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巣立ちの日の親心

いつか我が子が家を出ていく時はきっとこんな気持ちになるのだろうか。

昨日、私の作品たちが旅立っていった。漆喰画の作品が、嬉しいことにご購入いただけたのだ。そもそも絵を描き始めた当初から、売ることを目的に絵を描いているわけではなく、私の中で生まれるインスピレーションをカタチに起こしたものが絵になったというものなのだけれど、だからこそ、一作一作への想いも強い。(2度と同じ作品は描けない。)

この度お迎えいただいた作品 「 逢 」
この度お迎えいただいた作品 「 渦 」

これ以外に今までご購入いただいた絵たちに対しても全く同じ気持ちで、郵送するための梱包をしながら『行ってらっしゃい』と声をかける。

絵を見ると、それを描いた時の気持ちや感覚が、全身をぶわっと駆け巡るように微細に感じられる。もちろんそれは私が描きながら感じていることであって、受け取ってくださった方に同じように感じてほしいわけでは一切ない。むしろアートなのだからその時その時で感じ方が違ったり、人によって感じ方が異なる方がむしろ面白いのだけれど、描いた本人としては、この子に芽生えた感情感覚というものを体で覚えているからこそ、(しかも何ヶ月と長い時間をかけて描いているからこそ)手放すときのもの淋しさは一層深くなる。

我が子が巣立つ時、想うはきっとこの3つ。

迎えてくださった方へ、まず何よりの「ありがとう」。
巣立っていった我が子へ、「いつまでも達者で」。

そして、誰にも言うことなく心の中でひそかに願う、「忘れないで」。

淋しくも送り出せて、幸せだ。

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