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映画つれづれ4

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#小説

映画つれづれ 目次

映画つれづれ 目次

映画のウンチク、余分な知識、世間に影響のない考察などを気のむくままに(笑)古い映画の話がほとんどです。

2014/6/3 時限爆弾、危機一髪

2014/6/7 ハリウッド版「ルパン三世」

2014/6/10 パシリムと鉄の大海獣

2014/6/18 フィリップ・マーロウをドツいてビッグになろう

2014/6/21 テニス靴をはいた荒野のスネーク

2014/6/24 「UFO記念日」記念

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未発売映画劇場「オーロラの向こう側」

未発売映画劇場「オーロラの向こう側」

今回の作品は「Solstorm」 北欧・スウェーデンの映画。2007年の作品でスウェーデンなどでは同年11月に公開されているが、海外ではスペインなど一部で公開されたのみのようである。アメリカでは2008年春にニューポート・ビーチ映画祭で、イギリスでは2021年になってから限定的に、公開されている。

タイトルは英語でいうと「Sunstorm」 太陽フレアからの大規模な磁気嵐のことで、さまざまな影響

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未発売映画劇場「強盗プロフェッショナル」

未発売映画劇場「強盗プロフェッショナル」

ずっと以前にも書いたけど【→こちら】ミステリ小説の巨匠ドナルド・E・ウェストレイクが生み出したシリーズ・キャラクターである「不運な天才大泥棒」ジョン・ドートマンダ―は、私のもっとも好きなキャラクターの一人である。

もちろん、そのデビュー作の「ホット・ロック」は、小説、映画ともに超お気に入りの作品なのだが、小説のシリーズ第2作『強盗プロフェッショナル』も大好きだ。

銀行を丸ごと盗んでしまおうとい

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トニー・ロームを知ってるかい?

トニー・ロームを知ってるかい?

あ、知らない?

以前にちょっと書いたけど、「現代の騎士」を標榜するようなハードボイルドな探偵よりも、ちょっと斜に構えてる「ハーフボイルド」な探偵のほうがお気に入りだ。

このハーフボイルドの代表的な探偵が「マイアミの遊び人探偵」トニー・ロームだ。

もともとはマーヴィン・アルバートというアメリカの作家が生んだ3作のミステリ小説の主人公で、これが1967年に映画化されてフランク・シナトラがトニー・

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未発売映画劇場「サント対モンスター軍団」

未発売映画劇場「サント対モンスター軍団」

メキシコのルチャ映画の金字塔サント映画完全チェックも第22弾。今回からはリング上で長年のライバルでなおかつパートナーでもあった一方の雄、ブルー・デモンとの本格的競演作が続きます。

まずは1970年5月にメキシコで公開された「Santo el emmascarado de plata y Blue Demon contra los monstruos」 タイトル長げーぞ。

なんとも胸躍るようなポ

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ヒッチコック・カーニバル

ヒッチコック・カーニバル

何を思い立ったのか、NHKのBSでやたらとアルフレッド・ヒッチコック監督の作品を放送しています。いいぞ、もっとやれ。

外出自粛映画で観た「サイコ」の翌週には「めまい」、ついで「引き裂かれたカーテン」、「ハリーの災難」とつづいています。

あれれ、このまま全作品放送に突っ走るのかい? いやいや、じつはその前にもチョコチョコ放送していたようですが、いままで気づかなかったなぁ。

まあ40年近く前の映

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外出自粛映画野郎「病院坂の首縊りの家」

外出自粛映画野郎「病院坂の首縊りの家」

私が映画にハマりはじめた1970年代という時期、世間を賑わせていたのが角川映画であり、横溝正史のミステリでした。

1976年に角川映画第1弾として公開された「犬神家の一族」が大ヒットすると、それまでは「しょせんはシロウトの映画作り」と思われていた角川映画は業界トップの勢いを見せ、同時に原作の横溝正史のミステリ小説は角川書店の稼ぎ頭となってベストセラーになりました。

