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育つのは、俺だった。

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娘を育てているつもりが、育っていたのは俺だった。子育てハウツーは分からないが俺育てハウツーのつもりで書いてます。 #子育て #育児 #育俺
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育つのは、俺だった。「飽きない変顔」

育つのは、俺だった。「飽きない変顔」

 娘(三歳半)は同じことで笑う。

「もっかいやって」
 俺のつまらない変顔や、リアクションで大笑いする。
 何度も何度もやっている方がいい加減恥ずかしくなるくらいやらされる。
 娘は何度やっても笑う。
 ひーひー笑って咳込むくらい笑うときもある。

「パパおもしろいねえ」
 いや、俺という人間はそんなに面白い人間ではない。
「おもしろいからパパすきだよ。ひーひー」
 君にとって面白いならそれでい

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育つのは、俺だった。「いまを上書きする」

育つのは、俺だった。「いまを上書きする」

 娘(三歳半)は切り替えが早い。立ち直りが早い。
 もちろんよく泣く。
 お菓子食べたい、テレビ見たいなど理由の分かるものもあれば、理由なくただ不機嫌で泣くことも多い。

 だが、少し時間が経つと大笑いしていることも多い。
 きっと泣いていたことを忘れているわけではないが、お菓子が食べられなくても、テレビが見られなくても、まあ結果は結果として受け止めて切り替えている感じがある。

 娘は「いま」を

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育つのは、俺だった。「はなれたくない」

育つのは、俺だった。「はなれたくない」

 娘(三歳半)は保育園でバイバイするときだいたい泣く。
「お迎え早く来るからね」
 と言うとさらに泣く。
「はなれたくない」
 と言って泣く。

 親としては当然ぐっときてしまうわけだが、いつまでもこれじゃ困るなとも思う。
 もちろん娘も日々成長しているので、
 ただ悲しくて泣いているというよりも我慢してて溢れてしまうような泣き方に変わりつつある(と信じている)のだが、やはり「はなれたくない」と言

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育つのは、俺だった。「楽しまなくては」

育つのは、俺だった。「楽しまなくては」

 娘(三歳半)は楽しかったことをよく覚えている。
 こっちが忘れているようなことも「あのときのさ、〇〇やろうよ」と誘ってくる。

 俺は反対に楽しくなかったことをよく記憶するようになった。
「あれはしんどかった」
「あんなことがあったんだから」
「本当に大変な一年だった」
 などなどこう書いていてもああ言っているなと思う。
 娘のように「あのときのさ、〇〇やろうよ」なんてことは言わなくなった。

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育つのは、俺だった。「そうはいっても」

育つのは、俺だった。「そうはいっても」

 娘(三歳半)は言ってしまう。
「あの子、信号パカパカしてるのにダメだよねえ」
「あの子、お外でごみ捨てちゃダメだよねえ」
「あの子、お店を走っちゃダメだよねえ」
※娘はまだ相手の年齢に関わらずすべての人を「あの子」と呼ぶ。

 娘は「悪いこと」をしている人を見つけると、相手がすぐそばにいても言ってしまうのだ。
 もちろん、私も教えている。「信号は守る」「ごみは捨てない」「お店は走らない」。それら

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育つのは、俺だった。「怖い顔」

育つのは、俺だった。「怖い顔」

 娘(三歳半)がこんなことを言った。

「お仕事しないで」

 私は在宅で働いており、デスクでキーボードを叩いていた。
 娘は遊んでほしくなったのだろうなと思った。
 かわいいやつだ。
 娘は私の部屋着の裾を引っ張って続けた。
「お仕事しているとつまんないでしょ」
 なんとかわいらしいことを言うのだ。
「そうだよねえ。つまらないよね。ごめんね」
 だが、私がそう言うと娘は不思議そうな顔をした。

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