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チームとコミュニティの違いは何か?
…なかなか、一言では言えません。

「野球チーム」の例を挙げれば、
「試合に勝つ」のが、ふつうは目標。
その目標のため、メンバーが変わっていく。
一人ひとりの役割も違う。
スキルによって、適材適所が必要。
チームに合わなければ、
時には「戦力外通告」もある。

一方で、例えば「地域コミュニティ」の場合、
そこまでのことは求められませんよね。
スキルが無いから、という理由だけで
「戦力外通告」になることは、あまりない。
(「村八分」という可能性はある)
ゆるやかな「縁」でつながる集団。

そう考えを進めていけば、
チームとコミュニティの違いは、というと
「目的」と「所属」、どちらを重視するかの
差があるのかな
、と考えられます。

チームの目的(目標)とは言うが、
コミュニティの目的とは、あまり言わない。

対外的に、ある目的に向けて行動するのがチーム。

逆に、そのメンバーとなっていること、
つまり「所属」それ自体が大事で、
目的は「人それぞれ」違うのがコミュニティ。

となると、何らかの専門性を持ち
集団のために働くのがチーム、
それぞれの目的のために形成している
多様性を持った集団がコミュニティ…?

ここまでだけでも、すでに
私はこんがらがっています。
「まあ、そういう一面もあるよな」
「…でも、こういう場合は?」

と逡巡しながら、書いています。

そこで、ちょっとだけ、閃きました。

チームVSコミュニティと「二項対立」で
考えるから難しい
のではないか?
もう一つ、言葉を加えて
考えてみてはどうだろうか、と。

本記事は、その思考の一端を
書き表したものです。

チーム、コミュニティ、もう一つの言葉、とは。

…ファミリー、という言葉です。
あえて家族とは言わない。ファミリー。

ファミリーは、基本「一族」。
自分では選択しづらい。
半ば運命のような集団。
ウェットでネチネチ。

それに対してチームは、ドライな組み合わせ。
サバサバです。
自分で選択しやすい。

コミュニティは?
…これは、選択しにくいコミュニティと
選択しやすいコミュニティ
とがあります。
血縁や地縁のコミュニティは半ば強制。
(絶縁したり移住したりしたら別です)
それに対し、オンラインコミュニティなどは、
比較的、出入りが自由。

コミュニティを二つに分けましたので、
全部で四つ。とりあえず便宜的に。

①ファミリー
②選択困難コミュニティ
③選択自由コミュニティ
④チーム

こう考えた時、果たして
読者の皆様自身はどんな「集団」に
関わって生きていますか?

「ご家族」は、文字通り①でしょう。
親は、選べない。
ただ、新たに家族を増やすかどうかは選べる。
家族内で、役割があったりもする。
その意味では「家族」は、④チームっぽい。
①だけでなく②③④の意味を含む。

「職場」は?
もしフリーランスや家族経営なら
①の要素が強い、ですよね。
終身雇用で流動性が少ないのなら②。
わりと転出転入が多いなら③。
プロジェクトチーム的な仕事なら④。
つまり、職場においても
①②③④がすべて含まれ得る。


「趣味」の面では?
どちらかと言えば③の面が強い。
①ファミリー、④チームとは、言いづらい。
例えば草野球が趣味なら
プロ野球チームと異なり
「戦力外」とされるケースは少ないでしょう。
ただし必ず③だけ、とも言いづらい。

つまり「四者択一」ではなく、
「四つの要素がからみあっている」…?

あえてそれぞれの集団を
一から百に数値化し、四百点満点で表せば、
①②③④すべて百点、の集団もあれば、
①②③④すべて零点、の集団もあり得る。

(もちろんすべて零なら、烏合の衆)

言いかえれば
「ファミリー」の「要素の強い」集団もあるし、
「チーム」的な集団も、ある…?


もっとイメージしやすくするため、
例を挙げていきましょう。
漫画の例で。

漫画『スラムダンク』の湘北チームは?

④チーム色が強い。
五人+メガネ君とその他メンバーは
ファミリーでもコミュニティでもない。
自分たちの自由意志によって集まり、
組織的に試合で動く「チーム」。

はじめは、本当にバラバラ。
三井なんて大暴れ。
でも、試合を重ねていくにつれて、
①②③の要素も増えていく。

「湘北に入ってよかった…」

泣いてそう言うメンバーも出てきます。
(桜木花道の同僚の一年、石井健太郎)
こうなってくると、チームだけでなく
コミュニティ、ファミリー感が強くなる。
安西先生を父親に擬した疑似ファミリー感…。
(マネージャー彩子さんもいる)

漫画『鬼滅の刃』の鬼殺隊は?
鬼を滅ぼす、その一心で集まったメンバー。
その個性や目的は、多種多様です。

しかし、そのリーダーの
「お館様」は、隊員を下の名前で呼び、
「自分の子ども」と隊員を表現する。
スキルだけで集った④チームではない。
①ファミリーでもあり、②③の要素も強い…。

漫画『スパイファミリー』は
ファミリーなので純粋な①か、と思いきや、
実はかりそめ。
それぞれスパイ・殺し屋・超能力者と
卓絶したスキルを持った④チーム。
ドライな彼らが、
本来ウェットでネチネチな①ファミリーを作り、
②③コミュニティにもなる。
そのギャップがストーリーを生み出します。

漫画『三国志』の曹操陣営と劉備陣営は?
漫画『ワンピース』の麦わらの一味は?
もう、書くだけ野暮ですね。

際限がないのでこのくらいにしますが、

要は、純粋なファミリー、純粋なチーム、
という集団はあまりない。
①②③④すべての要素を内包している。
ファミリー・チーム・コミュニティになりうる。


最後に、まとめます。

終身雇用・一社専従がメインの時代、
社会人が主にかかわる集団は
「家族」「地域」「会社(一社)」
このぐらいで終わることが多かった。

でも今は、違います。

SNSで、いくらでもコミュニティに入れる。
そこからチームも作れます。
ファミリーすらできるかもしれない。

掛け持ちで出入りできる。自分でも作れる。
その中の多様性にまみれることで、
自分の専門性も自覚し、磨ける。

そういう時代です。

どの集団にどうアクセスするかは、
個人の自由。選択、キャリア次第。
自分が関わる集団をどんどん
増やす(薄くする)人もいれば、
狭く(濃くする)個人主義の人もいる。

逆に、どんどん拡大する集団もあれば、
衰亡していく集団もある…。
(各SNSの盛衰を見ればわかりやすい)

その差は、何なのか?

それを考えた時、自分自身がいま、
①②③④どの要素が強い、
どんな集団に関わっているのか?
いくつの集団に関わっているのか?

折に触れ、振り返ることで、
これからのことも考えやすくなると思います。

…本記事は、提案したまま、終わります。

(↑参考までに、広島東洋カープの
新井新監督の訓示のニュースを。
④の「チーム」で、①の「ファミリー」要素を
強調した新井カープ
は、どうなるでしょうか)

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