私の芸術運動155私の世界

東京の街をふらっと夜に歩いていると、良いなぁー。と思います、見知った家までの道ですけどなんかしみじみと思うことがあります、思い出もありますし愛着もあります、いまだに前住んでいた上野のアパートの前を通れば胸に込み上げてくるものがあるものです。

なんとなく、いずれは東京を出てどこか知らない街で暮らしてみたいなと思っているから、遅かれ早かれいずれは出て行く街なわけです、出て行く理由は何もないのですが、不思議と私はいずれ出て行くんだろうと思っているんです。

人生の三分の一を東京で過ごしました、むしろ自分の人生という意味ではもはや東京で全てを体験したと言っても過言ではないです、二十歳ごろに1人で東京に住み始めて、仕事をして、気づけば画家になっていて、今でもバイトをしながら絵を描く日々を送っています。

これがこのまま一生続いて行くなんて事は思ってませんから、私は必要なタイミングで自分に変化を促すだろうという事はおおかた予想がつくのです、寂しいと思いつつ、去って、私は新天地で東京での思い出を温めながら必死に生きて行く事になるのかもしれません。

そうなれば、私の絵はまた新しい視点を獲得する様な気がいたします、別に絵が私の全てでは無いにしろ、絵がなければ始まりもしない。

私がいなくても世界は回りますが、私がいなければ回る世界を知覚できません、全ては幻の様に消え去るかもわかりませんね、私の絵もそんなものだと思っています、私がみた景色を知覚し描かなければ私の世界ではその景色は幻の様に消えてしまう、というより知る由もなかったという感じでしょうか。

表現が難しいのですが、この世界は私であり、私は世界、それは生きとし生けるものたち全てがそれぞれの世界を生きていると言えます。

私は私の世界を描くのです。

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