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顧客課題の発掘が大切

現在、Doing Discoveryという本を読んでいて、改めて、テクノロジーソリューションの営業における顧客課題の発掘の大切さを痛感しています。

私の著書の中でも触れていますが、テクノロジーソリューションの営業において最も大切なフェーズはDiscovery(=顧客課題の発掘)と信じています。

この記事では、何故私が顧客課題の発掘が大切だと主張するのか、顧客課題の発掘を怠ると何が起きるのか? 何故私も含めて多くの日本人営業担当者は顧客課題の発掘が苦手なのか? 整理してみたいと思います。


顧客課題が大切と主張する理由は簡単です。困っていない人はお金を使わないからです。

何らかの営業を担当している人は、見込み顧客に自社の製品やサービスを販売することを生業としています。

販売が成立しなければ、給料を貰えることができず、自分や自分の家族を養うことが苦しくなります。死活問題ですね。

「困っていない人はお金を使わない」

これは全ての見込み顧客に当てはまります。しつこいようですが、困っていない人はお金を使いません。見込み顧客も大なり小なり人の集団です。

見込み顧客の悩みや課題とその緊急度を可能な限り正確に把握して、それらを解決するための策を検討することが、自社の製品やサービスを販売するための出発点になりますね。


顧客課題の発掘を怠ると、期間内に与えられた販売目標を達成することができなくなる確率が上がります。

私は現在、サイバーセキュリティSaaSを開発・販売する企業に所属しており、私は販売を担当しています。

見込み顧客との商談はSalesforceで管理していて、各々の商談がどのフェーズになっていて、年額幾らの契約をいつ取る予定であるかを、自分の上司他社内の関係者と共有しています。

先日、現在の商談の状況を整理していたら、やたらとStage3(実証実験の準備フェーズ)の商談が多く、かつそれらの商談の多くが3ヶ月以上もStage3で滞留していることに気づきました。

これは私も含めた営業チームのメンバーが、顧客課題の発掘を怠っていることの示唆かもしれません。

見込み顧客も、自分が何故何で困っていて、その困りごとを放置しておくと何が起きるのかしっかり理解していないと思います。

しっかり理解していない人が、年額1,000万円以上のSaaSの契約を積極的に進めることはありませんね。


私も含めて多くの日本人営業担当者が顧客課題の発掘が苦手な理由は、日本人のHigh Context Cultureにあるのではと感じています。

欧米諸国はLow Context Cultureと言われていて、前後の文脈やその場の空気より、明確に言語化された言葉を中心としたコミィニケーションを好むとされています。

商談の場でも、営業担当者は見込み顧客に対してズケズケと質問し易い文化かもしれません。あくまで推測ですが。

日本は欧米の逆で、前後の文脈やその場の空気を重視する傾向があるため、商談の場では、ズケズケと質問する人は煙たがられるかと思います。


私は煙たがられる輩の最たる例かもしれません。


私も日本人のため、High Context Cultureが根付いていて、商談の場で見込み顧客に質問する際はいつも緊張しています。

「こんなこと聞いたら失礼だよなぁ」とか「ここはわかったフリしてやり過ごすか」といった感情になることが多々あります。

同時に、ズケズケと質問する以外に真実を把握する術はありません。その場の空気や過去の経験を元に、見込み顧客の課題を邪推していては、的を射た提案はできません。


「ストレートな聞き方お許しください」や「私、ストレートしか球種を持っていないんですよ」と前置きした上で、ズケズケと聞くしかないですね。



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