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どこで何を書く

このあいだ福岡で山下さんと話していて(さいきん山下さんの話ばっかしてるけど)、ほんとうに書きたいことは?という話題になった。

私がいちばんしたいことって、毎日誰かに会って話すことなのだ。東京に住んでいたときは、よく高円寺のバーに行っていて、そこで会う人との会話がすごく楽しかったのだけど、そんな感じで。

今それはできないので、ひとと会ったら話してるであろうことを、とりあえず毎日書いている。でも、当たり障りないことを書いていても仕方ないよなあとは思っている。

「自分をより良く見せたい」みたいな気持ちはどうしたらなくしていけるんだろうということは、たぶん20年以上考えている気がするのだけれど、ちょうど30歳から、がくんとそういう気持ちが減った。(山梨に帰ってきたりして、環境が変わったというのが大きい。)

それまでの虚栄心を100とすると、いきなり30くらいになった気がするんだけど、そこから1つずつ減らしていこうと思いながら6年くらい過ごしているけど、ごくゆるやかにしか減らない。最近はそういう自分を解放していくために毎日noteを更新したらいいんじゃないかと思ったけど、毎日書いていても、「これは書きたいけど書けない」と思うことのレベルは、ただ書き続けるだけではぜんぜん変わらないことがわかった。(ちがうメリットはすこしあったと思う。書くのがすこし早くなったとか。)

そんな話を山下さんにしたら、「もう匿名で書いたらいいんじゃない?」と言われて、今までは「匿名じゃないと書けないようなことを書きたい気持ちってないんだよな~」と思っていたのだけど、ためしに一週間くらい別のブログを匿名で書いてみたらけっこう発見があった!

すんごいさらさら書ける!(べつに誰かの悪口とか書いてないですよ。)

このnoteの記事を書くには、だいたい1~2時間くらい、リンクをたくさん貼ったり、本や講演の感想は3時間以上かかることもあるのだけど、(それ以前にはてなブログを書いていたときは4時間くらいかかっていた。)、匿名だと10分~20分くらいで書ける。

そうかあ、わたしここを書くときに、読む人の顔とか、じつはたくさん浮かんでるんだなあと思った。これはためしに匿名で書いてみないと分からなかった。

そして、ふだん会うと全然喋らないけど、ネットで匿名だとめちゃくちゃ饒舌だなあとか攻撃的だなあと思うひとの気持ちもけっこう分かった。

対面では絶対言えないことも、匿名だと書けそう。わかる。そしてそれが全部悪いっていうことはないと思う。たとえば何かサービスをしているひとに対しての建設的な意見を真摯に伝えたいけど実名では言いにくいみたいなことで、相手が貰ったらすごく有益な言葉は絶対たくさんあるし。

でも、「傷つけてやろう」と「私がどうしても伝えたい想い」のグラデーション部分が難しいよね。そこには、その人の本質がよく出るんだと思う。

話はそれたけど、匿名ブログを書いたら、自分がふだん気にしている「人からの見え方」が浮き彫りになって勉強になった!

なんかこのあぶり出された感覚をひとつひとつつぶしていけばいいんじゃないか。(自分で言っててよくわからないけど。)いや、匿名だともっと本音が書けるんだろうか。

とりあえず、1ミリも仕事じゃないのにたくさん何かを書いているっていうのは、書くのが好きってことなのかな。あまり好きとか思ってなくて、人に直接会って話せないから使うツールみたいに思っていたけれど。

でもただ「書く」というだけで、いろいろなつながりができて、人に会えたり話せたりして、これはほんとうにすごいことだし、すごい時代で、ありがたすぎる。とりあえずこれからも書いてみよう。

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。