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第四話:自分の中に潜むきょうだいの愛

私がヘルスカウンセリングを学び始めてしばらくすると「キメラ理論」が登場する。当時はSKP(Spiritual Key Parson)といい、人の顔イメージを使って癒しを得るテクニック。最初にそれを聞いた時、私の心がどうにも抵抗を示すものだから、その時点以上の上級資格者になることを止めてしまったのだが、体験してみると確かに癒される。しかし、仏像の顔なんかも使うから、どうにも宗教のように見えてしまう。

自分の身体にある自分と異なるDNAを持った細胞

私たちの身体は「細胞」が60兆個集まってできている。60兆個の細胞と細胞は、神経伝達物質、サイトカインやホルモンといった細胞外の分泌分子群、あるいは細胞表面に存在する蛋白質分子群を用いて、お互いに情報交換し、自分がどうすべきかの判断を行なっている。またほかの細胞からの情報を受け取った細胞は、受け取った情報に応じて、その細胞内の分子や遺伝子の活動を変化させ、その結果として情報に応じた変化を遂げる。
それら細胞の中には、臓器移植、輸血、妊娠(母子間細胞共有)、粘膜接触、胎内融合を介して、自己と異なる他者の遺伝子をもつキメラ(細胞や組織)と呼ばれる細胞がある。これらのキメラ細胞も、他のキメラ細胞や私たち宿主の細胞に情報を伝達するので、私たちは宿主としての自分の細胞や組織だけの情報で行動することができないと考える必要がある。

このように宗像は言う。

以前放映されたテレビドラマ「JIN-仁-」を知っているだろうか。そこに出てきた「頭の中の赤ちゃん」、これがまさに「キメラ細胞」なのだが、このキメラ細胞の刺激に対する反応性が、自分本来の細胞(宿主細胞)とは違うため、すなわち感じ方が違うため、選択する行動も変わってくるということだ。
肝臓や心臓など、大きな臓器の移植を受けた人は、その移植によって嗜好や性格が変わるということを聞いたことはないだろうか。

また、このような細胞があると、

その影響を受け、罪意識、怒り、孤独感、希死願望、飢餓感、恐怖感、無力感、殺害衝動などのネガティブ感情を抱くことがあり、それは自分本来の細胞ではないため、「自分の中にコントロールできないものがいる」などの感覚も持つことがある

と宗像は説く。

細かな話は、SAT療法の神髄になるため、ここで公開するのは避けておが、ヘルスカウンセリング学会のページに宗像の動画が載っているのでご覧になるといい。

あるいは、さらに詳しく知りたいという方は、学会の行うSATカウンセラー・セラピスト研修を受講されたい。

バニシング・ツイン

「第二話:魔法の愛の言葉」wikipedia「双生児」の記述を引用しているが、もう一度、ここにも載せておく。

バニシング・ツイン (Vanishing Twins)
双胎妊娠が判明した後、ごく早期の段階で一方が流産となり結果として単胎妊娠の形になることをバニシング・ツインという。胚(胎児)が母体に吸収されあたかも子宮内から消失(バニシング)したように見えるため、この名称がついている。研究者の中には実はほとんどの妊娠のごく早期は多胎受精なのだが、妊娠が確認される頃に単胎になっているのではないか(バニシング・ツインを経た後に妊娠が判明しているだけなのではないか)と仮説を立てている者もいる。

キメラ (chimera)
本来ならば二卵性双生児になるはずだった二つの受精卵が、融合して一つの受精卵となることがある (dual identities)。多くの場合は受精卵が成長せずに出産まで至らないが、一個体が二種類の遺伝情報を持つキメラとして生まれることもある。またバニシング・ツインで本来は母体に吸収されてしまう胚が残った胚と融合し、キメラで生まれる場合もある。特に異性双生児として生まれるはずだった胚が融合した場合、雌雄同体 (hermaphrodite) や半陰陽が生まれる可能性も生じる。

