変態の悲しみ

私は昔の親友が精神疾患で、病気のせいで縁を切る事になった。その後、もっと何とかしてあげられたんじゃないのか? と言う思いから、医療・福祉業界に入る事にした。

学校は集団生活で、皆同じ高額な制服を着させられ、
私にはとてもキツかった。日本の学校生活が、昔から全く進化してないことにも驚いた。
書くと長くなるから割愛するけど、空白がある人間からすると、この国は不思議な国です。

2年目に精神科の実習が始まる前に、ふと疑念が湧いた。
「私はただ単に、老人や病気の人間以外は愛せなくて、自分の欲望を叶える為に精神科に行きたいのではないか?」

と。心配を抱えたまま実習に入る。病棟は女性のみの病棟で、特に問題はなかったが、デイケア見学に行った時だった。

同世代くらいの男性がいて、楽器が弾けるようで楽器室でギターを弾いて貰った。少し話をすると、感覚が似ている気がした。

私は相手に恋してしまった。向こうもなんか思う所があるような感じだった。普通の人間相手では、全く想像出来ないような感じで、恋情や恥じらいが出てきて、同級生が見て分かるような感じだった。

デイケア実習はその日だけでもうその人に会うことは二度となかったが、気持ちはしばらく続いた。実習前の心配が当たっていたんだ。

その後~卒業して実際に看護の世界に入り、何もかも嫌になり、何件目かに初めて派遣で介護士になった。そこの上司は、若いのに総白髪で私の目を引いた。私は白髪の男性が好きなのだ。

ただ、その辺の人間にはあまり興味が無いので、気には止めていなかった。しかし、しばらく出勤していると、その上司の体に障害がある事に気づいた。

やたらに目立つ大きな輝いた目をしていた。精神的にも何か持っていたのかもしれない。私が人に惹かれるポイントは、視線の運び方とか、結構細かい事が多いのだ。

たまに接すると、身体が不自由なのに一生懸命仕事をしている姿が、とてもいじらしく見えた。恋に落ちてしまったんだ。私はそうなると、この人しか見えない状態になってしまう。

ただ、片思いが辛いので仕事は辞めることにした。自分の変態加減もショックだった。こんないい歳こいてここまで浅ましいのかと。

その経過の中で、自分の感情に耐えられなくなって、私は旅に出た。私の日本一周はそうやって達成されたのだ。

2年くらい前の話だが、歳を取ったせいと将来への希望のなさで、感受性が死んだようになってしまった。その後も1回だけ、アスペっぽい男性と知り合って惹かれそうになったが、明らかに地雷なのでやめた

正常な人間に興味がモテないのは、共感共有出来ることが少ないなどもあるけど、コンプレックスが刺激されて辛いんだ。
 
体の病気がない人からすれば、意味が分からないと思うが、自分が健康でない事が激しいコンプレックスだ。
 
看護師になって辛かったのは、長時間労働に耐えられる人間に囲まれているという事もあった。自分が同じように出来ないのが、すごく申し訳ない。

病気、障害、老人への愛着具合は、コンプレックスだけではないとは思うけど(感情が激しすぎるから)

自分でもよく分かっていない。ただ、ひとつ言える事がある。人をそこまで好きになる必要は無いんだ

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