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相手のためを思う暴言

 妻のため、思って強い言葉を発し、言葉の強さが嫌われて、そこから始まる罵り合い。そのあと、ゆっくり打ち明け合って、その原因がやっとわかった。

 昔のぼくの物言いが、妻の心の奥深く、トラウマになって生き続け、それが今回また蘇り、妻の怒りを生んだとわかった。

 妻に限らず誰に向けても、相手のために強く言う、ことが今でもしばしばある。でも、その強い言い方が、相手の怒りを呼び起こし、すぐに相手の心が閉じる。心が閉じたそのあとにいくら言葉を尽くしても、ぼくの思いが通じるわけない。そんな仕組みがやっとわかった。喜寿に迫ったこの歳に、なって今頃やっとわかった。

 相手のためなるというのは、それはこちらの勝手な判断であり、いわば、独りよがりの判断である。それがほんとに相手のために、なるかどうかはわからない。相手が何を望んでいるか、何が相手のためになるのか、それを知るには、本人の思いをじっくり聞かねばならない。当たり前とも言えるそのこと、思い上がったこのぼくは、今の今まで気が付かなかった。心に落ちて分かってなかった。

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