胚が母体に吸収されたり、一方のきょうだいに融合したりしている。このように、自分の身体の中にあるキメラ細胞は、この世に生まれることができなかった人も多い。それゆえに、先のようなネガティブな感情を抱くのである。でも、自分のきょうだいや親、祖父母の細胞が多く、その人たちが、自分を愛してくれないはずがない。だからSATでは、そのキメラ細胞を表象化し、その顔をイメージする。笑顔のきょうだいや親、祖父母、おじおばが、あなたをいつも見守り、愛を勇気を与えてくれると思ったら、それだけで元気が出てこないかい。いま、SATでは、それらを「味方イメージ」と呼んでいる。

きょうだいキメラがくれる愛

私は今年(2019年)、ヘルスカウンセラー資格の更新のため、SATカウンセラー・セラピスト研修の最新のものを受講した。そこで私は、久しぶりに頭のてっぺんから足の指先まで、全身に点在するキメラ細胞を表象化する「代理顔表象化完了法」を体験した。これまでの手法は、とにかく全身のキメラ細胞を出し尽くすことを行うが、それがしんどかった。
けれども、今回のものは画期的だった。ストレス課題に反応するキメラ細胞、しかも、まずきょうだいだけに限定することで数が減る。最初に頭の中のキメラを探し、そのキメラ細胞が元気になる光イメージを探索、その光の波動を頭で感じる。その上で、光と同じ波動を出す代理表象を選んでいく。全部出したら、その中で自分に応援メッセージをくれそうな人を選び、メッセージをもらう。

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たとえば、ストレス課題が「自分が大事な人になにか言おうとした時、どう思われるか不安になって、思いをうまく伝えられない」だったとしよう。

その、頭のキメラ代表者が「大丈夫、私がついているよ」なんて言ってくれたら、ちょっと安心できてしまうよね。
こんなふうに、頭の後は顔、喉・首、両肩…と下に降りて足の指まで行ったら、最後に全身の骨に入ったキメラ細胞を出して終了する。
「ここで見守ってるから」「なに心配してんだよ、あなたの大事な人は裏切らないよ」「大好きだよ」…こんなふうにして、自分の身体の中にいるキメラ細胞からの応援メッセージを1つひとつ聞いていくと、もう勇気百倍、どう思われるかなんてこと自体、どうでもいいことのように思えてくるから不思議なものだ。
ウソ臭いですか?でもね、これ、体験したもの勝ちですよ。行動を妨げる不安や恐れ、いっぺんに吹っ飛ばしてくれるから。

おわりに

新年度になって、本業が忙しく、なかなかこのnoteを更新することができずにいたが、やっと第四話を書くことができた。実はこの話の前に「母体を癒す赤ちゃんの愛」を予定していたのだが、先月受けたヘルスカウンセリングの研修が、あまりに感動的だったため、この話を先に書かせていただいた。
今回、きょだいキメラの「代理顔表象化完了法」について触れたが、さらにこの後、先週末(2019/4/20-21)に受けた研修で、完了法の続き「体内同時期きょうだいイメージ法」で、全身に散らばったキメラ細胞のうち、自分と同じ時期に母親の胎内にいたきょうだいキメラをみつける、まさに自分にとってのキーパソンをみつけることで、不安や恐れにも果敢に立ち向かえる最強のメンタルを得ることができたため、次回に繋げてみたいと思っている。

*2019年4月より、当面1年間、名古屋丸の内・ナユタビルで、このような体験ができるサービスを提供しています。通常、平日の18:00から21:00。心身や人間関係などの悩みのカウンセリングやコーチングも行なっています。また、月1回ペースでヒューマンスキルの研修会も行なっています。ご興味のある方はお問い合わせいただき、私に会いに来てくれたら、私はとっても嬉しいです。

イベントに関する情報は、Facebookページ「横地会 based on the SAT」で発信中。


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