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丁寧な暮らし…だけではつまらない

「丁寧な暮らし」という言葉にとてつもない
憧れを感じ、雑誌・天然生活を熟読していた
時期があった。

道具、食材、住環境、身につけるもの…
何もかもが自然で嫌味がない。

色味は決して派手ではないけれど
着心地の良さそうな上質なお洋服。

それらが無駄なくシャンとクローゼットに
並んでいる写真を見ては自分の部屋の
クローゼットのガチャガチャ感にゲンナリもした。

その「天然生活的生活」は、当時の私には
別世界に思わざるを得なかった。

お金のために働きに行く職場。
そこには「オフィスカジュアル」という
何とも曖昧な定義のドレスコード。

その曖昧なドレスコードを守らねばならない為に、絶対に休みの日には着ないであろう
洋服を買い、それらがクローゼットに並ぶ。

その時私は、自分の好きなものだけに囲まれた生活にしようと思うと働き方、強いては生き方そのものを「自分好み」にしなければならないのだと愕然とした。

そこに行き着いた途端、素敵だと思っていた天然生活の誌面が急に自分の心を締め付けるものに感じてしまい、一切見る事がなくなっていた。



しかしここ2年程で私の生き方に変化が起こり、
「自分軸」に重きを置くようになった今再び
「丁寧な暮らし」に心が凪いでいく感覚がある。

先日、婦人公論で小林聡美さんのインタビューを目にした。絵に描いたような「丁寧な暮らし」を送られているイメージの小林さん。

彼女の日常はさぞ、穏やかでゆったりとしているのだろう…と思っていたら意外にもそれだけではなかったという事に驚きと嬉しさを感じた。

何でも「中庸(※過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま)」が良いとよく聞くけれど、
常にその真ん中ではきっと人生つまらないのだ。

右に傾き左に傾きしながら、真ん中を保つ。
やじろべえのように。

考え事をしすぎて脳がショートしそうな時も、
自分でも引いてしまうほどジャンキーな物ばかりを貪る時も、穏やかすぎた時の起爆剤として必要な
事なのかも知れない。

そうやってバランスを取って過ごすことで
きっと人生を面白くさせているのだ。




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