見出し画像

読む力の向上: どのようにして、どこで、だれが

 読むとは、読者の内部で、文字を言葉によみがえらせ、言葉を意味(作品のイメージ世界)によみがえらせることである。それ以上でもそれ以下でもない。

 授業場面での学習方法としては、作る・演じる(翻作やクイズ遊びを含む)・味わい楽しむ・何らかのテーマや課題の解決に役立ちそうな文書を探して読み取るなどの活動、あるいは、読む力の向上を願って自分から練習することなどがある。そういう活動や練習を通して、学習者の文字力や語彙力が向上したり、さまざまな種類の文や文章へのなじみが深まったりする。読む力が向上するとはそういうこと。

 読む力の向上に役立つ場は、国語科だけでない。全教科や教科外の事柄(言い換えると世界)についての知見を深め広げることが、読む力を土台のところから高める。

 読む力の向上にかかわる第1の教育者は、読む人自身。読み書きを含むコミュニケーションの相手(教師を含む)が第2の教育者。学習者が生活する環境(教師を含む)が第3の教育者。

 学習者の読む力の向上を助けるのは、国語科教師だけではない。全教科の教師が、読みの学習を助けている。

 読んだ結果をどう利用するかは、読者の自由である。楽しむか、必要な情報を得るかなどは、読むことのあとに続く結果であり、目的である。読むという心理作用そのものものではない。

 文学作品も説明的文章や実用文をどう解釈するかは、読者の自由である。ましてや、どう感じるか、どう味わうか、どう批判するかは、さらに読者の自由である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?