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🌸老舗旅館6代目女将になって🌸いつつめの話し🌸愛を持って接すること🌸

女将としての戦いのはじまり、の話しの続き。。。

さて、女将になったばかりの若かったあの頃の私。
私が、あの頃から社員と接すると時に、
いつも大切にしていた「思い」がありました。
いつでも「大好きだよぉ」と、思いながら接することです。
我が子も幼かったですし、
社員のことも我が子を思うように、
「可愛くて仕方ない」と思っていました。
我が子と同じで、社員は時には、憎らしいことを言ったり、反抗したりすることもあって、
「もう嫌になっちゃうわ」と思う事も、もちろんありました。
けれども、とにかく彼らが成長することが楽しくて嬉しくて仕方ない毎日でした。
伸びる日もあれば、後退してしまう日もあり、
我が儘言う日もあれば、拗ねてしまう日もある。
けれども、まっすぐに向き合って日々過ごせば、必ず前を向いてくれる。
信じていれば、必ず信じてついてきてくれる。

そう思えたのは、私が女将になって1年もしない頃のこと。
新米女将として突然やってきていろいろなことを変えていく私に対して、社員の反発も多々ある中でのこと。
老舗旅館をただの古いしきたりに囚われている宿屋ではいけない、
しっかりとした「企業」にしなくては、と、
労務管理に夢中になっていた私。

私は、規律正しく悪しき風習を廃止し、
新しい考え方、平等な労働環境を社員に伝えながら過ごすようにしていました。
働く姿もしっかり身につけるように、
「常に笑顔で」なんて、厳しく必死で伝えて。
「人は、言えば必ず解る」なんて思って、
必死で言い続けていました。

そんな時、入社2年目の二十歳のちぃちゃんが、
バックヤードでムスッとして仕事をしていたので
「ほら!いつでもどこでも笑顔!笑顔だよ」と伝えると
「はぁ?お客様の前では笑顔でやってます!」と。
私は、ついつい
「おもてなしは、裏も表もないのよ。
表裏がないから、おもてなし!
社員同士でも笑顔で接して!」と言うと、
「いいじゃん!お客様にはちゃんとやってんだから!
もう、いちいちムカつく。ついていけないんだけど」
と怒りをぶつけてきました。

私は、「話せばきっとわかるはず。」と信じて
一生懸命向き合って話しをしました。
けれども、結局「むかつく!!」と言い放って、
その日は飛び出して帰ってしまい、翌日からは無断欠勤をしてしまいました。
連絡しても通じず、待てど暮らせど出社してくれない。
そして5日経ったとき、ふいに私の前に姿をあらわしました。

緊張気味な表情の彼女は、しばらくもぞもぞしていて、
話したいことがあってもなかなか言いにくい感じの様子。。。。
私は、元気で過ごしてくれていたことだけでもホッとしましたし、
まず、会いにきてくれたことが、とても嬉しく思ったので、
その気持ちを彼女にまず伝えました。
すると、彼女はゆっくりと話をし始めてくれました。

よく話を聞いてみると、
「いきなり今までのことを変えていって、納得できなくてつい反発しちゃったんです。
だって、今まで着付け手当をもらえてたのに、もらえなくなっちゃうし。。。
でも、考えてみたら、午前中は着物着てないし、夏も着物着ないし、、、、
着てない時にももらってたのはおかしいし、
女将さんが言ってたことはよく考えると当たり前のことだし。。。」
とのこと。
労務管理の改善に対して、納得ができずにいたことが、反発の理由だと話してくれました。
さらに、彼女ははにかみながら、話しを続けてくれました。
「この間、会社を出てきちゃったことも友達に話したら、女将さんと同じ事を言っていて。。。
『あんたがわがままなんだから、ちゃんと謝ってきな』って言われて、、、。
だから、、、謝りに来ました。
すみませんでした。
私が勝手な事を言いました。
本当に申し訳ありませんでした。」
と、深々と頭を下げてお詫びの言葉を私に言うのです。

私は、彼女の凜とした姿にびっくり、
なんとなく大人になったような、、、成長したような、、、
そんな気持ちがとても嬉しくて、涙が出ちゃいました。
そして私の方こそ、きれい事ばかり伝えることしていなかったことを、とても反省しました。
解らせること、納得させることばかり必死。
決めつけてばかりいて、ちぃちゃんがなぜ笑顔が出ていなかったか、
聞いてあげることもしなかったのですよね。
まずは、信じてあげて、大好きでいてあげて、
そして聞いてあげて、理解してあげて、
つまりそれは、「愛を持って接すること」なのだと、改めて感じました。
社員に対する「愛」を持つ。
愛がなければ、大切なことを伝えることができない。
愛があってこそ、注意したり叱ったりしても、
向き合って一緒に目標に向かって頑張ることができる。
「人育て」をすることは、
「愛を持って接すること」なのだ。
当時の私は、まだまだ未熟者で空回りばかりだったけれども、
それからは、
愛を持って接することを必死で毎日過ごしていたかもなぁ、、、。
振り返ってみると、とても懐かしくほっこりする思い出ばかりです。

でもね、、、
愛を持って接することだけでは、まだまだ無理なことも多いのですよね。
それは、また後ほど、、、、
 


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