Hiro Funahashi

《人は誰でも幸せさがす旅人のようなもの》 | 幻桃短歌会 所属 | Based in …

Hiro Funahashi

《人は誰でも幸せさがす旅人のようなもの》 | 幻桃短歌会 所属 | Based in NGY/JPN | INFP-T  |  👉🏻短歌作りを上達したいです。拙歌への批評いただけましたら幸甚です。よろしくお願いします。🙇🏻

最近の記事

短歌

我が居間に昇りて笑まふシチリアの太陽放つ彼の地の五感 (笹 公人さんの講演を聴きて) わすれてた念力持ち出し街にゐでまづは信号を青にしてみる

    • 短歌

      春 娘の大学入学 ひと日ごと野の花増えゆく春の日の今日言祝ぎぬ吾娘の入学 ハイヒール初めて履きし吾娘のゆく歩調にあはせて向かふ会場 世界との協調大事と日本の新学期九月変更論 しかすがに春の日たるべし入学は門出を祝ふその花盛り 三千と七百七十三人の楽観はみな無垢にして眩し 火曜午後のGAP店員声掛けの鼻腔共鳴響く館内 肚決めて暖かくなれよ三月尽 桜の花の散り果てぬ前に 入学おめでたう、おめでたひけど気にかかる秋の学費に高鳴る心拍 枯れすすきの根から青葉は伸び始

      • 短歌

        (妻、交通違反切符をきらる) 青切符の職業欄に「オペラ歌手」 権力味方に鼻高高に 台車曳く音か機械の作動かと 地を唸らせて春の雷

        • 短歌

          (二〇二四年三月一日 鳥山 明さん急死) 世界中Akira Toriyamaの死を悼みわれ書き添えぬ名古屋の人だと 白木蓮見上げる先に花あまた咲けどその香のわれに届かず おれはむかし長生きできぬと言われたと凄む父いま米寿となりぬ

          短歌

          蹌踉の寒さ逃れて入りしカフェの窓に聳えしテレビ塔凍つ 梅めづる狸もありて帰宅道その徳利も風に揺れしや

          「狂俳(きょうはい)」とわが祖先の地

          先日、夏井いつきさんの「NHK『いつきのよみ旅!』in愛知」を視ていた。いつものように視聴者が一句を携え出演するのだが、その一人に「狂俳」をさられてみえる方がみえた。紅紫あやめさんとおっしゃるかただった。「狂俳」という言葉は確かに耳慣れない言葉だが、以前、目にしたことがあった。 2022年の5月、愛知県小牧市の河内屋新田を訪ねたときのことだ。この河内屋新田は、実は我が船橋家の発祥の地なのである。立派な、「船橋家祖先之碑」の石碑(上と下の写真)も建っている。そしてその脇に、ま

          「狂俳(きょうはい)」とわが祖先の地

          雨水の日に詠む

          (雨水の日に詠む) 春霖よ降らむ 世界のこぼれゆく季節を固め潤い起こせ ブラインドを開けるか閉めるか争いて社内政治の外の春雨

          雨水の日に詠む

          私の好きな一首

          暗い燃料タンクのなかに虹を生み虹をころしてゆれるガソリン/穂村弘《シンジケート》、目をみちゃだめ より この短歌は穂村弘さんの作品のなかでわたしが最も好きなもののひとつである。唐代の詩人、王維の漢詩、「辛夷塢」を思いおこさせからでもある。 辛夷塢/王維 木末芙蓉花  木末芙蓉の花 山中發紅萼  山中紅萼を發す 澗戸寂無人  澗戸寂として人無く 紛紛開且落  紛紛として開き且つ落つ 人里から遠く離れた山の奥深く 辛夷の木が生うている、 梢には辛夷の花が おおきな紅色の花

          私の好きな一首

          短歌

          いつもの駅で降りずにこのまま行かうかと想ふに留めぬ今日西行忌

          同僚の死を悼む

          きみの死を聞かされし朝の会議室集まりし我しばし黙せり 自らの命を絶ちぬ仕事場で君その日の勤務の終わりに 四日もの間家には帰らざりし君彷徨ひし夜の暗闇 社報見て初めて知りし君の名は「倫」 歳三十 退職の日 人の縁薄き人なむと聞きて知る 最期を過ごせし仕事の倫 君の未来たりへた時間を生くるわれ君のゐない机を見てをり せめてもの願ひは君の体失の往生あらむ 無量の光 終の場所を職場に選びし君のため短歌を詠はむ君を偲びて きつとかう動いて行くのだらう僕のゐなくな

          同僚の死を悼む

          (閃輝暗点) わが視野にギラギラ歯車ギラギラとフラッシュモブは不定期公演 白木蓮高き梢に咲く花の香り届かず見上げる我に 講談社學術文庫の《田園に死す》は新字體 しんじられない 皺になり破れて垂れるグラシン紙テープで貼りて本に留め置く 空間に弾くひと聴くひと共にゐてみなそれぞれが詩の中にゐる (重信房子歌集《暁の星》) 重い荷は遠くに降ろしてきたわれに輝き眩し《暁の星》 花韮を摘みて手にもつ星青く幼姉妹は母に連れられ こどもらが名前呼び合ふ声響く公園に今は独りがよ

          妻を詠む

          "Oh blessed a thousand times the peasant who is born, eats and dies without anybody bothering about his affairs."--- Giuseppe Verdi 早朝から珈琲豆挽く音で起こすなと妻我が淹れたての커피を啜る 福耳になれと妻我が耳朶を揉み我哂いつつ耳探る (コロナ後に開いたコンサート) 秋の夜に妻が開きしコンサート渇いた年を潤い満たし (妻が五十二歳の誕生

          短歌

          夏祭り賑はひくればおのづから狐も出でぬ人の形して

          短歌

          われにその花の名教へし君のこと記憶しおかむその花の香と

          年末年始 雑歌

          (十二月四日、中村哲医師兇弾に倒れてから四年が経つ) 絶望ひしめく国を流るる一筋の真珠は希望を生みて カカ・ムラトの遺せし用水路は永遠にその命の水を運びつづける ***** 題詠「水」 初雪のせいで進まぬ詠もありみずのとう年も暮れにちかづく 題詠「走る」 走つても前に進まぬ悪夢見ない人つているのと猫にとふわれ 日本人の役はすべて韓流が演じるドラマのざ行のざわめき  (岡井隆先生の短歌:〈杢太郎随筆集を火のついた枯葉のやうに手にとつて読む〉) 火のついた枯葉のやうてふ

          年末年始 雑歌

          スーパーノヴァ

          三毛猫をもらひて나비と妻名づけてふてふてふてふの歌詞われ歌ひし われ帰宅するたび猫ら走りきて掻いてくりゃれと腹出してねる 遠花火ながめるわれの足元を猫はゑがきぬ∞の軌跡を 天然の造形美かな 振り向きし野良の額に麻呂眉高く 麻呂くんと名付けし野良を探しをれば猫の恋あり彼は姫なりき 夏の夜のベランダの闇の蠢きを猫追いかける網戸のむかふ ねえきいてとぼくに近寄りねこかたるスーパーノヴァがまばゆい話し ***** 埋められた棺桶の中に目覚めるを独り想ふてM.R.I.

          スーパーノヴァ