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ティール組織とホラクラシー組織

今日のおすすめの一冊は、前野隆司氏の『幸せな職場の経営学』(小学館)です。その中から「ウェルビーイングな組織」という題でブログを書きました。

本書の中に「ティール組織とホラクラシー組織」について興味深い文章がありました。

「ティール (Teal)」とは、フレデリック・ラルーの著書『ティール組織』(英治出版)に由来します。 タイトルにある「ティール」とは、「青緑」という色を表す単語です。同書では時代とともに進化する組織形態を色にたとえ、発達段階に伴って表しています。
最初の形態は「衝動型組織」=赤、続いて「順応型組織」= 琥珀、「達成型組織」= オレンジ、「多元型組織」=緑というように、その発達具合に従って色が変化して いくのです。「青緑(ティール)」は発達の進んだ組織形態である「進化型組織」を 示します。
著者のラルーによると、進化型組織には従来のようなピラミッド型の組織構造は見られません。社員一人ひとりが主体性を持ち、意思決定ができる自主経営組織です。指揮命令系統もなく、従来の雇用契約を超えた、「信頼」でつながり合う生命体のような組織形態なのです。
他方、「ホラクラシー(Holacracy)」は、2007年にアメリカの起業家ブライアン・J・ロバートソンが提案したマネジメントシステムです。ティール組織と多くの共通点がありますが、中央集権型・ピラミッド型のヒエラルキーが形成される管理システムを一切排除し、よりフラットな組織体制であるチームやサークルによって組織が成り立つ仕組みです。
こうしたホラクラシー型の組織では、上司は存在せず、決済の滞りや責任のなすりつけ合い、派閥争いといった 複雑な人間関係がなくなり、関わる誰もが主体的に考えて行動することで、生産性の向上や、イノベーションの創出が期待できます。
上司から細かく指示を受けて動くより も、大きな枠で年俸と目標だけ与えられ、あとは自由にやっていいと任せられたら、必然的に頑張ろうと思えますし、個人の強みが発揮されやすくなるのです。 ホラクラシーのように、皆がネット ワークのようにつながり合い、あらゆるところでシナジーが生まれるのです。
反対に堅牢なるヒエラルキー型組織を徹底すると、幸福度は低くなるでしょう。 ティール、ホラクラシーといった組織が注目されているのは、従来のヒエラルキー型組織が疲弊しきって生産性も上がらないことに、皆が気づき始めたことを意味しています。

ヒエラルキー型の代表的な例は、軍隊の組織です。「順応型」と呼ばれ、厳格な階級によって決められ、上意下達(じょういかたつ)の命令系統が存在します。警察や、行政機関もその中に入ります。

大幅な権限移譲で「圧倒的な当事者意識」を持つことにより、上司の指示などあおぐことなく、自分で考え、工夫し、率先して行動するというティール型、ホラクシー型の組織になります。

時代が大きく変わる現代、ウェルビーイングな組織を目指し、幸福度の高い職場にしていくための不断の努力が必要だと思います。

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