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焙煎機の技術的メモ4:微圧計のゼロ点調整

ガスを熱源とする焙煎機には「微圧計」と呼ばれるガス圧を表示するゲージが装着されています。

補記:最近の機種の中には、焙煎機の各パラメータをすべて液晶ディスプレイで表示しているものもあります。

焙煎人は、この微圧計を用いて、豆に与えている熱量(cal)をガス圧(単位kPa)に置き換えて火力のコントロールをしています。

微圧計も機械です。経年劣化します。
経年劣化の度合いは、ガスを止めたときの指針の位置で知ることができます。

ガスを止めているときはガスの圧力は「0kPa」なのですから、指針は「0」を指していなければなりません。
劣化すると「0」まで戻らなくなり、経時とともにその誤差は大きくなります。

当店の焙煎機の微圧計は前回、2019年6月にゼロ点調整しました。そして今日(2023/04/17)の指針の位置は以下の写真の通りです。

微圧計の誤差(0.01 kPa程度)

目視で0.01 kPa程度ずれています。約4年間でこの程度の誤差が生まれました。

なお、使い方によりずれの大きさは変わります。
勢いよくガスバルブを開ける癖のある焙煎人の微圧計は誤差の出方が早くなります。ガスバルブはゆっくり操作しましょう。

補記:室温が高くなると一時的に+側に触れる場合があります。ちなみにこの日の室温は21℃ですので誤差は発生しない室温です。

ちなみにこの程度の誤差ならば無視して良いレベルですが、せっかくなのでゼロ点調整しました。

微圧計の背面にゼロ点調整用のスクリュがあり、これを+ドライバで回せば調整できます。

ゼロ点調整スクリュ

ゼロ点調整後。
やはりゼロ点がピタリと合っていると気持ちが良い。

ゼロ点調整後

補記:種類によってはゼロ点調整スクリュがついていないものもあります。この場合はずれている分プラスしてガス圧を調整してあげればそれでOKです。

サポートは謹んで辞退させて頂きます。お気持ちだけで十分幸せです。