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8月ってあんまり出荷しない時期なんだよね

8月に入って5日経つ。あと7日間市場に出荷できれば、とりあえずお盆。それまで休みはない。体大丈夫かな?

今月に入ってから、出荷量がいきなり伸びてきた。

伸びてきた理由は多分だけど、

・他産地で出荷をやめた
・高田市内の他の漁師さんたちも出荷をやめた (市内に4つある地区のうち、2ヶ所は既に今シーズンの出荷は終了してる)
・8月から少しの間だけは単独注文を受けているから、牡蠣にばらつきがなくて仲買人さんたちが買いやすい
(うちの漁港の場合、築地市場だけは漁港内の漁師さんたちでまとめて注文を受けて共同出荷のような形を取っていて、「この人の牡蠣がほしい!」みたいな単独指名ができない)

みたいな理由からなのかなって思ってる。

うちの単独注文だから伸びてるなら、よっぽどうちの牡蠣ちゃんが人気あるのか。そうだったらうれしい。
やったね!!!

夏の牡蠣といえば、岩牡蠣。
冬(から春)の牡蠣といえば、真牡蠣。

それが、いわゆる"旬"とされる時期。
うちで養殖しているのは真牡蠣なので、正直いまは旬の時期じゃない。

旬ではないけど、季節問わず食べてくれる人たちがいるんだよね。そのおかげで私はお給料いただけてるわけで。ほんとありがたや〜。

一般的には、この時期に真牡蠣を出荷している漁師さんはそんなに多くない。(らしい)
同じ漁港内で作業してる殻付き牡蠣の漁師さん達も8月に入ってから出荷をやめて、秋頃まで市場に出さないことを決めた。
なので、うちの漁港では私の職場のみ今でも出荷を続けている。

なぜみんな、夏の時期に出荷をやめるのか

夏は牡蠣にとって厳しい時期になる。
暑くなると産卵期に入り、産卵が終わると牡蠣の体力は格段に落ちる。そして白い身が透明に変わる。

海水温の上がる夏場は正直いつ抱卵してもおかしくない。ちょっとの衝撃を受けても、身の危険を感じてすぐ抱卵。
抱卵することが悪いわけじゃないけど、それによって牡蠣の体力がなくなることで最悪そのまま弱って死ぬこともある。

それが夏の牡蠣。

市場に運ばれる途中にダメになることもあって、夏場の牡蠣の出荷にはリスクが伴うことも少なくない。
箱詰めする人の確認ミスとかそういうこともあるけど、牡蠣の体力が弱ってることあるから、そういうものが入ってしまうことは結構こわいこと。
それで市場や飲食店さんからのクレームも入るし、悪い物がたくさん入ってることがわかると仲買人さんたちは離れていくし。

色々なリスクを考えると、今の時期は出荷をやめる方が無難。
あとは、通常作業が進まなくなるから出荷自体をやめることも。お隣で作業してる漁師さんはそのパターンで夏場の出荷をやめた。

他の産地とかだとどうなんだろう?
夏だからもあるけど、単純にそのシーズン分の生産が終わったからやめてるのかな?

(*ここまで色々書いたけど、私が見てて感じたことと雇い主たちの話を聞いてて思ったことだから、実際のところどうなんだろうか。
これを読んでる一次産業に詳しい人とか漁師さんがいるかはわからないけど、どうして夏に出荷をやめるのかを教えてほしい。気になる。)

じゃあなんで出荷続けてるの?

うちの場合、出荷直前に入れる滅菌タンク内の海水を冷やす機械を導入しているので、海水温は大抵15〜20°以下に設定。冷たい滅菌海水が循環している中で快適に過ごさせてから出荷するので、あんまり死なずに済む環境ができている。とてもよい。

完全に機械の力。
設備投資に力を入れることができて、よかったよかった。

売れるのはいいこと。

食べてくれる人がいるのはいいこと。

いいことなんだけど、

夏に牡蠣がたくさん出ることってないから焦る……。生産追いつくだろうか。

冬場に比べれば全然少ない量だけど、夏にこんなに出ることないから正直みんなでびっくりしてる。

漁協さん曰く、限定数量注文への切り替えはお盆明けからじゃないと対応が難しいらしい。
あと7日間は市場から来た注文に対応するしかない〜〜。

どうにかがんばろ〜〜。
もう熱中症にもならないようがんばろ〜〜。 (一昨日軽い熱中症になって経口補水液がおいしく感じたから、結構危険だったやつ〜。)

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