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フィルムへの想いを綴るnote

暫く使っていなかったCONTAX ariaの写真が、現像から帰ってきました。

普段、何も考えずともカバンに入れるのは、夫が大切にしていたフィルムカメラたちの中から数年前に譲ってもらったNikonFE2。
フィルムカメラを撮り始めてから、ずっと使っている安心感と、ちゃんと写ってくれるという信頼感。
実際は失敗に思える写真もたくさんあるのだけど、もちろんそれは私のミスなだけで。

CONTAX Ariaは、使っている方の写真を見て一目惚れしたカメラ。
初めはどんなカメラかを知らなかったので、Ariaで写した写真に一目惚れしたと言うのが本当かもしれません。

Ariaのハッシュタグで探した写真たちの美しさや写真家の蜷川実花さんが使用されていること、サイズ感や軽さが女性から人気なこと、柔らかな描写と優しいフォルム。

知ってゆくほどに、惹かれずにはいられない理由ばかりでした。

だけど、レンズも揃えるとなると…ね。
そして夫曰く、状態の良いものと出逢うのがなかなか難しいと。

いつかは欲しいを思うと、頭の中にそのことがずっとあって。
一体この想いはどこまで続くのだろうと、どこかで終わらせないとずっと引っかかったまま、どこまで行ってどうなるのかと考えると、終わらせなければならない。
なんだかまるで、片思いをしている気持ちのようだな…って少し思いました。

ある日、比較的状態の良いAriaと出逢った時に、その想いを終わらせようと心に決めました。
ちょっと都合のいい言い訳みたいですが。笑

レンズは少しお手頃な価格のものを探して欲しいと夫に頼んだのですが(カメラとレンズを探すのは夫の得意分野)、せっかくだから良いものを頼んだよ!と。
想定していたものより高かったのですが、頼んだよ!と過去形でしたし、良いものを選んでくれたのが嬉しかったです。

早朝、雪の中を歩いた日。
凍てついた湖面に映る木々の影。

先日現像から帰ってきた写真たちは、今年の1月から始まっていました。
(今年現像したフィルム写真を載せていきますね。)

枝についた雪が朝日に溶けていく姿はシャンデリアのようにキラキラ。

近年フィルムの生産中止が相次いだり、価格の高騰など、フィルムユーザーとしては複雑な状況。

フィルムが手に取りやすかった頃も、1枚の撮影に慎重であったのは変わりないけれど、いまフィルムで撮るべきかな、もう1枚撮っておきたいけど、そこはデジタルカメラでいいかな、とか。少し悩むアイテムが増えました。

5月。桜の季節が過ぎると、躑躅の季節がやってきます。

シャッターを押すことが以前よりも慎重になって、フィルムカメラで撮るペースは今年は本当にゆっくりで、現像に出したのも数えるくらい。FE2も使っているのでAriaでフィルム1本を撮り終えたのはこの秋。
雪の中の写真を見て、いつ撮り始めたのかさえ、忘れていたことに気付きました。

初夏、老舗の和菓子屋さんで見つけた水菓子。
透明な紫陽花のような姿を残しておきたくて…。

フィルムカメラの楽しさは
どんな写真が撮れているか現像から戻ってくるまでわからないワクワク感…
と言われることが多いかもしれませんが、今回のようにいつから撮り始めたのか忘れてしまっていたりするので、それもワクワク度が増したりもします。

フィルムカメラを持っていると、知らない方から「素敵なカメラですね!」と声をかけていただけること。
「自分も昔はフィルムカメラ使っていました!」なんて、会話が弾んだり。
シャッター音に感動してもらえたり。

私も嬉しいけれど、周りの人にも楽しんでもらえているようなことが嬉しい。

横浜の街と友人、大桟橋からの客船、聖蹟桜ヶ丘の郵便局。
コマ被りで3つの場所が重なってしまったけど、このカオスな状況が良いかも…の1枚。

ゆっくりなペースでフィルムカメラを使い続けてはいますが、ポートレートを写すことも随分と減りました。

誰かと会うとき、写真を撮るのが好きな人となら撮り合いっこをしたり一緒に撮影をします。
そういうときはデジタルカメラの方が気軽になりました。
そして撮り終えた写真を見ると似たような写真を何枚も撮っていたり、むむむ…。みたいな写真も含め、かなりの枚数を撮っていて「あぁ、また撮り過ぎてしまった」と思う自分がいます。
ポートレートに限らないのですが、見返すのもちょっと大変だな…と思ってしまうくらい。

デジタルカメラでも1枚1枚を大切にじっくりと…と思いつつも、枚数を気にせずパシャパシャ気軽に撮れるのがデジタルカメラの良いところだとも思ったり。
葛藤する自分がいます。

2022年のクリスマスの頃の写真も入っていて懐かしい!
雪の中、写ルンです のフラッシュを使って。

この間戻ってきたAriaの写真の中に、少しだけポートレート写真があって、その写真に写ってくれたご本人に送りました。
撮影した日はデジタルカメラでも撮していたのですが、「フィルムカメラで撮影してもらったの初めてなので嬉し過ぎました!」と物凄く喜んでくれて、まさかそんなに喜んでもらえるとか、その理由も予想すらしていなくて。

フィルムカメラは、撮る人もだけれど撮られる人にも良い緊張感があるのかもしれない。

こんなに喜んでもらえたのが意外過ぎたので思い返して見ると、「フィルムで撮らせてね!」と伝えた時の相手の反応も、現像した写真を送った時の反応も、少し特別だったように思えてきました。

もちろんデジタルカメラで撮影しても喜んでもらえるのですが、
フィルムカメラで撮ってもらった!」と言ってもらえること、多いんですよね。

今年の夏は北海道も暑かった!
暑さが落ち着く夕暮れにカメラを持って歩いたのでした。

デジタルカメラの新製品情報って結構頻繁に入ってきて、その度にちょっといいな…なんて揺らいでしまう時もあるのですが、最近その気持ちは少し落ち着いています。
その分でフィルム何本撮れるかな…だなんて計算してみたりなんかして。

いま使用しているものも、私には十分過ぎるほどの素晴らしい愛機たちで、そもそも優秀なカメラに私の技量が追いついていないのですから、もっとじっくりとお付き合いしないと…ね。
というより、私がカメラに「よろしくお願いします」と言ってお付き合いしてもらう方だね。

私とNIkonFE2。(これだけ数年前の写真でした。)

フィルムカメラは、生産されてから何十年という年月が経ち、その時間にどんな人たちがどのくらい使用してきたのかも分からず、でもそれを私は何年も愛でて使っています。

やっぱりフィルム写真を眺めていると、その描写は何とも言えない穏やかな気持ちにしてくれる。

「不易流行」という言葉があります。

変化しないものと変化をしてゆくもの。

フィルムカメラ自体は変化せず、でも現代の人たちが新たにフィルムカメラを手に取り、写りや使い心地良さを感じて使いはじめる…。
取り巻く環境に変化をもたらしているように感じます。

使い方はシンプルでいて、ずっと変わらない。
変えなくても私の中の「好き」が満たされている。
フィルムカメラをこれからも使い続けたい。

そう思いながら、2023年もいよいよ残すところ1ヶ月となりました。

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