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遅れてきた進化系シティポップ ~「東京は夜の七時」ピチカート・ファイブ

遅れてきたブームと言えるかもしれません

90年代を駆け抜けた渋谷系なるムーブメントの芽は80年代に生まれていました。

このグループの音の雰囲気は、70年代後半から80年代前半にかけて登場したシティポップの進化系と言えるかもしれません。

80年代は米国由来も、欧州由来も、どの音楽もキーボード主体の王道ポップでした。シティポップを颯爽とした風と例えるならば、王道ポップは熱帯の風のような雰囲気と言いますか。

80年代前半、荒井由実改め、松任谷由実や、山下達郎(クリスマスイブは言わば亜流かもしれません)、大貫妙子らは売上低迷を迎えるのは、こういった受け入れられ方の違いがあったのかもしれません。

この辺りは、もっと細かく見ていこうと思いますが。。。

さらに、日本においては、アメカジに代表されるようなアメリカ追従文化が成熟していたので、なかなか芽を出しにくかったのかもしれません。雰囲気、印象が違う。

さらにさらに、バンドブームも隆盛を迎えていたこともありますね。レベッカという例外はあれど、どれも、ボーカル、ギター、ベース、ドラムという編成でしたし。

颯爽と駆け抜けるポップはなかなか入りこむ余地はなかったのかもしれません。

こういった、バンドブームが一巡し、成熟し、レベル感の違うアーチストが隆盛してくるとき、大概、陰に埋もれていた音がメインに躍り出るわけで、このグループもそういった時代にうまく乗ることができたといえるのでしょう。

たしかに、今聞いても、くどくなく、しつこくなく、さらっとした乾いた風のような雰囲気で、色あせていないように思います。

というわけで、今回は渋谷系の王道となったこの曲を。

リオ五輪閉会式で、椎名林檎アレンジバージョンを聞けたのもうれしかったですね。


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