関西から片道3千円ちょいで北海道に行ってきた①【関西出発編】
1. 関空~釧路「片道2500円」
「いや、安すぎやろ」
関西から北海道までの航空券を調べていた私の脳内に、静かにツッコミが響きわたりました。
見ていたのはピーチ航空の「48時間セール」のサイト。
販売期間内に、定められた搭乗期間の航空券を買うと大幅に割引されるというものですが、いや割引すぎやろ。
信じられない値段設定に思わず引きぎみになる私。
まぁ安く済むのならそれでいいやと「関空~釧路空港(片道2500円)」までの航空券を確保。
空港使用料や座席指定料などで結局料金は加算されましたが、それでも最終的には片道3760円という破格のままでした。
ちなみに関空へはJRで向かいます。
利用するのは関空特急「はるか」
予約サイトで切符を探していると、「はるか指定席きっぷ」というものが見つかりました。乗車券・指定券がセットになった割引切符です。
お値段は…………
京都~関西空港「片道2700円」!
あれ?
純粋に運賃だけ見れば、
関空から釧路に行くほうが安いんですが。
はい
深く考えないようにします。
とにかくこれで足の確保はすべてできました。
今回の北海道旅は2泊3日。さぁ出発しましょう!
その道中の陽気なこと!
2. 特急はるか新型車両
2023年3月9日。早朝の京都駅。
やってきたのは、はるか発着専用ホームである30番線。
日常で使うホームから少し離れた立地も案内表記も、非日常の特別感があって、出発から早速旅情をかきたてられます。
特急はるか(281系)が入線しました。
登場から約30年経つも、相変わらず白いつるてかボデーが美しいです。
さすが口の中に放り込んで、舌でずっとペロペロしていたい鉄道車両ランキング2位の車両なだけあります。ちなみに1位はこまちです。
乗車するのは始発となる「はるか1号」。
別にこれより後の特急でもフライトには充分に間に合うのですが、今回ある目的があって1号を選びました。
その理由がこちら、
2020年デビューのはるかの新型車両、271系です。
どうせ関空に行くなら乗ったことのない新型に乗ってやろうと思い、新型車両が増結されている1号を選んだというわけです。
乗りこみます。
ああ……、デビューから3年経つもまだまだ残る新車の匂い。
今までのはるかと違って座席のテーブルが大きく、全席コンセント付!
時刻は午前5:45。
通勤電車がせわしなく行き交い始めている夜明け前の京都駅を、はるかはするりと発車しました。
夜明け前の群青色に沈む街――
まだ夜の余韻が残る空には月が浮かんでいて――
まるで夜の舞台から退場しそこねて、照れ笑いをするように光る月と、
平日の朝から呑むという背徳感を肴に、ビールをカシュッ!
ヒャアッ、たまんねぇ!!
徐々に明るくなってきた京都線を走り続け、新大阪駅に到着しました。
3. 大阪駅新地下ホームを「通過」する
さてここからはるかに乗ったもう一つの目的を果たせる時がきました。
今まで特急はるかは諸事情から大阪駅に停車せず、新大阪駅からは大阪環状線に直接乗り入れて関空に向かう、というルートでした。
しかし2023年3月のダイヤ改正で「大阪駅地下新ホーム」が誕生。これにより遂にはるかが大阪駅に停車できるようになったのです。
しかし大阪駅新ホームに停車するのはダイヤ改正後。
駅工事完了~ダイヤ改正までのわずかな期間、「はるか」や「くろしお」などの特急や貨物列車は新ホームを通過します。
そしてこの日はダイヤ改正の1週間前。
今から開業前の新ホームを通過するという貴重な体験ができるのです。
※参考動画⇩
さて、電車が新大阪駅を出発しました。
淀川を渡ると東海道線の線路から逸れ、真新しい地下区間へと入っていきます。
暗いトンネルを抜けると、きらびやかなホームが。
開業直前の「大阪駅新地下ホーム」です!
電車は新ホームを通過し、再び地上へ出て大阪環状線に乗り入れました。
目的を果たしたところで大阪の街を駆けぬけ、関西空港へ!
関西空港に到着しました!
楽しく貴重な旅でしたがここまでは前哨戦。
飛行機に乗り、最果ての地を目指します。
4. 最果てのターミナルで出会った神様
改札を出て、受付カウンターへと向かいます。
利用するのはピーチ航空。
確かこういった格安航空会社の受付カウンターは、大手航空会社と違い建物の果てのほうにあるものだとか。
とりあえずターミナル1の建物へ移動します。
しかし大手・中堅の航空会社が並ぶカウンターの列にも、案内板にもピーチ航空の名前がありません。
あれ……
もしかして伊丹と間違えたかな?
関西からの空旅あるあるのトラップの可能性に、背筋がひやりとします。
が、案内板をよく見るとピーチ航空の名を発見。
「ああ、カウンターはターミナル2ね。で、どこにあるの?
……え、連絡バス?」
ターミナル1を出てもう一度駅の改札前を横切り、バス乗り場へ。
きょとんとする私を乗せたバスはどんどんメインの建物群から離れていき、
ターミナル2に到着。
一瞬、倉庫に来たのかな?と思ったほど超簡素で超経済的な設計。
吹きつける海風で屋根はガタガタ揺れ、
入口になぜか1台だけ置かれた公衆電話から漂う何とも言えない哀愁。
遠くにあるターミナル1の建物が霞んで見えます。
なるほど、格安航空会社のカウンターは建物の果てにあると聞いていましたが、こういうことだったのですね。
北海道という最果ての地に向かう旅は、飛行機に乗る前から始まっていたのです。
うん、こういうのめっちゃ好き。
楽しくなってきた。
その後、ピーチ航空の自動チェックイン機で受付を済ませ、保安検査場を通過。あとは「たんちょう釧路空港」行きの飛行機を待つだけです。
が、
「機材繰り」のため搭乗予定の飛行機が遅延に。
なんか、前にも似たようなことあったな……。
遅延具合によっては、釧路についてから寄ろうと思っていたスポットを諦めざるをえない可能性が出てきました。
幸先の悪さに肩を落とす私。
トボトボと搭乗口前の待機所に向かっていた時、
「――そこのキミ」
頭の中に、声が響きました。
え、この声はいったい……?
「キミや、キミ」
ハッと顔を上げ、横を向くと、
天界に通じているであろうエレベーターから近所にいそうな大阪名物の神様が現れた気がしましたが、見なかったことにしました。
なに……この大阪らしいバカバカしい演出。
めっちゃ好き。
その後遅延もそこまで延びることなく、無事に飛行機は関空を離陸。
一路、釧路へ!
今回はここまで。
これから数回にわたり、北海道を巡ってきた話を更新していきます!
そして次回は、
「釧路グルメと湿原編」です。
お楽しみに!
次回⇒
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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