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お茶漬けにチーズ~ZOOMで読書会 その16

16回目の「ZOOM読書会」。学生時代の友人「🐰さわ」&「🐱MOTO」と 私「🐻くば」が、それぞれ自分で決めたテーマにそって選んだ本を3冊ずつ紹介してます。

過去の読書会はこちら 

☆MOTO☆

<テーマ>最近読んだ本

1 おまえさん 宮部みゆき

🐱「ぼんくら」シリーズの3冊め。
何回も言ってるんだけど、宮部みゆきさんは、やっぱりものすごくうまい。この本もとっても良かった。

「ぼんくら」は、NHKで昔ドラマになっていて、主人公に近いおかみさんの役を 松坂慶子さんがやっていたのよね。だから、本読んでいたら、頭の中で松坂慶子さんに自動変換しちゃってたよ。

宮部さんの「初ものがたり」に登場する「茂七親分」。登場する本が 他にもたくさんあるらしくて、今度はそれを順番に読みたいなあって思ってる。


2スマホになじんでおりません  群ようこ

🐱PCは使い倒している群さんが、なぜ、スマホを導入するようになったかというところから始まっている。

ある日、猫が病気になった。固定電話でタクシーを呼んだんだけどつながらず、こういう時、スマホがあると便利だって聞いたからやむなく導入した。
 
文字入力が 出来るようになるまで すごく時間がかかった、生存確認のためにゲームをする、スクリーンショットが使えない、山ほどパスワード使わなければならないなど、スマホにかかわる四苦八苦が書かれていて、私も、スマホになじんでないので身につまされたよ。


3注文の多い料理小説集


アンソロジー。一つ一つの話がとってもいい。

柴田よしきさんの「風のベーコンサンド」のパン屋さんの「どっしりふわふわ」の話とか、伊吹有喜さんの「夏も近づく」とか、とってもよかったよ。

お話の中に、「お茶漬けに ミモレットチーズを入れて食べる 」というのが出てきて、ちょっとやってみたいなあ。
アンソロジーって、それぞれの人の文体とか特徴とかが よくわかるところがいいなあと思ったよ。

🐰今、ネットで、「注文の多い料理小説集」を調べたら、【本書登場の逸品たち】っていうのが出てたよ。

塩むすびと冷たい緑茶
ハルピンのイチゴ水
全粒粉のカンパーニュに具を挟んだサンドイッチ
きときとの富山の海の幸・ゲンゲ汁
生クリームと栗の甘煮のパンとアイスコーヒー
食堂のカレーライスと福神漬
星屑のような白い金平糖

🐰🐻おいしそうだねえ。


☆くば☆

<テーマ> 気分(だけ)は アスリート

1 ダッシュ! 村上しいこ

🐻部員数は少ないが、成績はけっこういい中学の陸上部。キャプテンに指名された真歩。「なぜ自分がキャプテンか?」と大いに悩む。キャプテンらしいこともできないし、タイムものびない。そのうえ、レギュラーだった、400メートルリレーの第一走者も新入生にとられてしまいそう。

自分の記録、後輩のおいあげ、友の進路などなどたくさん悩みをかかえる真歩。

最後にこういう思いに至る。

自分で道を模索して 成長していくヤツもいれば、私のように、目一杯誰かの手を煩わせないと 成長できないヤツもいる。でも、それでいいんだ。怒りも 涙も とまどいも、失望だって 栄養にできる。そして 成長させてくれる仲間がいる。それが女子中生だ。

中学生でこれだけ、きっぱりとした考えを持てた真歩。きっと、これからも悩むだろうけど、乗り越えて行けるだろう。


2 マラソン1年生  たかぎなおこ

🐻運動神経も、根性もなし。何をやっても3日坊主という たかぎなおこ さん。
何と、東京マラソンのTV中継を見て、「そうだ!私も走ってみよう!」
同志を得て、ウェアやシューズをそろえ、まずは皇居回りのジョギングから。

あれよあれよと、走ることにのめり込んでいき、最後は何と ホノルルマラソン完走までの コミックエッセイ。


まず、読んでいて楽しい!

