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(オーナーカーレビュー#2)「マツダ乗り」できるトヨタ車?! トヨタ イプサムに乗ってみて。

今回はオーナーカーレビューをしていこうと思う。初のオーナーカーレビュー、車両提供はニャンクスさん(@IPSUM_LOVE さん)にしていただきました。ありがとうございます。
自分のトヨタ車のイメージは安心安全で、現行のトヨタ車はもちろん、過去に乗ったトヨタ車はすべて、四輪の接地感を明確に感じられて運転者も同乗者も安心できるといったものであった。
その思想は2000年代のトヨタ車にもあるのだろうか。

内装から感じる「余裕のクルマ」感

こちらが240s。

内装を見てまず感じるのは、このクルマ、大きいんだな、ということである。
例えば助手席。現代車であれば絶対に収納を付けているような空間ではあるがそのようなある意味「無駄」な空間ともいえるような場所が作られている。これによって、タイトな感じではなくどちらかというと「余裕」を感じるような空間の広さ感が生まれており、全体的にリラックスできるようになっている。
ステアリングに関してはボタンの配置が特殊ではあるが初見で使えるようなものになっている。
メーターからも余裕を感じる。というかこの時代はこのタイプのメーターが主流だったのだろうが、このクルマは240sというグレードなのでオレンジの差し色が入っておりかっこいい。他のグレードは白になるようだが、中の人はsのメーターが一番好き。
メーターのつくり自体からも余裕を感じ、現代車のような情報を詰め詰めにしている感じではなく、表示されているのは運転に必要なモノだけ。この辺りからも空間利用には余裕を感じる。

センターのエアコンパネル、ディスプレイ周りもたっぷりしており、グレードの関係でサイドパネルは黒になっている。ちなみにオーナーのこだわりで、内装は最終的に240uのようなものになるそう。そういうの大好物です。

画像:MOTAさんより

このような余裕感は現代車にはないが、それはどこから感じるのだろうか。考えてみたがやはり文章では表しづらいタイプの何かなのだろう。クルマってホントにこういうの多い。
おそらく、現代車のような装備もりだくさん仕様ではなく、本当に必要な装備が余すことなくつけられているのだろう。それによって、現代車よりモノの配置に余裕がある。
これこそがこの内装から感じる現代車が失った余裕な気がする。

走りはスポーティー!かつ,ゆったり

車って今でこそゆったりかつスポーティーにも走れるようになり、それはボディ剛性の向上であったり、足回りやステアリング周りの製造精度が上がったことなどが恩恵として出ているが、イプサム、こと240sというこのグレードにおいてはその「いいとこどり」がすごく精度高くできているように感じた。ここからはその理由を深掘っていこうと思う。

サイズ感を感じない

このイプサム、中の人はこのオーナーと出会わなければ気にもかけなかったかもしれない。ただ、興味が出てきたので試しにサイズを調べてみると、なんと現行のノアと全長は変わらないし、全高こそ低めではあるが全幅も1760となかなかのサイズ。内装も結構たっぷりしているので、大きさを感じるかなと予想できるが、体感ノアより全長は短く感じる。もちろん3列シートまでしっかりあるので相応にデカさは感じるのだが、ガラスの大きさも小さめで、後ろタイヤとの距離もノアより全然近く感じる。

乗り心地がかなりいい

試乗させてもらった車は何度もいう通り240sという「イプサムの中では」スポーティーな位置付けのグレードである。そのため、スポーティーになるであろうローダウンサスが入っている。
路面からの突き上げは感じるが、ボディ剛性がかなり高いようで、アシがしなやかに動き、一発でキッチリ収めてくれる。
サスだけでおさめきれない大きい段差はもちろんボディまで響いて車全体がダンっっと突き上がることもあるが、やはりノアなどのミニバンより重心が低めでどっしりしているので、現代のミニバンにありがちな(とはいってもだいぶ解消されたが)どこかに飛ばされるような不安感はどこにもない。
高速域での安定感もかなりのもので、ACCこそついていないが、80km/h以上の連続巡航でもまっったく疲れることはなかった。
全体的にフロアのプルつきもかなりかなり少なく、かなりゴトゴトした路面でボディ剛性が出るような道も走ったがアシのしなやかさとボディ剛性とどっしり感でおさめてくれる。

加速は予想越え?

