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「働く」を考える

こんにちは。Hinaです。
「何のために働いているの?」と子どもに聞かれたら、なんと答えますか?

生活費を稼ぐため?
やりがいのため?
スキルアップのため?
それとも、何となくでしょうか?

大人も子どもも一度は感じたことがある「なぜ働くの?」という疑問。
今日はそのアンサーの一つになりそうな、この一冊を紹介します。

(Amazonには既に中古本しかない様子・・・図書館などで探してみるのが良いかもしれません。)


○働く意味を考える

冒頭の問いについて、この記事を読んでくださっている皆さんも考えてみてください。
なぜ、働くのか?
いかがでしょうか。思いつきましたか?

社会には、学校に通っているわけでも家事に専従しているわけでもなく、働いていない人=ニートと呼ばれる人たちがいます。
また、ニートとは別に、自宅に引きこもっている人もいます。

本書ではそのような人も含めて、”働く意味”を分からないまま社会に出てしまった人がいることにフォーカスして
著名人や働く大人が「なぜ働くのか」という問いに答えていく形で構成されています。

高校や大学を卒業したら自然と就職の流れに乗って、気がついたら働いている。
多くの人の働き始めたきっかけは、こんな感じの”流れ”だったのではないかと思います。
私は仕事で、”働きたいけど長続きしない人”や”障害特性からなかなか働けず、働く意欲を失ってしまった人”と関わります。
支援者である私が”働くこと=当たり前のこと。強いて言えばお金を稼ぐこと”という狭い認識でいると、クライエントの仕事意欲につながるサポートができません。

やりがいだったりお金だったり、働くことで得られるモノは人それぞれ。
本書を通して、その”働くことで得られる、それぞれの大切なモノ”を考えてみましょう。

○テストがない社会で成長するために

働くことは恩返し」と語るのは、医師として第一線を走る天野篤さん。
サポートしてくれた家族に対して恩返しするのはもちろん、医師になるまでの過程にあらゆるサポートをしてくれた社会への恩返しと語ります。

自分が医師になるまでの間に多額の税金が使われている。
だから、社会に恩返しをしたい。中途半端なことはできない。

仕事で社会に恩返しするためには、成長し続けなければならないと語る天野さんは、「社会にはテストがない」から自分で自分の力を試したり伸ばしたりする自発的な努力が必要だと述べています。

社会では、学校のように分かりやすく宿題を出してくれるわけではありません。
”何も言われないから現状維持でいいや”とあぐらをかいていると、スキルアップし続ける同僚にいつの間にか抜かれ、現状維持さえもできなくなるかもしれません。

”仕事をしてお金をもらう”という単純な考え方に甘えず、”仕事を通して何をするか”を考える時が来たのです。

○夢中で働く人

何か好きなことはありますか?
私は人と関わることが好きです。あとは、ヨガや読書、散歩したり自然の中で過ごすことが好きです。

そんな「自分の好きを大切にしよう」と語るのは、池上彰さんです。
その”好き”はいずれ自分の”やりたい仕事”につながると語ります。

例えば、サッカーが好きな男の子がいたとします。
その子の夢は”サッカー選手になる”こと。
しかし、サッカー選手になれる可能性はとても低い。
サッカー選手になれない子がサッカーを続けることは、無意味なのでしょうか?

そんなことはありません。
サッカーを好きでい続けたら、いずれサッカーグッズを取り扱うスポーツショップの店員になったり、サッカーのコーチをしたり、学校の先生になってサッカー部の顧問ができたりするかもしれません。
サッカー選手になれなくても、サッカーが好きならそれを軸にやりたいことを展開していけば良いのです。

何か好きなことが一つでもあれば、そこからいくらでも広げることができます。
「こんなことやっていても無駄かも」「生産性のない趣味だからやめようかな」なんて思わず、好きなことを続けましょう。
そこから、夢中で仕事を楽しむ人生につながるのです。

○働くことのもう一つの意味

私の中で、”働くこと=お金を稼ぐこと”という認識が強くありました。
それと同時に、介護業界の「利用者からの笑顔とありがとうが報酬です!」という風潮に反抗心があったこともあり、”働くこと=やりがい”という考え方に対してあまり良いイメージもありませんでした。
ただ、”働くことの意味がお金だけではないこと”は理解していました。
だからこそ、浜矩子さんの「働くことは謎解きである」という、仕事に対する明確な意義を見出してくれた言葉に救われたのです。

浜さんは、働く中に出会う「これってどういうこと?何でこうなの?」に対して、自分なりの答えを出し続けることが働くということである、と語っています。

そして「何でこうなの?」だけではなく、それに対して「どうしたら解決するの?」と自分に投げかけて解き続けることもまた、働くということなのです。

「うまくできないことは人に頼もう。」
「得意なことを活かして働こう。」

それもまた一つだとは思いますが、苦手ながらに取り組んでみることもまた、働くということなのかもしれません。

また、助産師の坂本さんは働くこと=職業に就くことにとらわれない考え方を提示しています。
極端な話かもしれませんが、坂本先生は「赤ちゃんだって働いている」のです。

前述した通り、私は「仕事」と「お金」の結びつきに対して悶々としています。
以前「お金にならない時間は無駄なのか?」というテーマの記事を書いたことがあるほどです。
賃金が発生しない働きに意味を感じつつ、でもお金がもらえないということは社会から見れば無意味なのか?と悩んだり。
そんな私にとって、坂本さんが語る働くこと=役に立つことという考えもまた心にズシンと響きました。

お母さんが仕事をしている間に、そばで楽しく遊んでくれている赤ちゃん。
それだけでお母さんの役に立っている=働いてくれているのです。
お母さんは赤ちゃんに対して「遊んでいてくれてありがとうね」と言い、赤ちゃんは「いえいえ」と言わんばかりの満面の笑み。
社会の「働き」も、もっとこんなふうに「役に立った」「ありがとう」が広がれば良いのになと思いました。

○最後に

最後に、この本を読んだ上で私にとって「働く」とは何か?という問いに答えて終わろうと思います。
今の私にとって働くこととは「創る」ことです。

働く中で、自分自身の考えや思考を蓄積して自分自身を創り上げる。
仕事を通して、障壁に阻まれて生きづらさを感じている人の居場所を創る。
そして、多様な人が心地よく生きる社会を創る。

そんな答えで示させていただきます🌸

皆さんもぜひ「自分にとって働くって何だろう?」と考えてみてください。

では、また🌻



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