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【第17話】厚底シューズが変えた世界

どうも、川瀬です。
前回は駅伝主将の務めを終えた後の2ヶ月、大学陸上生活のターニングポイントとなった時期について書きました。


今回はその学びに対する実践編です。諦めたはずの箱根駅伝をもう一度目指そうと思うようになった話です。

筑波大は基本的に冬季はサーキットトレーニングと走り込みをします。
レースに向けた練習を減らし、走ることそのものの練習です。
この年の冬も例年に変わりなく1月から冬季練習を開始し、それらに加えて箱根駅伝予選会を見据えてハーフマラソンを2回走っておこうという流れでした。

僕はこの冬季を並々ならぬ思いで迎えます。11月の末、やる気が戻ってきた時から企んでいました。それは次のシーズン3000mSCを本気でやるためにランニングフォームの改善、そのためのナイキズームフライ、そしてナイキヴェイパーフライの投入でした。

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1月中旬冬季練習も始まったばかり、実戦練習はやっていない微妙な状態で出場した赤羽ハーフでしたが、
5km:15’05、10㎞:30’42(15’37)、15㎞:46’15(15’33)、20㎞:62’20(16’05)、ゴールタイムは65’32。
大した練習もしていないのに、予選会より早いタイムでした。(予選会は65'37)

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2月、病院実習が5か月目に入り始めて外科を回りました。OPEで一日中立っていなければいけない日もあり、体はきつかったです。しかしズームフライを乱用し、ひたすらjogをしました。そして足りないと感じた筋力を補う補強・ウエイトを取り入れまくりました。

そして迎えた学生ハーフ、
5㎞:15’04、10㎞:30’39(15’35)、15㎞:46’09(15’30)、20㎞:61’33(15’24)、ゴールタイム64’54
自己ベストを40秒更新しましたが、実は6㎞から腹痛がひどく12㎞くらいまで我慢しながら走りでした。そのため大幅自己ベストながらに不完全燃焼。

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ハーフマラソンに向けた練習はやっていませんでしたし、ただ厚底シューズを履きこなすことでランニングフォームを変える目的でjogと補強ばかりしていた冬季でした。全ては3000mSCのため。そう思って練習をしていましたがハーフマラソンでの予想外の急成長。箱根駅伝が急に視界に入ってきた…

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・振り返り
厚底シューズの宣伝かい!!!!って言われてしまうかもしれませんが、この2カ月半はひたすら自分に必要なことを模索し、取り組み続けたつもりです。

まずこの計画が始まったのは11月末。やる気をだした時に丁度ヴェイパーフライがネットに売りに出され、興味本位でぽちってしまった。笑

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当時厚底シューズは履きこなすのは難しいと言われており、「川瀬の走り方には合っていない」と多くの人に言われました。しかし僕からしたら
・厚底シューズを履きこなしている人のようなフォームで走りたい
・今のままのフォームではスピードが出しにくく3000mSCでは戦えない

に加えて
・例年冬季に中途半端に終わっているランニングフォーム改革をさすがに形にしたい
・当時それまでやってきたことに失望していたため今までやってきたことを全部脱ぎ捨てて新しいことがしたい

という気持ち、そう何が何でもランニングフォームを変え、新しい一歩を進み始めたかったんです。


そして選ばれたのはナイキの厚底シューズでした。


最初は思うように扱えずシンスプリントを痛めましたが、履き続けていくうちに楽に進むポジションを見つけました。
jogをすると上手く走れないが、スピードを出すとうまく進む
→強く押せば反発が返ってくる
→今まで踵から乗り込むように体重移動をしていたが、短距離選手のように空き缶を踏み潰すように足を上下運動させた方が強く押せる
→体幹がぶれると真っすぐ押せない、疲れてくると股関節が曲がらず腿が上がらないから押せない、などなど

動作を分解して考えることで、今まで弘山さんに教わったこと、練習で気を付けていたこと、ウエイトや体幹トレーニングで鍛えていたこと、鍛えた筋肉を使えている感覚、色んなものが繋がりました。今までやっていると思っていたフォームの改善が上辺だけだったことも、主観的に出来ていると思った動きは客観的にはできていないことも気づきました。

特に気付けて良かったこととして、足りていないと思ってやっていたことはそれでも足りていないという事実、そしてそれは今までやってきたことに対してできているのかを確認することを怠ったことによるものでした。
例えば、「レース後半に骨盤がぐらつく→中殿筋が弱いからかもしれない→中殿筋トレーニング」まではやっていました。
実際トレーニングのできる回数や負荷は上がっていました。さて、それで骨盤のぐらつきは解決していたのでしょうか。
・中殿筋を鍛えることが正解だったのか
・中殿筋の筋力は十分になったのか
という所まで考えられていませんでした。トレーニングして満足し、できるかどうかの確認が足りなかったんです。勉強で問題集をやるだけやって復習しないのと同じですね!笑

必要だと思ってやっていた筋トレは足りていませんでしたし、また色んなことの理解が繋がったことで今までやってきたことが無駄だったというのは可笑しくて、練習と練習をうまく繋げられなかったのだとよく分かりました。
初めて陸上競技で人と競り合う以外の面の面白さを知れた瞬間でした。(遅い笑)

そうなってくると3000mSCとハーフマラソン(箱根駅伝予選会)の両立も見えてきた気がしました。走り方的に限界を感じていた分、厚底シューズによって走り方が変わり伸び代が見えたことはとても救われた気分でした。
ただ自分は走り方のクセがすごかったこともありますし、当時のヴェイパーフライ4%に比べ、next%は万人に好まれやすい傾向にあるようなのでここまでの変化を望めるかは分かりませんが、自分は陸上競技においてランニングフォームの追求こそが1番大事だと思い始め、その思いは今でも変わりません。

厚底シューズは勝手に進んでくれると言われますが、勝手に動きも修正してくれる感覚があります。なので外科を回る医学生の方々には、ぜひズームフライをオススメしておきます!!笑 
(OPE後のjogは足が浮腫んで思っている以上にフォームが悪いよ)
次回は5年生春、シーズンインです。待望の3000mSCに向き合います。お楽しみに✨✨

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