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いきいき長く生きる秘訣とは

今日のおすすめの一冊は、奥村康氏の『「まじめ」は寿命を縮める 「不良」長寿のすすめ』(宝島社新書)です。その中から「不良長寿を目指す」という題でブログを書きました。

本書の中に「いきいき長く生きる秘訣とは」という心に響く文章がありました。

患者さんの、こんな嘆きの声をよく耳にします。 「健康第一で生きてきた私がガンになるなんて。好きな酒もタバコもやめて、肉はひかえて野菜を食べて、せっせとジョギングして、体重も減らして。こんなにまじめに努力してきたのに、なぜ…」


イギリスのアレン・カー氏は、1日100本のヘビースモカーからの禁煙に成功し、その体験記は世界的なベストセラーになって、2500万人以上を禁煙に導いたと言われます。 しかし本人は肺ガンに冒され、72歳で亡くなりました。


私が見聞きしてきた範囲では、50年以上も毎日欠かさずタバコを吸い続けながら、70歳をすぎても元気な人が珍しくありません。


たとえば銀座で60年続くコーヒー専門店「カフェ・ド・ランブル」現役マスターの関口一郎さんは、HPのエッセイで「私は今年90歳を迎え、毎日のコーヒーと喫煙を続けているが健在である」と高らかに謳い、94歳を迎えた2008年には、随筆集『煙草とコーヒー』(いなほ書房)が刊行されました。


反対に、高齢になる前にせっかくタバコをやめたのに、60代、70代で肺ガンになったという人も、かなりいらっしゃいます。 誰もが、「健康で長生き」を願っています。 自分の老後には自分で責任を持って、寝こまずボケず、いきいき長生きしたいと。


では、いきいき長く生きる秘訣とは?


生まれつき私たちの身体に備わっている、免疫力をきたえることです。 どんなに強力なウィルスや病原菌に感染しても、免疫系さえしっかりしていれば発病しません。 生命力とは免疫力だと、私は思っています。 中でもガン細胞やウィルスをいち早く見つけて殺してくれる、NK(ナチュラルキラー)細胞は重要です。


では、どうしたらそのNK細胞を元気に保てるのでしょうか? まじめをやめ、明るくマイペースな、少々不良になることです。 「不良長寿」です。 まじめすぎて融通がきかなかったり、いつも眉間にシワを寄せていたり、ストレスをためこんだり、クヨクヨ思い悩んだり。 これらはすべて、NK活性を弱める原因になります。


かつてフィンランドで行われた15年にわたる追跡調査では、「医者の健康管理と栄養指導に従ったまじめグループよりも、健康診断さえ受けない不良グループの方が病気にかかりにくく、長生きし、自殺も少なかった」という結果が出ています。


私が提唱する「不良」は、やりたいことをやって「今」を楽しみ、よく笑う、陽気な人。 「まじめ」人間は、自分の楽しみより「~ねばならないこと」が多くて、ストレスを溜め込みやすい人。 心配性な人。


1980年代に長寿世界一の座に長く君臨し、120歳で大往生した泉重千代さんは、鹿児島県の徳之島に暮らし、来客と酒をくみかわすのが無上の喜びで、黒糖焼酎のお湯割りを毎日飲んでいました。 社交好きでお茶目な人でした。


公式記録史上の長寿世界一は、97年に122歳で亡くなったフランス人女性のジャンヌ・カルマンさん。 南仏アルルに暮らし、117歳までタバコを吸い、好物のチョコレートは晩年に1トン贈られて、週に900gも食べていたそうです。


それに続くギネス公認の長寿世界一は、アメリカ・ペンシルバニア州のサラ・クナウスさん(99年、120歳を目前に没)。 彼女もチョコレートが大好物で、「嫌いな野菜を無理に食べないこと」が長寿の秘訣と語っています。


120年も生きた3人がみなマイペースで、好きなお酒やタバコやチョコレートを心ゆくまで楽しんでいた、というのは愉快なデータです。


また南九州とアルルとペンシルバニアでは風土も食生活もまるで違いますから、長寿の環境やこれが絶対という長寿食などはなく、好物を明るく元気にいただくことがいちばんのようです。


共通するのは、明るくたくましくマイペース、ついまりいい意味で「わがままでやんちゃ」なこと。 無上の楽しみがあったこと。


お達者な100歳老人たちのインタビュー集を読んだことがあります。 みんな「気分は現役」で、「苦労話も聞き出そうと思ったのに、誰も全くのってこなかった」というインタビュアーの感想もおもしろかったです。 過去にとらわれず、いまを楽しむ心意気が超長寿の秘訣なんですね。


不良長寿のカナメは、免疫力です。 生命力は免疫力、と言っても過言ではないと思います。 それでは、免疫力を元気に保つ生活習慣は? よく笑って動く。 これに尽きます。


「非まじめ」のすすめ』という森政弘氏の本がある。 非まじめ、と不まじめとは違う。 不まじめとは、いい加減で、人に迷惑をかけたり、誠意がない人のことをいう。 非まじめとは、力がほどほど抜けていて、いい意味でのテキトーさや遊び心があり、しかも誠意のある人のことをいう。

非まじめな人は、何か事が起きても、不思議にそれを乗り越える力を持っているが、不まじめな人や、逆にまじめ過ぎる人も、行き詰まってしまうことが多い。 非まじめな人は、「まじめ」も「不まじめ」も超えた人。

非まじめな人は、やりたいことをやって「今」を楽しみ、よく笑う、陽気な人。 非まじめな人は、明るくたくましくマイペース、つまりいい意味で「わがままでやんちゃ」な人。 人生を、非まじめに、明るく笑って過ごしたい。

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