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若手の活躍を素直にほめる

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『人生後半の幸福論』(光文社新書)です。その中から『「再」「初」「沼」を楽しむ』という題でブログを書きました。

本書の中に「若手の活躍を素直にほめる」という心に響く文章がありました。

よく「俺たちが若いころはもっと大変だった。今のやつらは楽でいいよな」といったことを口にする人がいます。自分たちのほうが苦労して頑張っていたと言いたいのでしょうが、大人の余裕が欠けているように聞こえます。 

アラフィフともなれば、人間として練(ね)れてきた世代。ふさわしいのは、現在の状況の中で、活躍したり功績を上げたりしている後輩や部下を素直に評価し、ほめたたえる姿勢です。それができるのが、真の大人というものです。 

ビートたけしさんはよく、「今の漫才の若手は、俺たちのころよりずっとうまいよなあ」と言われます。漫才コンビではサンドウィッチマンをとても評価していて、「あいつらはほんと腕がいいよね」と嬉しそうにほめられます。 

将棋の羽生善治竜王は、活躍目覚ましい藤井聡太六段について問われたインタビューで、「粗削りな部分がなく、私の中学時代と比べてもレベルが違う。驚異的なスピードで昇段し、これからもどんな活躍をするか楽しみ」と話していました。

羽生さん と藤井さんは、対局で勝負を競うことがあるわけです。負ければやはり悔しいはずです。しかし、そういう相手の才能をはっきり認め、賞賛している。素晴らしいですね。 

サッカー界のレジェンド、三浦知良選手は、親子ほど歳の差のある若手選手にも 「それどうやったらできるの、教えて」と聞くのだそうです。 キャリアの長さに関係なく、もっとうまくなるためには若手からも学ぶ。そういう真摯な姿勢の現れです。 

また、テニスのフェデラーなども、よく若手選手のことを「すごい才能だ」と激賞しています。 一流といわれる人は、うしろから迫ってきて自分の立場をおびやかしかねない相手のことも素直に認め、ほめることができるようです。

妬(そね)みもひがみもしない。またそういう人だから、みんなからリスペクトされるのでしょう。 狭量な嫉妬心や虚栄心から脱却し、頑張っている若手を素直にほめられる人、応援できる人は、とてもさわやかだと感じます。

 《若手の活躍を、素直にほめることができますか?》

◆ときどき老人が大声で役所や商店、飲食店で怒鳴っている人がいる。自分より立場の弱い人、言い返さないような人に向かって自分のストレスを発散させているのだ。若手の人をほめたり認めたりするのと真逆な行為だ。

歳を重ねれば重ねるほど、角がとれ、性格も丸くなる人もいれば、反対に、すぐにキレたり、怒りっぽくなる人もいる。老害と言われる人たちだ。

若手の活躍を、素直にほめることができる人でありたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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