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Y2Kアイドルから見るループするデータベース消費

 最近昔の曲ばかり聞いている気がします。
勿論、今の邦楽のシーンでも素晴らしいアーティストが多く出てきているのですが。
しかし、色んなジャンルが開発し尽くされ、新たなムーヴメントが起こりにくくなっているのかも。

 しかし、ヒップホップは様々なジャンルの音楽を受容しつつ、まだ開発し尽くされていないので成長していると思います。


Y2Kとは、文化や流行はループする

Y2Kとは2000年前後という意味で、2000年前後のファッションがリバイバルしているということです。
分かり易い例だと、昔のSPEEDや宇多田ヒカルとかのファッションとこの記事のヘッダー画素になっているNewJeansのファッションが似てるということです。

SPEED

タイトで露出の多いトップスやダボッとしたズボンなどが組み合わさっている懐かしさを感じるスタイルなのです。

日本は世界2位の音楽市場を持っているため、国内需要の中で成功すれば十分ですが、韓国はそこまで国内市場が大きくないので世界に向けて売り出さなければなりません。その中で、世界的な流行となっているY2Kファッションを身に纏って世界の人気者になっているのがNewJeansなのです。

ある意味2000年代というのは本当に新しい文化のムーヴメントが生まれた最後の時期かもしれません。

 NewJeansに注目すると、ジャージークラブと呼ばれるようなヒップホップのジャンルのトラックを使った曲が多いように思います。
 ジャージークラブは2008年くらいから生れたブレイクビーツやトラップ系のジャンルだそうですが、やはり懐かしい雰囲気があります。

データベース消費とはなんなの

 NewJeansはミン・ヒジンのプロデュースによって2000年代的な雰囲気を体現していますが、人々がその雰囲気に熱狂してリバイバルしているのはなぜでしょうか。

現代人が持つ消費の傾向として、データベース消費がありました。これは東浩紀が提唱した理論です。

データベース消費とは、NewJeansを例とすると、
消費者はアイドルという存在に対しての典型的なイメージがあるわけです。

前述した宇多田ヒカルやSPEEDを知っている人であれば、2000年代のアイドルはこういうファッションしてたなぁというイメージを思い起こすということです。

 例えば、

こういう画像を見ると皆さんはきっとアクセサリーや髪型、服装、マイメロからこのイラストはきっと
地雷系と呼ばれる人のイラストだろうと思うはずです。

今列挙した、地雷系の特徴(マイメロや特徴的なアクセサリーや服装)こそが我々の中にあるデータベースだということです。

こういう消費者の間で共通認識されているデータベースによって消費することを、データベース消費といいます。

つまり、あるあるやテンプレに反応して消費するということです。

東浩紀は、そういったデータベースに反応して消費するようになった人々について「動物化する」という言葉を使います。

物事に対してデータベースによって反応するという動物のように単純な思考回路になっているのです。

・若い世代にとってはデータベースを超越した何か


一方で、2000年代のアイドルや文化を知らない世代はなぜNewJeansにY2Kに熱狂するでしょうのか。
これを書いている自分もその時は赤ちゃんでした。

若い世代も、成長した中で自然とデータベースを蓄積しているということもある。

しかし、最も重要なのはY2Kは海外発で日本人にとって逆輸入された流行であるという点です。

韓国や中国の人々が2000年代日本のファッションのデータベースを蓄積するのに時間がかかって、再評価が遅れたと言えるかもしれません。

 若い世代は、ある意味で海外で流行しているファッションとしてアイドルを通してY2Kのデータベースを蓄積していくわけです。

みんな日本のアニメカルチャーや音楽に憧れてるのでしょう。

ある意味そういう憧れの幻想を追い続けた先にあるのがカルチャーの誕生なのでしょう。

そして、その憧れを体現するのは圧倒的な魅力やプロデュース力を持ったK-POPシーンだという巡り合わせでした。

ご覧頂きありがとうございました。
どうでもいいですが、同世代のヘリンが一番好きですよ。

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