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インド日記9「憧れの店、インディアン・アクセント」

この日は、盛田くんがアーユルヴェーダに行きたいと言うので、スパへ行った。マッサージはタイのバンコク以来だ。あの時は苦い思い出と屈辱感でいっぱいになったが、今回はそのリベンジである。

流石に一流ホテルだけあって、設備も、部屋もエクセレント。バンコクでは、スケスケで丸見えで、ピタピタの黒い紙パンツが屈辱だったが、今回はモコモコの白いオーバーサイズのオムツのような紙パンツであった。鏡に映る自分の姿を見ると、ココリコの遠藤または、山崎邦正のように見えてきた。これはこれで恥ずかしいではないか。でも透けてないので全然OK!

マッサージが終わり、お肌がツルツルになった後は、カーンマーケットという、デリーにしては小綺麗で長閑な、いい感じの店が集合している地域で買い物をした。

偏見だが、真の漢(おとこ)という生き物は、基本的にお土産に興味がない。でも、後で見返した時にインドを想起させつつ「これインドで買ったんだよね〜」と言えるアイテムが欲しいんだよね。色々な店を物色し、買ったものは木彫りのガネーシャ様3体だった。盛田くんも同じものを買っていた。店を後にし、お土産を買った達成感に包まれたが、後日、他のメンバーに笑われて、自分達のチョイスを呪った。

この日の夕飯は、僕らにとって、この旅行でのメインイベント、「インディアン・アクセント」というモダンインディアンの名店へ行く。とても人気で高級な店なのだが、事前にメールを送って予約を取っていたのだ。

というのも実は、僕と盛田くんの、今回のインド旅行でのコンセプトは「モダンインディアン」と決めていたのだ。モダンインディアンというのは、読んで字の如く、モダンなインド料理のこと。僕はもともとエルブリとか、実験的で皿の上にアートを構築するような料理が好きだ。盛田くんは、ワインにハマっていてモダンで新しい独創的な料理を求めていた。なので今回ここ、インディアン・アクセントに念願叶って来れた事がたまらなく嬉しくて、落ち着いてなんかいられないのだ。

インドへ来て一番洗練された建物の中に、そのレストランはあった。

早速、ワインペアリングコースを注文。インド料理ともフレンチとも言い切れない、モダンな料理に終始興奮気味の僕らニ人。じっくりと味わいながら、あーだこーだ議論しながら、できる限り分析して食べた。どうしても聞きたい事は、盛田くんが頑張って質問した。

どの料理も、素晴らしかったが、印象的だったのは、蟹のラッサムと、そのペアリングワイン「F.X.ピヒラー」だ。蟹のラッサムはインドへ来てから2度目だが、ラッサムに甲殻類の出汁が入ると、素朴なはずのスープが一気に旨味たっぷりの料理へと変貌を遂げる。東京に帰ったら、海老やアサリの出汁でラッサムを作ろうと決めた。F.X.ピヒラーは、ただの白ワインかと思って、一口飲んだらぶっ飛んだ。ワインには全く詳しくないが、なんなのだろうこの熟成感と深みは。これだったら潰れるまで永遠に飲んだられると思った。機会があったらぜひ飲んでみてください。ちなみに僕らが飲んだのは、2012年のものでした。

大好きな、蟹のラッサム

驚くほど美味しい、F.X.ピヒラー

他の料理も、集中して、味わっては、分析し、意見を言いあい、そこから閃いたアイデアを出し合い、最後の料理まで語り合った。盛田君とは料理の話を永遠にしてられる。料理の話を同じ目線で語り合える人はなかなかいないため(ウンチク野郎や、マウンティングしてくる人は結構いる)お互いがお互いを貴重な友人だと思っている。彼とインドへ来れて本当に良かった。近いうちに、僕らでワインペアリング有りのコース料理をやりたいねと話し合った。それと、僕らのテーマである「モダンインディアン」を追求するために、度々登場するM野さんオススメのクアラルンプールにあるナドディという店とモダンインディアンが最も盛んなロンドンにも行こうと約束した。それまでに英語力を高めようという計画も立てた。

楽しくエモーションな夜はあっという間に終わる。部屋に戻ると、そのまま泥のように眠りにつく。

ここまで読んでくれて本当にありがとうございます!