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ささいなことに感動してくれる人

今日のおすすめの一冊は、有川真由美氏の『一緒にいると楽しい人疲れる人』(PHP)です。その中から『「いい加減」が楽しさを生む』という題でブログを書きました。

本書の中に「ささいなことに感動してくれる人」という心に響く文章がありました。

ほめ上手は、ささいなことに感動する人です。 私の田舎の家に訪ねてきて、ものすごく感動してくれる人が何人かいました。

作家仲間のOさんは、家を見て、「こういう家、ボクの理想なんですよね。ここで執筆したら想像力が広がるでしょうね」と感動し、景色を見て「美しすぎます。映画に出てくる風景みたいだ」と感動する。

私が「この町の水はおいしくて、有名なんですよ」と水道水を出すと、一気に飲み干したあと、一呼吸おいて、「こんなにおいしい水は、久しぶりに飲みました。毎日、この水が飲めるなんて幸せですね」としみじみ感動する......。 

泊まっていった料理研究家のMさんは、朝、鶏が産んだばかりの卵を自分で目玉焼きにして「こんな新鮮で濃厚な卵を食べられるなんてぜいたくだわ~」と感動し、採りたての 野菜を、地元産の味噌をつけながら生でバリバリと食べて「すごい、すごい。白菜やピー マンが生でおいしいなんて、私も初めて知った」とはしゃぎながら感動する......。

こんなふうに目の前で感動してくれると、こちらも楽しくなって、「とっておきの眺めのいい場所があるんです」とか、「近所のおばちゃんが漬けてくれた漬物もおいしいから食べて」なんて、あれこれ披露してしまいたくなるわけです。 

なかには、いろいろと見ても「ふーん」で終わる人もいます。多少は感動しているのかもしれないけれど、それを表に出さないと伝わらない。そんな人は、残念ながら、こちらもなんとなく、よろこばせ甲斐がないものです。 

ささいなことに感動する人は、とても魅力的です。仕事でも、私が書いているものを見て「この一文がぐさりと刺さりました」とか「読んでいて、涙が出てきました」なんて、大げさなぐらい感動してくれる人がいると、またそんな人のためにがんばろうと思えます。

きっと感動する人に接していると、「興味をもってくれている」「よろこばせてあげられている」と、感じ取れるからでしょう。 身近にいる人に対して「やっぱりこの人はすごい」と感動する人、自分のいる場所を 「私はここが好きでたまらない」と感動する人、夕焼けを見て「今日は夕陽に染まった雲がきれい」と感動する人もまた、一緒にいて楽しくなります。 

それは一緒に感動を味わえることもありますが、その人たちの身の回りのものへの愛情深さを感じて、こころがあたたまってくるからなのかもしれません。

人は、自分のことを認めてもらったり、ほめてもらうことほど嬉しいことはない。さらにもっと嬉しいのは、相手が、感動してくれたり、驚いてくれることだ。それが「承認欲求」。承認欲求とは、自分を見てほしい、認めてほしい、ほめてほしい、話を聞いてほしいという、他者から認められたい欲求。

感動や驚きが多い人と一緒いると人生はこの上なく楽しい。

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