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【台湾の地質環境】台湾島の形成

台湾にある玉山は、富士山よりも高く日本統治時代は新高山と呼ばれていたことは有名です。台湾で2番目に高い雪山はニ高山だったそうです。そして、それだけではなく、日本統治時代の高山を上から順に数えていくと、実に九峰が台湾にありました。富士山は第八番目です。

そして、驚くのはこれだけではありません。台湾はかつてその土地は全て海の底だったことが分かっています。日本の土地がユーラシア大陸から切り離された形で成立し、遥かに長い期間地上に存在しているのと比べると、とても早いスピードで海の底から隆起した土地だということです。そして、そのような土地に沢山の高山が聳え立っている。このことは、世界の地質環境を見てもとても珍しいことです。

日本の国土の形成史

日本の土地は、地質学的な研究によると、もともとユーラシア大陸の東側に張りついていた一部であったと考えられています。これが地殻変動により、大陸から切り裂かれ、その隙間がだんだん拡大して日本海となったという見解です。そのため、日本海の対岸の朝鮮とロシアの地はもともと日本の日本海側の土地と陸続きであったと考えられています。日本の河川とロシアのそれが、元々は一つながりであったというような見解を読んだこともあります。

そして、日本の国土は東北側と西南側のそれぞれが、二つの異なった島としてユーラシア大陸から離れてきて、それが合体してできたのが現在の日本列島の本州の形であると考えられています。この二つの島が接続した部分はフォッサマグナと呼ばれ、巨大な地溝帯となっています。

Wikipediaによる説明

この様に、日本の土地は太古から地上にあったものが、大陸から離れてできたと理解されています。

台湾の国土の形成史

この日本の国土形成史と比べると、台湾島の歴史は全く異なっています。台湾の国土はもともとはすべてが海の底であったと考えられているのです。それは台湾の高山地帯で、海底の堆積物であったものが採取されること、それぞれの地層の形成史を分析することなどから帰納的に導き出される結論です。

台湾を生み出したのは、フィリピン海プレートのユーラシア大陸への沈みこみ運動であると考えられています。この運動により海上に押し出された海底の堆積物が高さを増して、おおよそ1000万年から600万年ほど前に地上に姿を見せたというわけです。
ですので、台湾島は地質学的にはとても新しい土地だと言えます。そして、そのような新しくできた小さな島に日本の国土にあるよりも高い山々があるというのは、誠に驚くべきことであると思います。

下に紹介する動画には、この台湾島の成立した過程を詳しく説明しています。

臺灣大地奧祕系列 - 山起山落蓬萊島

世界でも珍しい、躍動する大地

台湾の河川、山脈、土地の形成史を詳しく観察していくと、日本のそれとはかなり異なっていることが分かります。それは北は台湾盆地、陽明山、淡水、大漢渓という、台北での生活環境について調べたことから段々と分かってきたことです。

この【台湾の地質環境】では、台湾の土地を観察したときに分かってくる特徴を順番に紹介していきます。地質学的に見えてくる台湾島は、誠にダイナミックで世界でも類を見ないものであることが分かります。
僕は、台湾人は何よりもこの自らの土地、台湾島を以て世界に誇るべきであろうとまで思っています。


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