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相次ぐ夏場のプール事故は減らせるか

相次ぐプールでの死亡事故

この時期になると毎年のようにプール事故が起きます。先日も東京のとしまえんのプール事故で8歳の女児が亡くなりました。

私は記者になってから、幾つかのプール事故について取材する機会を得ました。事故をどう防ぐかについて焦点をあてたリポートも、何回も作って来ました。だからこのニュースに接した時、「またか…」と暗い気持ちになりました。

そして昨日も、熊本のプール事故で女児が亡くなったというニュースが出ました。残念でなりません。

今年に限らず、プールでの死亡事故は毎年のように起きていますが、安全管理体制の不備が事故に繋がったケースが近年ではやはり多いです。

つまり「防げた死」があるという事です。

「防げた死」もあった過去の事故

プール事故で大きく報道された死亡事故はいくつかありますが、よく知られているのは、平成24年の京都の養徳小学校で、小学生の女児が亡くなったプール事故です。裁判では、学校側の安全管理体制の瑕疵が指摘され、教員の責任を認める判決が出ています。つまり、学校側の安全管理体制の不備が女児の死につながったと認定された形となりました。

ここから言えることは、現状では安全管理の体制が厳しく問われる社会になっているという事、そして安全管理が出来ていれば、命が失われることは防げる可能性が高い、という事です。

東京のとしまえんの事故は詳しい調査はこれからですが、安全管理体制、安全管理に従事する人間側、ソフト面の対策の不備についても今後、調べが進むと思われます。

専門家 「プール事故はなくせる」

プール事故についての取材の際、プール安全管理の専門家に事故は防げるかと聞きました。その方は、

「プール事故は事故の未然防止策と事故後の適切な対応により、なくすことが出来る」

と力強く話されたことをよく覚えています。全くのゼロに、ということは難しいかも知れませんが、やり方次第で絶対に減らせると。そして、その具体的な方策についても、考えを披露くださいました。

今後のプールでの事故防止には、プールの安全管理に関わる側の「ソフト対策」が鍵だというのが長年プール事故について取材を続けてきた私の実感です。

「プールの監視」は人の命を預かる、大切な仕事です。

その教育をどう担保していくか、社会で議論が必要なのだと思います。

どうすれば安全なプールにできる?

こういう事故が続くと、リスク管理の面から

プールなんてやめてしまえ、

という意見が必ず出てきます。そして近年は、学校プール開放の取りやめなど、実際に子どもが水場と触れ合う機会が減少する動きが出てきています。しかし、「リスク管理」という大人の理屈で、子どもたちから水と触れ合う機会を奪っていいものでしょうか。

安易に止めるのではなくどうすればプールの安全を守れるか、簡単な事ではないかもしれませんが、悩みつつ考え、対応策を実行する事が大人の責任なのではないかと、思います。


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