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アメリカの大学院の授業とサポート体制

アラフォー大学院生のHiroshiです。
今日は、アメリカの大学院の特徴の一つになると思いますが、コースマネージメントの方法を紹介したいと思います。これはコンピュータサイエンスに限った話かもしれません。MBAやLLMなど他の専攻の学生に聞いたことがないので、その点はご了承ください。
ただ、このコースをマネージメントするという点は、日本の大学との大きな違いの一つかもしれないと私は思っています。もちろん、資金面の違いというのも関係しているかもしれません。

私が所属するコンピュータサイエンス専攻の授業は、Electrical Engineerinigの学生も取ることができ、オンラインの学生もいるので、オンキャンパスの学生も合わせると多いクラスでは600-700名ほどが受講する授業があります。
一種の大規模プロジェクトです。

では、これらの授業をどうやってマネージメントするのか、というのはマネージメントをしたことがあるひとからすれば、難しいことが容易に想像できると思います。その点について、まとめようと思います。

サポート体制

1つの授業は、講義をするProfessor、それを支えるTeaching Assistant(4~5名程度)とGrader(何名かは不明)がいます。

Teachinig AssistantはProfessorに代わり、生徒の質問やHomeworkの作成、試験監督などProfessorがお願いした仕事をするサポート役の学生です。主に博士課程の学生が担っています。
GraderはHomeworkやExamの採点係です。
おそらく、総勢10名(クラスによってはそれ以上)ほどのメンバーが1つの授業をサポートしています。多いクラスでは30名というのも聞いたことがあります。この手厚さは、日本の大学では見たことがありません。

管理ツール

ただ、それだけの人を要しても、管理することは難しく、より効率化する工夫もされています。ほとんど全てはリソースがオンラインで管理されていて、ペーパーレスです。iPadとPCで全て完結するので管理が楽です。
また、主に使うツールは下記の3つです。
※あくまで私が通っている大学院についてのツールだが、PiazzaとCrowdMarkは他の大学でも使っていると聞いたことがあります。

  1. クラスのウェブサイト:ここでは、講義の録画動画、講義資料の配布など全てはこのウェブサイトで行われます。もちろんHomeworkの提出や採点結果、フィードバックコメントもここから受けとりますし、自分の成績も確認できます。

  2. Piazza:生徒の質問掲示板です。分からないことを質問して、生徒やTA、Professorが回答してくれます。

  3. CrowdMark:オンラインで採点結果が返ってくるサービスです。採点が終わればメールで届き、開くと採点された内容、クラス平均、点数分布などを見ることができます。実際の試験はPaperで受けて、それをスキャンして採点してオンラインで返却されます。

クラスのウェブサイト


Homeworkの提出と返却


Online Quiz


Piazza


採点後に受診したCrowdmarkのメール


実際のCrowdmarkで返却された試験内容

授業以外のサポート

講義でわからなければ、動画も後から見直すこともできますが、TAやProfessorに直接質問ができるOffice Hourというのもあります。
下記が、今学期受けた授業のOffice Hourのスケジュールですが、常に誰かに聞ける体制があるのが特徴です。


これらを駆使して、クラスのコースワークをProfessorが設計しています。

リソースもクラスの規模も違うという点はありますが、オンラインで管理されるという点は、生徒としても楽なので、紹介しました。


ただし、学ぶ内容はあくまでコンピュータサイエンスなので、日米で異なることを学ぶということはありません。
日本の大学教育が悪くて、アメリカの大学教育が良いというのは極論すぎて、私は間違っているという立場です。
もちろん、研究や博士課程となれば、話は別ですが、英語でコンピュータサイエンスの概念を学び、全てが英語という違いを除けば、日本の大学の授業も素晴らしいと思っています。実際に、日本で博士を取って世界のトップオブトップのエンジニアとして活躍している友人も知ってますので、どちらが良いという話ではないと思います。

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