(イタリア・シチリア島の陶器の町、カルタジローネで作られた太陽をモチーフにした典型的なマジョリカプレート。カルタジローネ・マジョリカの色は鮮やかな黄色、青、緑で…
春 娘の大学入学 ひと日ごと野の花増えゆく春の日の今日言祝ぎぬ吾娘の入学 ハイヒール初めて履きし吾娘のゆく歩調にあはせて向かふ会場 世界との協調大事と日本の新学…
(妻、交通違反切符をきらる) 青切符の職業欄に「オペラ歌手」 権力味方に鼻高高に 台車曳く音か機械の作動かと 地を唸らせて春の雷
(二〇二四年三月一日 鳥山 明さん急死) 世界中Akira Toriyamaの死を悼みわれ書き添えぬ名古屋の人だと 白木蓮見上げる先に花あまた咲けどその香のわれに届かず
蹌踉の寒さ逃れて入りしカフェの窓に聳えしテレビ塔凍つ 梅めづる狸もありて帰宅道その徳利も風に揺れしや
先日、夏井いつきさんの「NHK『いつきのよみ旅!』in愛知」を視ていた。いつものように視聴者が一句を携え出演するのだが、その一人に「狂俳」をさられてみえる方がみえた…
(雨水の日に詠む) 春霖よ降らむ 世界のこぼれゆく季節を固め潤い起こせ ブラインドを開けるか閉めるか争いて社内政治の外の春雨
暗い燃料タンクのなかに虹を生み虹をころしてゆれるガソリン/穂村弘《シンジケート》、目をみちゃだめ より この短歌は穂村弘さんの作品のなかでわたしが最も好きなもの…
いつもの駅で降りずにこのまま行かうかと想ふに留めぬ今日西行忌
きみの死を聞かされし朝の会議室集まりし我しばし黙せり 自らの命を絶ちぬ仕事場で君その日の勤務の終わりに 四日もの間家には帰らざりし君彷徨ひし夜の暗闇 社報見…
(閃輝暗点) わが視野にギラギラ歯車ギラギラとフラッシュモブは不定期公演 白木蓮高き梢に咲く花の香り届かず見上げる我に 講談社學術文庫の《田園に死す》は新字體 し…
"Oh blessed a thousand times the peasant who is born, eats and dies without anybody bothering about his affairs."--- Giuseppe Verdi 早朝から珈琲豆挽く音で起こ…
夏祭り賑はひくればおのづから狐も出でぬ人の形して
われにその花の名教へし君のこと記憶しおかむその花の香と
(十二月四日、中村哲医師兇弾に倒れてから四年が経つ) 絶望ひしめく国を流るる一筋の真珠は希望を生みて カカ・ムラトの遺せし用水路は永遠にその命の水を運びつづける …
三毛猫をもらひて나비と妻名づけてふてふてふてふの歌詞われ歌ひし われ帰宅するたび猫ら走りきて掻いてくりゃれと腹出してねる 遠花火ながめるわれの足元を猫はゑがきぬ…
Hiro Funahashi
2024年4月26日 09:48
(イタリア・シチリア島の陶器の町、カルタジローネで作られた太陽をモチーフにした典型的なマジョリカプレート。カルタジローネ・マジョリカの色は鮮やかな黄色、青、緑です。)我が居間に昇りて笑まふシチリアの太陽放つ彼の地の五感
2024年4月17日 21:47
春 娘の大学入学ひと日ごと野の花増えゆく春の日の今日言祝ぎぬ吾娘の入学ハイヒール初めて履きし吾娘のゆく歩調にあはせて向かふ会場世界との協調大事と日本の新学期九月変更論しかすがに春の日たるべし入学は門出を祝ふその花盛り三千と七百七十三人の楽観はみな無垢にして眩し火曜午後のGAP店員声掛けの鼻腔共鳴響く館内肚決めて暖かくなれよ三月尽 桜の花の散り果てぬ前に入学おめでたう
2024年4月1日 10:31
(妻、交通違反切符をきらる)青切符の職業欄に「オペラ歌手」 権力味方に鼻高高に台車曳く音か機械の作動かと 地を唸らせて春の雷
2024年3月16日 19:28
(二〇二四年三月一日 鳥山 明さん急死)世界中Akira Toriyamaの死を悼みわれ書き添えぬ名古屋の人だと白木蓮見上げる先に花あまた咲けどその香のわれに届かず
