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場をつくる人が予防と対策のために知っておきたい言葉と概念

場をつくる人なら誰でも知っておきたい言葉と概念を集め、それぞれに関連する記事を添えました。議論や対話が目的の場だけでなく、あらゆる場の設計や進行に関係があります。

◆マウンティング(和製の比喩的表現)

◆トーンポリシング(Tone Policing)


◆シーライオニング(Sealioning)


◆マンスプレイニング(Mansplaing)

◆エイジズム、ルッキズム、セクシズム(Ageism, Lookism, Sexism)

◆ステレオタイプ(Stereotype)

◆スティグマ(Stigma)


その他、とても重要な言葉として、
◆レイシズム、ヘイトスピーチ、ヘイトクライム(Racism、Hate Speech, Hate Crime)
◆パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメント、モラル・ハラスメント(Abuse of Authority,  Sexual Abuse, Emotional/Psychological Abuse)
がありますが、今の時点では適切な記事が見つけられませんでした。本来はまっ先に挙げなければならない言葉ですが、問題が根深く多岐にわたる、ということでもあります。見つけたら追記します。

また、ここに挙げた他にも、予防と対策のために知っておいたほうがいい言葉もまだまだあると思うので、今後追記します。


場づくりする人は何のために知るか?

こういった態度や言動は、場に集う人への攻撃になり、場を内から破壊する力を持ってしまいます。予防や早期対応のためには、まずは「ある」「人間はする」と知ることが必要です。

自分の主催する場で起こったときに、その会話に介入し、働きかけるのは、場をつくる人・主催者・ファシリテーターの責任(Responsibility)です。(自分が参加者の立場でも、傍観者をやめるために大切です)どれだけ場の対象者や前提条件を整えても、人間が複数集まればこういうことは起こり得ます。

ただし、「あなたそれトーンポリシングですよ」と(相手の知らなそうな)用語を持ち出して優位に立ったり、糾弾したり、取り締まるために使うのではありません。場の中での議論や対話に違和感を抱いたとき、「今、ここで生まれている関係性や話の展開の仕方は、もしやこれに該当するのでは」と見当がつけられ、次の行動を自分で選択して実行するために知るのです。

そこに至る前に、まずは自分自身の「なんかもやもやするけど、うまく説明できなくて苦しい」「前にもこういうことがあったけど、どうして避けられないんだろう?」という経験に対して、「そういう言葉があるんだ!」と知り、「そういうことだったのか!」とつながり、「わたしだけじゃなかったんだ!」と感じることが大切です。

さらに場をつくる人は、「わたしがされてきて嫌だったことを、こともあろうにわたし自身がしてしまっている」ことに気づいて動揺する経験もぜひたくさんしましょう。わたしもしょっちゅう経験してはのたうちまわり、学び直し、整えています。

これらは流行り言葉ではありません。

新しく生まれた言葉ではありますが、単なる流行り言葉ではありません。みんなが嫌だと思って傷ついてきたけれど、「そんなもんだよ」「あるわけない」と我慢させられてきた経験に対して、「もう我慢しない!黙らない!」という表明であり、また、ある条件が揃うとそれをやってしまうという人間の性質を認めた上での、「行動を変えていこう!」と決意する言葉だと、わたしは理解しています。

いつか廃れたら、必要なくなったらとてもうれしいですが、たぶん概念自体は消えないだろうと思います。ただ、少なくとも「他者と自己の境界線を守ろう」「加害・被害の関係になることを予防しよう」と共有できるようになったことは大きな進歩、進化であろうと思います。

こういうことを書いていると、「場をつくるとは正しくあることなのか?」という気持ちが自分でもしてきますが、決してそうではありません。
「場に集う人が楽しく居心地よくいられるほうがいい、それを阻んでいるものは何か?」を考えていくと、これらの言葉と概念には必ず行き当たるというだけです。知らなかったことを知ることでもあるので、驚きや怒りや悲しみもありますが、知る喜びさえあります。人間を理解し、自分を理解することにつながります。そのために学びます。

省みて、認知して、受容して、次の行動を変えていく。
多くの人と共有し、不断の努力によって、つないでいけたらと願います。


●わたしの記事もぜひご参考に。