あのころ、本屋に行くと、角川

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外出自粛映画野郎「ウォリアーズ」

外出自粛映画野郎「ウォリアーズ」

夜のニューヨークを舞台に、ストリートギャングたちが繰り広げる壮絶な闘争と逃亡劇。

1979年に公開された「ウォリアーズ」は、こんな単純な話を要領よくまとめたアクションの小品……というのが公開当時の印象でした。実際のところ、それほど大きな話題性のある映画ではなく、日本公開も夏休み映画が終わった後の9月という、さほどいい時期ではなかったかと(アメリカ公開はその年の2月)

ところが、当時この映画を観

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外出自粛映画野郎「インフェルノ」

外出自粛映画野郎「インフェルノ」

ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』が2003年に発表され(邦訳は2004年発売)ベストセラーになったときには、すでに映画化は決まっていましたよね。近年の映画界では、売れそうな本の映画化権は発売前から押さえるのが普通ですから(映画は2006年に公開)

そんな原作をいち早く読んでいた私ですが、映画にはなんとなく乗り遅れて、観たのはだいぶん後でした。ゼロ年代の私は、子どもが小さかったこともあ

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外出自粛映画野郎「サイコ」

外出自粛映画野郎「サイコ」

はい、ご想像どおり、先日NHKのBSで放送されたので、ひさしぶりに観ました。そういえばこれのソフト、持ってなかったかも。

ある世代より上の人には、映画監督としては圧倒的な知名度を持っていたアルフレッド・ヒッチコック監督。なぜかというと、たぶんテレビで「ヒッチコック劇場」が放送されていたからでしょうね。名前だけでなく風貌も知れていたのは、番組の前後にご本人が登場していたから。

そんなヒッチコック

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外出自粛映画野郎「007/ロシアより愛をこめて」

外出自粛映画野郎「007/ロシアより愛をこめて」

緊急事態が解除されたと思いきや、またまた感染者が増えたり、クラスタが発生したり、アラートが発動されたりと、いっこうに落ち着かないので、外出自粛続行で映画を観続けていきます。

と、これくらい連続して映画を観ていると、どうしたって「007」の1本くらいは観ることになりますよね。なにしろ私は007マニアですから。

というわけで、シリーズ初期の傑作(といっても、初期のショーン・コネリー007は傑作ばか

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外出自粛映画野郎「博士の異常な愛情」

外出自粛映画野郎「博士の異常な愛情」

非常事態宣言も解除されましたので、外出自粛もおしまいかと思ったんですが、なかなかそうもいかないようですね。第2波がとかいわれてますので、もうしばらくの辛抱でしょうか。

というように世界中が疫病でびくびくしているドサクサに、トランプ大統領閣下がなにやら怪しい動きを見せています。あるいはウィルス対策が上手くいかない苛立ちのせいでしょうか。あちこちにチョッカイを出して火ダネを作っているように見えます。

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外出自粛映画野郎「恐怖の獣人」

外出自粛映画野郎「恐怖の獣人」

映画に興味のある人ならば、まさかロジャー・コーマン師の名前を知らない人はいらっしゃらないでしょうね。

ハリウッドで100本以上の映画を作って10セントの損もしなかったコーマン師の、これは代表作のひとつ。なにしろ、製作と監督を兼ねています。

数多い(ホントに多い)コーマン師の作品中でも、わりと知名度のあるほうの映画でしょうか。といっても、知名度のある、だれでも知っているような名作やヒット作が、そ

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外出自粛映画野郎「殺し屋ハリー/華麗なる挑戦」

外出自粛映画野郎「殺し屋ハリー/華麗なる挑戦」

【緊急事態は解除されたようですが、まだ安心していいってことではなさそうなので、もうしばらく自粛映画は続けます】

タイトル画像にも出しましたが、まずはこの映画の向こうのポスターデザインでも見てください。

このデジタル時代にはまったく適切ではないタイトルを見よ(笑) 分数ってのはネットには乗りにくいんだよね。

そして、この原題との落差マックスな邦題「殺し屋ハリー/華麗なる挑戦」も相当なものだ。ま

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