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大規模修繕工事で使える補助金・助成金制度は?補助対象ごとに詳細を解説

大規模修繕工事はマンション全体を修繕することが目的の工事なので、膨大な資金が必要となります。その主な財源はマンションの住民から集めた修繕積立金ですが、建物の状況によっては積み立てたお金が足りず、不足分を臨時徴収する必要があることも。

そのような際に活用したいのが、地方自治体が制度として用意している大規模修繕工事の助成金・補助金です。

この記事は以下のような方におすすめ
・大規模修繕工事の補助金・助成金制度について知りたい
・補助金・助成金制度の違いについて知りたい
・具体的にどんな補助金・助成金制度があるのか知りたい

本記事では、大規模修繕工事における補助金・助成金制度について専門家の立場からわかりやすく解説。大規模修繕工事に際して、補助金・助成金を受けたいという方はぜひご覧ください。



大規模修繕工事の助成金とは

そもそも大規模修繕工事の費用がどの程度かかっているかご存知でしょうか。国土交通省の発表した『マンション大規模修繕工事に関する実態調査』によると、一般的な工事金額は戸あたり75万円~100万円。大型マンションになるほど、膨大な費用がかかることが予想されます。

このように高額な費用がかかる大規模修繕工事だけに、着工前の見積もりで修繕積立金が不足し、住民から臨時徴収金を集めることになるケースや、有志を受けなければならないケースも少なくありません。

このような時に活用したいのが、大規模修繕工事の補助金・助成金制度です。制度ごとに様々な条件がありますが、利用できるのであれば利用しないに越したことはありません。例として、以下のような制度が挙げられます。


補助金と助成金は何が違う?

ここまで大規模修繕工事における補助金・助成金制度について簡単に説明をしました。もちろん、これらの制度は修繕積立金が不足していない場合でも条件を満たしていれば申請することができます。お住まいの物件が各制度の条件に合致する場合はぜひ活用しましょう。

ただし補助金制度と助成金制度は言葉が違うのと同様に意味も異なります。この意味の違いを知らないと、「もらえるつもりで準備していたのに、認可が下りなかった」という事態に陥りかねません。そういったリスクを負わないためにも、補助金制度と助成金制度の違いを知っておくことをおすすめします。

助成金の意味

助成金の定義としては、各制度に設定された条件を満たしていれば基本的に給付されるものを指しています。

例えば「エコ住宅普及促進費用助成金(東京都)」や「マンション劣化診断調査費用助成(東京都北区)」などは、定められた条件をクリアしていれば支給されることになります。

補助金の意味

一方、補助金の定義は、条件に満たしている応募の中から一定の審査を経た上で一部に支給されるものを指します。つまり、条件自体はクリアしていたとしても、場合によっては給付されない可能性があるということです。

大規模修繕工事における給付金制度には「熱エネルギー有効活用支援補助金(宮城県)」や「分譲集合住宅計画修繕調査費補助金(千葉県浦安市)」などが挙げられます。

自治体ごとに用意している補助金・助成金制度は異なります。補助金制度ならば条件が満たされていれば、それを大規模修繕工事の資金繰りの中に加算しても良いですが、助成金制度の場合はそうはいきません。適切な手続きを行わなければ審査通過も難しいものが多いため、コンサルティング会社などに相談することがおすすめです。


大規模修繕工事の補助金・助成金制度の種類

ここまでもいくつか例を挙げてきましたのでお分かりの方も多いと思いますが、大規模修繕工事の補助金・助成金制度といっても一括りにはできず、給付されたお金の使途には様々な種類があります。

本稿では、大規模修繕工事の補助金・助成金制度の主な種類を挙げながら、どのような用途に対して補助金・助成金が支給されるのかについて解説をしていきます。

アスベスト除去等事業補助金

大規模修繕工事の補助金・助成金制度の中で多いのが、アスベスト除去に関するものです。アスベストによる健康被害が叫ばれて久しく、地方自治体が市民の安全・安心を確保するため、また新たなアスベストによる被害が起こらないための支援となります。

下記は制度の例です。

劣化診断補助事業

大規模修繕工事の実施前に、マンションの劣化診断が行われます。その際の費用を補助する制度も用意している地方自治体は少なくありません。

下記は制度の例です。

防災対策整備費補助金

マンション管理組合による適切な防災対策や安全管理を推進するために、建物のおもに共用部の工事などに対して支援を行う制度です。

下記は制度の例です。

マンションアドバイザー派遣

マンションの適切な管理を推進することを目的に、専門知識を有したアドバイザーを派遣する制度があります。こちらは補助金・助成金の支給制度ではありませんが、大規模修繕工事に際してアドバイザー的な人材を雇用する代替策にはなり得ます。

下記は制度の例です。

共用部分改修費用補助・助成制度

マンションの共用部分を対象に、修繕工事・防災対策工事などに対して設計費用や工事費用を支給する制度もあります。

下記は制度の例です。


まとめ

本記事では、大規模修繕工事に際して活用できる補助金・助成金制度について解説をしました。自治体ごとに実施している内容は異なりますので、まずはお住まいの地域の担当課にご連絡をすることをおすすめします。

また、申請にあたっては膨大な資料を用意する必要があります。専門知識を要する場合もありますので、ご不明点があれば専門家に相談すると良いでしょう。


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