いろいろなマラソングッズをそろえるところ。(シューズにセンサー。iPod。)

練習は段階をおって。
5kmのウォーキング→山登り→5kmの大会→10km→ハーフマラソン

走り終えたあとの ビールの何とおいしいことよ。

たかぎなおこさんの ほんわかした絵が、
「マラソン イコール 辛い」というイメージを薄くしている。
最後には、ホノルルマラソン完走しちゃうんだからすごい

ホノルルマラソンの描写も、出場したからこそわかる裏話も満載。

出発前のトイレは長蛇の列。
いろいろな格好のランナーがいる。(サンタやピカチュウも)
沿道での、たくさんの応援。生バンド演奏まであり。
次の日は、人生最大の筋肉痛。身体はバッキンバッキン。

もし、20代までに、この本に出会っていたら「私も走りたい!」と思ったかも。


3 シティ・マラソンズ 

🐻ニューヨーク、東京、パリ。
3人の作家がえがく3つの都市を走る物語

「純白のライン」三浦しをん
社長の命令で突然、ニューヨークに行くことになった阿部広和。
仕事ではない。ニューヨークシティマラソンに参加する 社長の愛娘に 悪い虫が近づかないように 一緒に参加して見張ってくれというのだ。
学生時代 陸上をやっていたとはいえ、10年のブランクと10kgの体重の増加はどうするんだ!

「フィニッシュゲートから」  あさのあつこ
記録も良く、将来も期待されていた悠斗は、高校でランナーをやめた。
スポーツシューズ作成の会社に入った悠斗に、突然、昔の陸上仲間、みなとから電話がかかってきた。「俺、東京マラソン走るから」

「金色の風」   近藤史恵
子どものころからずっとやっていたバレエをやめ、逃げるように、パリに語学留学をしたゆう。そのせいか、ちっともパリを素敵だと思えない。
ある日、犬と一緒にランニングしている女性と出会い、それをきっかけに 夕もランニングを始める。


どんなに一生懸命練習しても、たとえ いい記録を出したとしても、打ち込んできた種目をずっと続けられるのは、ほんの一握りの人たちだと思う。
だから、「アスリートのその後」という設定自体もおもしろかった一冊。

「走る楽しさを思い出す。」「別な形でアスリートの応援をする。」「一生懸命うちこんだあの日々は辛いばかりではなかったことに気づく。」

3人それぞれ、自分が過去に打ち込んできたことを、肯定的にとらえらるようになったのがよかった。

🐰私は、スポーツは全然やらないからスポーツの話って読めるけど、そのスポーツを ほんとにやっていた人は かえって読めないってことが あるかもね。私にとっては、全く離れた世界の話だから楽しめるのかも。
🐻うんうん。それはあるかもしれない。
🐰私は、自分の仕事に関係あるお話は、「え?」と思って読めないこともあったよ。


☆さわ☆
<テーマ>シンデレラなんて大嫌い

シンデレラも、白雪姫も、結局、みんな美人だから王子さまは彼女たちを好きになったんでしょ。
彼女たちの方だって、相手がかっこいい王子様だったから好きになったんじゃない。 そもそも、「結婚=幸せ」って変!

と、不穏な家庭で育ち、容姿にも恵まれなかった私は思っていました。

でも、それにいきどおるというより、
「だから、どうせ私は幸せになれるはずはない」
と、あきらめていました。

だから・・「シンデレラなんて大嫌い!」 でした。

でも、シンデレラをモチーフにした小説を読むと、同じように感じていた方はけっこういるようで、ちょっとおもしろかった

1 さよなら、「いい子」の魔法   ゲイル・カーソン・レヴィン

🐰物語の舞台は妖精やエルフ、巨人、ユニコーン等、ファンタジーの住人たちが普通に人間たちと暮らしている世界。

生まれた時に、「従順」になる魔法をかけられたエラが主人公。自分の意志とは関係なく 他の人の命令に従ってしまうという過酷な魔法。

エラは 自分の運命を自ら変えようと行動する。でも、うまくいかない。そして、王子様から求婚された時、自分にかけられた魔法が 国や王子を危険にさらす危険があることに気づく。

