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思索の試作(詩作)

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詩作のみをのせておりますが、アカウント事態があまり詩以外の情報をのせないので、今のところ意義は不明です。
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記事一覧

なもなきまち

臍の辺りは捻じ曲がり

鍍金の右手が遠回り

ネオン光がひび割れて

見えるアド 無き町

影が試しにほのめかし

砂をこぼして夜を更かし

浅焼きのビルの間に

倒れる跡 無き町

道の傍に既知の花

流線の肩に積霜の羽根

光知らぬ鳥たち

溶けるアト 無き町

残せる址 無き町

僕は埋める下で河川敷の

悲しい出来事だ
僕は
自家中毒へ
嘔吐感で止まらないので
上半分が
切り離しました

下半分を
しょうもないことが考えていたので
近所へおじさんとあげて
花は夢見て
床へ

僕は埋める下で河川敷の
#詩
#実験作

夜話

天文部の少年
ベランダから
スコープの下にマズルを付けて
線路際に横たわる
スピカの狙撃を試みる

「銃弾は象徴だ
 星は想像力でしか殺せない」と
フロイディアンの子猫は語り
しかしながら暗闇に浮かぶ目は
消え行く星を宿す

少年の放った銃弾は
やがて流れ星となるだろう
それを見る想い人のルーシーが
着けるべきチョーカーの色は何?

ふと、

死んだオウムが部屋を忙しなく飛び回る
閉じ込める鳥籠を解釈によって取り出したところ
正確なプロペラを持つ飛行機がやってきて
僕は部屋に一人きりだと思い出した
#短詩 #生存報告

自由律

夜汽車に
共振する
ミルクティーひとつ

12月14日

午後三時
割れた石膏を拾い集めて
瑪瑙の臼に流し込む
粉になるまで磨り潰す

午後四時
新しく手紙をしたためて
走るライオンの絵を描く
素早く千々に引き裂く

午後五時
粉と紙を用意して
行ってらっしゃいと声をかける
遠くまでばらまく

午後六時
両手をポケットに突っ込んで
ヘッドホンをしている
そんな夜にも雪は降る

アルビノ都市

融けて固まる
インクの雫で
白色変異
ある日の都市
#四行詩 #駄洒落

サンタがいた頃

サンタがいた頃

#Xmas2014 #短詩

靴下の穴を数えるとき
思い出す
サンタがいた頃は
夜がとても長かった

趣味、ピルエット

趣味はピルエット
遠心力で
色んなものを取り出します
記憶に優れた右目や
疚しい言葉を溜め込む心臓や
もたれている胃を
取り出します

月夜は洗面台でそれらを洗い
ちりを窓から放り投げます
この前はやたら光るものを見つけて
どこまで遠くに飛ぶのか
ふと気になりまして
勢いよく投げました

摩擦ってあるじゃないですか
それでとても光が強くなって
近所では三年ぶりの流星だって
喜んでいたんです

それ

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短思の時間

真夜中の公園に枯れたヒマワリが錆びた雨を降らせている
黒板の予想と異なったのは木星の運行を考慮に入れ忘れたからで
あなたとは余り関係が無かった

ながらの日

行きながら

忘れ物を

思い出す

地下ホームで

鈍色の

電車に乗る

優先席で

傘を差し

雨に備える

今日もこうして

生きながらえている

学生の本分

逃げるものを嘲笑う
単色の男の
後頭部にドリルを突き立てて
御仕舞い
シャツの隙間から
病人を五人は救えるだろう

価値が
透いて見える

時計塔

フェンスの錆が漂わす遅滞
「まち」にとても鋭い 穴のない
針を自由落下させ ブルズアイ
留められたビルは羽ばたくことができない
それよりも 針を抜き 忘れ去られるまで
チクタクとたゆたう様を思い浮かべたい

抜いた針が ふれる
怪我するから危ないという
両親の忠告を無視して
指先で先端に ふれる
電撃を食らったような
赤いふらっとした感覚が あふれる
平衡感覚が ブレる
その時僕は
生きている次

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不題

蛆は死体に群がり
至るところ穴を空けた
そこを通路にする人々の
迷彩服は黒と決まっている
さあ名も無きハリボテと共に
無機物に流れる血
一掬いして帰ろうか