2024年3月6日 14:14
蹌踉の寒さ逃れて入りしカフェの窓に聳えしテレビ塔凍つ梅めづる狸もありて帰宅道その徳利も風に揺れしや
2024年2月26日 00:15
先日、夏井いつきさんの「NHK『いつきのよみ旅!』in愛知」を視ていた。いつものように視聴者が一句を携え出演するのだが、その一人に「狂俳」をさられてみえる方がみえた。紅紫あやめさんとおっしゃるかただった。「狂俳」という言葉は確かに耳慣れない言葉だが、以前、目にしたことがあった。2022年の5月、愛知県小牧市の河内屋新田を訪ねたときのことだ。この河内屋新田は、実は我が船橋家の発祥の地なのである。
2024年2月25日 11:48
(雨水の日に詠む)春霖よ降らむ 世界のこぼれゆく季節を固め潤い起こせブラインドを開けるか閉めるか争いて社内政治の外の春雨
2024年2月19日 22:06
暗い燃料タンクのなかに虹を生み虹をころしてゆれるガソリン/穂村弘《シンジケート》、目をみちゃだめ よりこの短歌は穂村弘さんの作品のなかでわたしが最も好きなもののひとつである。唐代の詩人、王維の漢詩、「辛夷塢」を思いおこさせからでもある。辛夷塢/王維木末芙蓉花 木末芙蓉の花山中發紅萼 山中紅萼を發す澗戸寂無人 澗戸寂として人無く紛紛開且落 紛紛として開き且つ落つ人里から
2024年2月19日 15:30
2024年2月19日 15:13
きみの死を聞かされし朝の会議室集まりし我しばし黙せり自らの命を絶ちぬ仕事場で君その日の勤務の終わりに 四日もの間家には帰らざりし君彷徨ひし夜の暗闇社報見て初めて知りし君の名は「倫」 歳三十 退職の日人の縁薄き人なむと聞きて知る 最期を過ごせし仕事の倫君の未来たりへた時間を生くるわれ君のゐない机を見てをり せめてもの願ひは君の体失の往生あらむ 無量の光終の場所を職場に
2024年1月30日 22:30
(閃輝暗点)わが視野にギラギラ歯車ギラギラとフラッシュモブは不定期公演白木蓮高き梢に咲く花の香り届かず見上げる我に講談社學術文庫の《田園に死す》は新字體 しんじられない皺になり破れて垂れるグラシン紙テープで貼りて本に留め置く空間に弾くひと聴くひと共にゐてみなそれぞれが詩の中にゐる(重信房子歌集《暁の星》)重い荷は遠くに降ろしてきたわれに輝き眩し《暁の星》花韮を摘みて手に
2024年1月27日 21:59
"Oh blessed a thousand times the peasant who is born, eats and dies without anybody bothering about his affairs."--- Giuseppe Verdi早朝から珈琲豆挽く音で起こすなと妻我が淹れたての커피を啜る福耳になれと妻我が耳朶を揉み我哂いつつ耳探る(コロナ後に開いたコンサ
2024年1月27日 21:19
2024年1月27日 20:01
2024年1月27日 18:58
(十二月四日、中村哲医師兇弾に倒れてから四年が経つ)絶望ひしめく国を流るる一筋の真珠は希望を生みてカカ・ムラトの遺せし用水路は永遠にその命の水を運びつづける*****題詠「水」初雪のせいで進まぬ詠もありみずのとう年も暮れにちかづく題詠「走る」走つても前に進まぬ悪夢見ない人つているのと猫にとふわれ日本人の役はすべて韓流が演じるドラマのざ行のざわめき (岡井隆先生の短歌:〈
2024年1月27日 18:37
三毛猫をもらひて나비と妻名づけてふてふてふてふの歌詞われ歌ひしわれ帰宅するたび猫ら走りきて掻いてくりゃれと腹出してねる遠花火ながめるわれの足元を猫はゑがきぬ∞の軌跡を天然の造形美かな 振り向きし野良の額に麻呂眉高く麻呂くんと名付けし野良を探しをれば猫の恋あり彼は姫なりき夏の夜のベランダの闇の蠢きを猫追いかける網戸のむかふねえきいてとぼくに近寄りねこかたるスーパーノヴァがまば