皆が待っていた民事裁判手続きのIT化

民事裁判手続きのIT化は、個人的には大賛成である。

これまで民事裁判手続きは時代の流れに逆らってアナログを貫き通してきた。書面の提出は、持参、郵送又はFAXによらなければならず、口頭弁論には原則として両当事者が裁判所に出向く必要があり、争点整理を行うための弁論準備手続においても相手方当事者が裁判所に出向かないと電話による出席が認められない。

民事裁判手続きのIT化により、弁護士が裁判所に出向く回数が減り、弁護士の移動時間の削減につながるとともに、企業が支払う弁護士費用を抑えることができる。また、裁判官がオンライン上で書面の内容を確認することができ、訴訟処理の効率が上がることが見込まれる。

企業としてはより多くの訴訟案件を弁護士に依頼することができ、弁護士としてもより多くの訴訟案件を効率的に担当することができる。また、裁判官の訴訟処理の効率が上がることにより、審理期間の短縮にもつながるかもしれない。まさに皆が待っていた制度変更である。

他方、書面のメール提出には、情報漏洩や誤送信のリスクなど、様々な課題が存在する。ぜひ、しかるべき対策を講じた上で、民事裁判手続きのIT化を進めていただきたい。

■「民事裁判手続き ネットで 法廷に出向かずウェブ会議」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42433230T10C19A3SHA000/

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