その時の行動には 胸を締め付けられたけど素敵。エラの強さに感動。その強さが、魔法を 解いたのだと思う。
王子様がエラを好きになったのも 外見ではない。(きれいだという描写はなかったように思う。)この王子なら エラの事を好きになるなと納得できた。

2 シンデレラの告白 櫻部さくらべ由美子

🐰舞台は中世ヨーロッパ。美貌の未亡人ティナは、ヒルダとマリエッタという二人の娘を連れて、大商人モルト―と再婚する。彼にはアンジェという病気の娘がいる。
ティナの二人の娘は、「鬼姉妹」と呼ばれていたが、どちらも心優しく、それぞれにたぐいまれな才能も持っていた。

継母と二人の姉という設定は シンデレラと同じだが、彼女たちは、アンジェを心から可愛いと思い大切にし、アンジェも義姉たちをしたう。

シンデレラを名乗る謎の女の出現や、貴族達の不審死や、モルト―やアンジェの謎などミステリー要素もある。それらの謎は あかされていくが、最後の最後に出てくるティナの言葉に 一番驚かされた。

二人の姉妹のえがき方が好き。その容姿のせいで 縁談がまとまらなくて悲しんだりもするが、いつまでも それにこだわってはいない。自分の好きな仕事を見つけ、しっかりした技術を身につける努力をする。二人が人生を楽しんでいる様子が気持ちがいい。

「二人の良さを認める男性があらわれて結婚しました。めでたしめでたし」と、ならないところもいい。

3 シンデレラ迷宮 氷室 冴子

🐰朝、目が覚めると、まるで知らない世界に来ていた 利根りね。彼女は、記憶を失った。

その世界には、白雪姫と継母の王妃、「白鳥の湖」のオデットとオディール、眠り姫などがいた。彼女たちと関わり合ううちに、利根の記憶も少しずつ戻り、現実の世界で生きていく気力も生まれてくる。

彼女は気がつく。

「どこまで行っても、この世界から自分を救ってくれる愛しい人が来るのを、ただ待っているばかりの 嘆きのシンデレラたちしかいない。ここは、シンデレラ迷宮だ。救いの王子は 決して来ない、シンデレラ迷宮なんだわ」

そして、現実世界に戻っていく。

読み始めたら、文体があまりにも「昭和」で、引っかかってしまったけど、読んでいくうちにそれにも慣れた。

著者の氷室冴子さんは、55歳で亡くなったとのこと。もっと長生きして作品を世に出してほしかった。

🐱氷室冴子さんは北海道の岩見沢市出身で、今,「氷室冴子青春文学賞」というのもできてるよね。
🐻うん、「虹色図書館のへびおとこ」が第一回の大賞作品だったと思う
🐱何年か前に、氷室冴子さん特集の本も出ていたよね。


🐱最近、この本がおもしろくて新刊を買ってきたよ。
「なまらうまい!たんぽぽちゃんの昭和ごはん 3杯目」
バターのせご飯とか、ちょうど、私たちの子どもの頃のごはんがでてきて、ツボだよ。

🐰私は「六人の嘘つきな大学生」がおもしろかったよ。就活生の話なんだけど、一人の人をいろいろな視点から描写している。
ただの就活生の群像劇かと思っていたら、最後の最後にどんでん返しもあって、いやだなって思ってた人が実は・・。
私の中で 久々にヒットした作品だったよ。


たかぎなおこさんの「マラソン1年生」のところで、

もし、20代までに、この本に出会っていたら「私も走りたい!」と思ったかも。

と、書いた。常日ごろ、

「今が一番人生で若いとき」と言う言葉を忘れないでいよう。
「もう、年だからできない」とは思わず「何でもやってみよう」の精神で行こう。

と思っているのだが、さすがに今回は、「よし、少しでも いいから 走ってみるか」にはならなかった。

現在の私の体力、筋力から考えると 目標は、「1日 3000歩は、歩こう!」です。


読んでいただき ありがとうございました。