2代目のイプサムのパワトレは2.4LのNAエンジンに4ATが組み合わされるものになっている。
個人的に2.4Lの4気筒と言うことであまり、というかほとんど期待はしておらず、NAだしもっさりだろうと予想していた。これは裏切られるパターン。

2.4Lも排気量があるので素の力が強く、低回転はトルクフル。しっかりスピードに乗せていくことができ、普通に周りの交通を余裕でリードできるほどの能力は持っている。
マツダの5ATでは1速がかなりショートなようで出足がめっちゃくちゃ元気で、結構出足でギュンっとでがちなのが難点であった。がんばれば自分の足で調整できないことはないが結構慣れるまではストレスに感じそう。6ATになってその辺りがすごくスムーズになって技術の進歩を感じたが、イプサムの4ATは、そのマツダの6ATに準ずるようなダイレクトさを持っている。
出足は踏んだ通りに出るし、アクセルのじわじわっとした調整もしっかり対応してくれる。なので高速域の速度調整も排気量の余裕もあってかなりしやすい。
全開加速もしてみたがNAエンジンらしい素直な吹け上がりと4ATによるCVTにはないダイレクトな加速感で合流加速でもスムーズに駆け上がっていく。

ブレーキタッチやハンドリングは少しマツダっぽい?

ブレーキタッチは非常に素直である。急に効きすぎるようなポイントもなく、最初効かない、剛性感がなくて怖いといったこともなく、踏んだら踏んだだけ効く。現行のマツダ車のような感じというよりはどっちかというとゴム毬を踏んでいるような感触は確かに存在するが、ブレーキの効き方には若干マツダっぽさがある。
ステアリングは少し重めといったところで、切り返しは少し体力を使うかもしれない。
しかし、重めのステアリングは直進安定性にバッチリ効いてるので、先代のソリオのようなただ重いだけではない。黙っていても真っ直ぐ走ってくれるような感覚さえあり、もちろんステアリングアシストなんてものはついているわけがないがこれならついていなくても全く疲れることはない。むしろATのダイレクト感も合わさってどこまでも一緒に走り続けていきたいとさえ思う程直進の安定性がしっかりしている。

コーナリングも直進安定性が犠牲になるようなことはなかった。ATなのでエンジンブレーキで自在に荷重コントロールができる。ローダウンサスであることを直進安定性や街中での乗り心地からすっかり忘れていたが、ここにきてしっかりローダウンサス、スポーティー仕様であることが生きてきている。つまり、かなり安定して曲がっていく。この辺りの安定感や安心感はすごくすごくトヨタらしい。
安定して曲がっていく感じや荷重移動のしやすさはマツダにもよく似ているのだが、マツダとは何か違うものがある。
この辺の言語化は難しいが、いつかマツダの乗り味についてレポートした際にはその辺りがしっかり言語化できているだろう。

まとめ

今回のイプサム試乗、自分にとってはかなり貴重な機会となった。そこまでトヨタ車に興味のなかった自分としてはなんともいえない印象になるだろうなと予想していたが、確かにパッと輝く性能はないにしろ(強いていうなら加速性能は凄いが、NAで力の出方が自然なので結局飛び抜けて心に残るかと言われるとうーん…)全体的にかなりよくまとまっている。トヨタ車によくありがちな感じで、本当にトヨタは車づくりというか全体の合わせ込みが上手いなと感じる。
当時としてはかなり大きかったであろうサイズだが、何も考えなくても走っていける感じで、本当にかなり馴染みやすい。
マツダのようなコントロールのしやすさも持ち合わせており、この辺りも本当に扱いやすい。トヨタ車ではなかなかない現象で、トヨタなのにマツダのような味わいも持ち合わせているという、少し不思議な車であった。
この感覚はぜひみなさんにも味わってほしいので、ぜひTwitterのIDからオーナーさんとも絡んでみて欲しい。車はいかついですがオーナーは優しいので。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。スキやフォローぜひお待ちしております!

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