自傷と虐待と解離
自傷をしているみなさん、
あなたの家庭は“普通”ですか?
『自傷・自殺する子どもたち/松本俊彦(2014)』では、
「自傷を繰り返す者は、身体的虐待や性的虐待といった自分が直接の暴力を受けているだけでなく、両親間のけんかといった、家庭内での暴力場面に繰り返し曝露されている者も多いことが明らかにされている。(松本ら,2006)」
「解離性障害の患者の中でも、自傷や自殺企図をを呈する患者では、暴力の直接的な被害にあっていたり、暴力場面を目撃していたりすることが多い。(柴山,2007)」
以上の研究が引用され、紹介されている。
ちなみに私は、身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・経済的DVという環境で育った。
そんな私は、14歳のころからリストカットを始め、
21歳現在、まだ自傷行為に頼らずには生きていけない生活を送っている。
そして私は解離という症状も持っている。
解離とは、『意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態』のこと。
簡単に言えば、現実感が無かったり、記憶が飛んでしまったり。脳内がふわふわすると表現する人もいたりする。私は脱力したりもする。
解離がおこるきっかけや原因として、
幼少期の虐待やネグレクト、家庭内暴力、親の離婚などの経験が挙げられる。
虐待は身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・ネグレクトの4つがある。
これらの虐待よる過剰なストレスによって、解離状態にしばしば陥ってしまうという可能性がある。
その解離・離人感による不快感を解消するために、自傷行為に及ぶのである。
その例の一つとして
「切っている時に痛みを感じないけど、血を見ると我に返って
『あ、生きている』
と思ってほっとする。」
そんなことがある人もいるのではないかだろうか。
自傷に及んでいる最中には、痛覚の鈍麻あるいは現実感の希薄化や離人感が生じていて、切ることがもたらす痛覚刺激や血液の鮮やかな色彩によって、現実感を回復している。
つまり、自傷は解離状態で行われている可能性がある。
自傷のプロセスは
・不快感情
→解離による無感覚
→痛みや血液といった知覚刺激
→現実感回復
と言われている。
前述より、自傷と虐待と解離にはすべて関係があると言える。
虐待という残酷な環境に育ち、
それによって解離が出現し、
その不快感、離人感から切り離すために
自傷行為をするのだ。
自傷行為は悪ではない。
現実感の辛さから逃げるための手段であることには
きっと間違いはないのだから。
参考:自傷・自殺する子どもたち/松本俊彦著
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