見出し画像

表も大事、裏も大事、です

今日のおすすめの一冊は、村上和雄氏の『望みはかなうきっとよくなる』(海竜社)です。その中から、「個性と独創性」という題で書きました。

昨今、個性的であれ、独創的であれ、という言葉が飛び交っています。DXというデジタルトランスフォーメーションが起きているからです。AIやITが進化すればするほど、個性的で、独創的でなければ、AIに使われる人間になってしまうという懸念からです。

「決められたことはきちんとやる」、「言われたことはしっかりと実行する」、という仕事の仕方だったら、これは確実にAIやロボットに負けます。なぜなら、それがAIの得意技だからです。記憶したことを正確に再現する、という仕事もAIのほうが得意です。つまり、自分で考えること、発想することができなかったら、確実にAIに負けるということです。

そんな世の中の流れがあって、個性的であること、独創的であることが、必要だと言われています。だから、もちろん個性的であること、独創的であることは間違いなく大事なのですが、その対極にある、協調性とか、マネるということも同時に必要です。協調性がなかったら、チームで動く仕事など絶対にできません。ましてや、自治会や同窓会、PTAなどの地域のボランティアなどでうまくいくはずがありません。

同様に、独創的であることの反対のマネることや模倣も間違いなく必要です。「守破離」という言葉がありますが、お茶や武道、芸事における修行のプロセスを示したものです。最初の「守」とは、師匠から教わった「型」を徹底的に守る(マネる)ことから始まります。まさに、歌舞伎の中村勘三郎さんの座右の銘、「型が在るから型破り、型が無ければ型無し」の通りです。

「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」という言葉がありますが、まさに行き過ぎれば、逆に転じるということです。良寛さんの辞世の句「裏を見せ、表を見せて、散るもみじ」のごとく、我々人間は、表だけを見せて生きていくことはできません。そして、裏を見せないような人は全く魅力がありません。いいことも、悪いことも、表も、裏も、ひらひらと見せながら、我々は生き、そして散っていくのです。

表も大事、裏も大事、です。

今日のブログはこちら☟
https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12611450789.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?