと、日常生活の中であれば大体、手や指で指し示すことができます。「丸い」が英語で言えないなら手を丸くする、自分が良い状態ならグッドマークを示すなど、手話とまではいきませんが、少しやり過ぎかと思うほど大げさにジェスチャーを作ると伝わりやすいです。

表情は豊かに

日本語でも、表情が固いと良いことを話していても悪い内容に聞こえてしまうことってありますとね。逆に、言葉がうまく聞き取れなくても、明るい表情や目線の向きで言いたいことがわかることもあります。同じ人間なのですから、嬉しい顔、困った顔、悲しい顔…皆、分かります。

ポジティブ / ネガティブな内容なのかを読み取る

まったく見当のつかない内容を突発的に話しかけられると、たとえ日本語でも即座に内容を頭に入れるのは難しいことです。完全には分からなくても、少しずつ内容に見当をつけていくことで、理解度が断然変わります。その見当をつける最初の段階が、「肯定的 / 否定的」の判断なのです。それさえ相手のジェスチャーや表情から読み取ることができれば、あとは現在の自分の状況と当てはめていくだけです。

分からないことを曖昧にしない

日本人って遠慮しがちなのですが、言葉が分からないからといって、完全に理解できていないにもかかわらず諦めてOK、大丈夫と言って会話を終了してしまうと、本当に大丈夫だと思われてしまい、後にいろいろ困ったことになります。「分からない」とはっきり伝えることは全然恥ずかしいことではなく、正常なコミュニケーションを続けるために大切なことなのです。

謙虚に相手を理解したいという態度を続ける

人間は、言葉が通じない人よりも横柄な態度の人と関わることの方を嫌がるものです。言葉が通じない、困っているのに助けてもらえないなど、どうしも疲れてきたりイライラしてしまうのは理解できますが、「どうして分かってくれないの?」というような上からの態度を見せてはいけません。

言葉が通じないのは相手との生まれ育った環境の違い。誰にも非はありません。それこそ、「私を理解してくれない」ことに不満を持つなら、相手からも「私の言語や英語を学ぼうとしない」と不満を持たれても仕方がありません。しっかりと相手の目を見て、頷きながら、相手に耳を傾けている、理解したいという姿勢を見せるからこそ、コミュニケーションは成立するのです。

Google翻訳を活用する

どうしようもならない!という時は、Google翻訳を使いましょう。アプリなら音声翻訳や画像翻訳の機能もあり、スマートフォン(できればインターネット)が使える環境にある限り、大体の状況は乗り越えられると思います。

不便も楽しもう!けど英語ができるに越したことはない

なんだかちょっとネガティブ気味の記事になってしまったのですが、海外に行ったら言葉に限らず日本とは勝手が違うので、不便を感じるのは当たり前の話です。そのちょっとした不便、うまくいかないことも新しい経験として楽しめるのが海外旅行なので、英語ができないからといって海外旅行を避ける必要はなく、興味のある国、観光地があるならばどんどん旅立って行ってほしいなあと思います!

ただ、英語ができるに越したことはありません。より細かい部分まで理解ができれば、その経験は濃いものとなるでしょう。ほとんどの日本人は中学校で英語を習っていて、その中学英語の内容で実は日常生活のコミュニケーションは十分。基本が脳みその片隅にでも入っていれば、後は実践あるのみです。その実践のチャンスに溢れているのも海外に他ならないので、ぜひ、チャレンジしてみてください!

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英語がすき

フリーランスですがまだまだ駆け出しなので、少額でもサポートいただけると本当に助かります。これからも楽しくて役に立つコンテンツの作成を頑張っていきますので、そのエネルギーにするためにサポートいただけると嬉しいですm(_ _)m