見出し画像

「いい店か悪い店かじゃなく、好きな店かどうか」

グルメメディアヒトサラの社員がリアルな食体験を綴るリアルめし。金曜担当のデザイナー志津が、お店探しに物申す。


こんにちは。金曜の志津です。

1回目の投稿から半年。グルメサイト、ヒトサラの社内では「タパスタパスと言えば志津」みたいに概念が蔓延ってきています。

「志津さん、タパタパ行きました!」

ていう謎の報告を他部署の社員からも受けるような事態になってきました。

私が何故タパタパを好きなのか改めて説明すると、魚介の旨味(通称:海汁)が好きだからです。
ブイヤベースとかスープドポワゾンとか。特に、海老や貝類の出汁はお気に入りですね。タパタパの「タパス風スパゲティ」はそれが手軽に味わえることが魅力です。関東には20店舗あり、価格も一皿1000円前後。

私がこの魅力に気づいたのは4年前くらいですが、それ以前も何回かお店に行ったことはありました。ただ「タパス風スパゲティ」というメニューにこんな濃厚な海汁が詰まっていることと、私自身が海汁を好きなことに気づいていませんでした。だからカルボナーラとかボロネーゼとか、他のメニューを注文していた当時は、タパタパを普通のチェーンスパゲティ屋として認識していました。

私はタパタパの楽しみ方を知ったのです。

「タパス風スパゲティ」を食べたある日、この海深いパスタをたった1000円で手軽に味わえる価値に、気づいたのです。
決してタパタパが「普通のお店から、良い店に変身した」わけではなく、てかもともと良い店のままで、私がその魅力に気づいただけだったのです。

そういうことに気づけてなくて損してることって往々にしてあると思うんですね。

特に近年はユーザーが作るコンテンツやレビューサイトが増えて、「お客がお店を評価する」みたいな概念が一般化しています。
私はそれを慎重にするべきだと思います。

お店には必ずそれぞれの魅力や楽しみ方があると信じています。

シェフやオーナーさんが何か大切な想いを持って開業されてるはずですし、そのお店にしかないオリジナリティが必ずあるからです(ヒトサラの宣伝も兼ねてます)。でも低く評価をしてしまうユーザーがいます。
低評価をするユーザーはお店の楽しみ方を知らずに、お店本来の魅力に気づいてなかっただけという場合もあると思います。
本当はそのユーザーにとって高評価な魅力があったと思うのです。それに気づかなかっただけ。そして、その魅力を感じられる価値観をユーザーが持ち合わせてなかっただけ。

もちろんレビューサイトによって、今まで知りえなかった魅力的なお店を見つけることができた恩恵はあったと思います。立地が悪いけど、皆んなに人気のあのメニューが食べられる隠れ名店、みたいな。外食に大きなスポットライトを当ててくれた気がします。
そして、ユーザーの口コミでぼったくりなどの悪しき行為を指摘することもできたりしてます。

お店選びもアップデートされようとしていると思います。

相対的に人気のないお店でも、楽しみ方を変えれば、新たな価値を発見できるかもしれないのです。
低評価のお店でも、あるメニューは高評価のお店に匹敵するクオリティだったり、
接客が無愛想なお店でも、黙々と食べる雰囲気が料理に集中できる好環境を作っていたり、
プレミアムなデートに相応しくなかったお店でも、カジュアルな宴会にはピッタリのお店だったりします。

楽しみ方次第で、すべてのお店が「いいお店」になり得るのです。

ですが、その楽しみ方はユーザーも気づいてなければ、お店自身も気づいてない場合もあります。
「10分待てばもっと美味しくなる」という日清どん兵衛の食べ方は、商品開発者も脱帽の発見でした。
楽しみ方を見つけるためには、事前に情報を調べたり、お店のスタッフや常連にオススメを聞いたり、何度か訪問する中でトライアンドエラーをする必要もあります。それらを経て、お店の魅力に気づくことができると思います。大変かもしれませんが、そうするしかありません。仮にお店を評価するということだとしても、本来は同じくらい大変なはずです。

いいか悪いかではなく。好きかどうか。

私も人気のある名店に行った時に、高いコストがかかってしまい、美味しかったけど総合的に何となく満足できなかったことが多々あります。
それはお店が悪いのではなく、私がその価値を感じることができなかったということかもしれません。
人気店が比較的に良い店だろうと思っていても、その時の自分にとってはリラックスできなかった雰囲気だったり、腕のあるシェフによる微妙な味わいのニュアンスを感じることができなかったりして、自分がそのお店の魅力に気づけなかったという場合もあると思います。
考えが浅かった私は、その良い店を好きになることができませんでした。

お店の楽しみ方の発見と、ユーザー自身の価値観の自覚
この両者が、飲食の付き合い方における新たなポイントだと思うのです。

私は、タパタパのタパス風スパゲティが本来の自分として最高の食事だと自覚してしまったことで、自他共に「タパタパ=志津」となり、もはや私のアイデンティティを構成する要素になりかけている状態にまで達しています。

私はタパタパを評価するつもりはありませんが、好きなお店だということは間違いありません。
皆様にオススメできる私のリアルめしです。

ちなみに表紙で擬人化してみました(マスクかけてるだけやないかーい)。


しづのぞみ


あなたのスキを原動力に、ヒトサラnote部は活動中です!