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ブルックリンのハロウィーン

アメリカに住む子供達にとって一年で一番楽しみな日は、誕生日とハロウィーンと言っても過言ではない。9月半ばに入ってから5歳児の息子は毎日「明日ハロウィーン?」と聞くようになった。今年はスパイダーマンになる、と言って張り切っている。7歳の娘は3年連続で『アナ雪』のエルサだったが、流石に今年は飽きて何になろうか迷っていた。結局友達から借りたドレスを着てプリンセスになるようだ。

早くも9月の終わりからハロウィーンのデコレーションがあちこちで始まる。私たちの住むブルックリンの地域は子供が多いので、気合が入っている人が多い。10月31日に向け、街のデコレーションはどんどん増え、過激化していく。家のフェンスはナイロンの蜘蛛の巣で覆われ、骸骨やミイラが至る所に配置される。

ハロウィーン当日は幸運にも気持ち良い秋晴れの日だった。4時ごろからちらほらとトリック・オア・トリートをする家族連れが出現し、暗くなる6−7時ごろにピークを迎える。私達は5時ごろ出発。5歳と2歳のスパイダーマンと7歳のプリンセスを連れ、街を練り歩く。

最も人が多い通りは仮装した子供達や親でごった返し、歩くのも困難。遠方からトリック・オア・トリートしにくる人も多い。家族全員で海賊の格好をしている人、恐竜の被り物をした人、ユニコーンになっている人…普段は閑静な住宅街もこの日はお祭り騒ぎだ。

子供達はそれぞれバケツいっぱいのキャンディーやチョコレートを貰ってきた。何千人といる子供達のことを考えると一夜で何万個ものお菓子がばら撒かれたことになる。この日の為にキャンディーを溜め込んでくれていたのか、大量のキャンディーを用意してくれてた人々もいた。

キャンディーを配るのは子供がいる家族だけではない。子供が既に成人したような年配の方々、20代らしき若者、お店のスタッフなども参加している。キャンディーもこんなにばら撒けば、何百ドル、もしくは何千ドルもの出費だろう。身銭を切ってこの日を盛り上げてくれている人々に頭が上がらない。

キャンディーをもらう側と配る側の相互がいて成り立つお祭り。もらっていた側はいずれ配る側になり、世代交代していく。今は子供の付き添いで忙しいが、私もいずれ配る側になる日が来るのだろうか?

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