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3.人と猫の言葉

今回はかなりショッキングな内容になります。
書いている今も正直怒りと悲しみに震えています。

〇叔母への説得

頭を抱えました。すべてが人間中心なんです。

「関わるのをやめよう、多頭飼育崩壊しても我が家のことではない」

とも思いました。人間の不幸だけなら私もここで手を引きました。
ですが、このままでは猫が幸せになれません。

私は知り合いの獣医師の方に叔母のことを話し、説得方法などを聞きました。

獣医師の方は
「叔母さんは完全なアニマルホーダーですね。宜しければ、こちらで避妊手術を行っていない猫を保護しましょうか?」
と言ってくださいました。

藁にもすがる思いでした。かすかな光が見えた気がしました。

慌てて従姉に連絡をし、獣医師さんの話を伝えました。
従姉は「孫が、と言っているが母(叔母)も手放したくないんだと思う」と伝えてきました。

従姉が突然口ごもりながら

「私も母(叔母)の説得をしたんだけど、口論になって最終的には『そんなに言うならこんなに増えた原因である孫たちの母親のあんたが猫達を捨ててきなさい!!』って言われちゃって、私も頭にきて部屋を出て行ったんだよ」

と言ってきました。

猫達を捨ててきなさい?

猫達のことを思うと泣きそうになりました。
どんなに怒っていても家族である猫を捨ててこいなんて、本当に愛していたら出てくるはずのない言葉です。
この時ばかりは猫と人間の言葉が通じ合わなくて良かったと思いました。家族の口から自分たちを捨てるなんて聞いたら、どんなに辛くて苦しくて悲しいことでしょう。

叔母からすべての猫を取り上げるのは無理だとしても、せめて面倒を見れる数にしなくては。じゃないと、猫達が危ない。そう感じました。

「叔母の説得は私がするから、従姉は孫の説得をお願い」

と言い、私は叔母の説得をすることにしました。

獣医師の方に金銭面の話や引き取れそうな数、引き取るまでの流れを伺いました。

獣医師の方から伝えられたのは

飼育権の放棄をすることによって、その後の避妊手術代や飼育費などの費用は掛からない。ただし、避妊手術をした子を再び引き取るとなると手術代が掛かる。

とのことでした(私自身、法律には詳しくないのと保護団体様によっては変わってくる可能性があるため今回だけの話です)。

叔母に連絡をし、獣医師の方のことを伝えると
「本当に大丈夫なの?」「成猫もいるよ?」「人慣れしてない子もいるよ?」「孫が何て言うか」「幸せになれるの?」
といった質問を何度も言ってきました。
その度に「大丈夫だから」「幸せになれるよ」「孫の説得は従姉に任せてあるから」と繰り返し伝えますが、叔母は手放したくなさそうな感じでした。

話の途中で叔母が

「子猫の1匹がどうしてもトイレを覚えなくて、部屋中にオシッコとウンチしちゃうから、昨日雨だったけど外に出したのよ」

怒鳴り散らしそうになりました。

子猫の糞尿に嫌気がさして、雨の中外に出すなんて、何を考えているのか。

人間の子供に置き換えれば、生後数ヶ月の赤子がトイレの場所を覚えないでお漏らしするから雨の中、外に出したことになるんです。

育児放棄、ネグレクトにあたります。

それが『猫だからやれる』叔母の神経を疑いました。

「そしたらさ、母猫見つけて、すぐにそっちに行っちゃったのよ。頑張ってシャンプーしたりしたのにさ」

もう叔母の考えが読めませんでした。
子猫が外で1匹生きていくことはできません。守ってくれる母猫がいれば、外に出されたのですからそちらに行くのは当然です。それをシャンプーをした努力が、と嘆くのは身勝手すぎます。

当初、叔母は「孫が」と言っていましたが、従姉の言ったようにやはり本心では自分が手放したくないようでした。

もうお分かりのように、叔母の言動はコロコロと変わります。
日によって、体調によって、人によって、話が二転三転するんです。
私も従姉もそれに翻弄されました。

それでもめげずに説得を続け、成猫4匹を叔母の手元に残し、何とか成猫と子猫合わせて13匹の飼育権を放棄してもらうことができました。


〇ダメな大人

これで猫たちが幸せになる道ができたと思い、獣医師の方に飼育権放棄の話をすると、保護団体の方に話したところ、私が住む県は少し猫たちの保護を行うには厄介な県で、時間がかかる可能性があるがやってみると言ってくださいました。

その晩です。私の電話が鳴りました。
叔母からでした。嫌な予感がしました。

「孫たちがさ、子猫は手放したくないんだって。やっぱり子猫4匹はうちで引き取るよ」

何なんだ。これでは堂々巡りではないか。

子猫だって数ヶ月で成猫になります。そうなった時、欲しいと言った孫たちは恐らく猫に対して子猫の時のように溺愛はしないでしょう。結局は叔母が世話をするんです。

そして、猫の寿命は近年伸びてきています。20年生きる子もいます。もし、頑張って猫たちが長生きしてくれた時、孫たちは30代、叔母は80代です。孫は結婚して家を出ている可能性もあります。叔母は高齢です。誰が猫の世話をするんでしょうか。

その話をしても孫は泣きじゃくって手放そうとしないと言ってきました。

孫の説得も出来ないなんて。

そう思いながら、「孫の説得は従姉に任せてあるから叔母は無視して」と伝え、孫にはLINEで、『最初の猫がいなくなって亡くなっている可能性がある事、そんな子を増やしたいのかという事、それでも世話ができるのなら直接私に連絡しろ』ときつく伝えました。叔母や従姉にも送った内容をスクショし、共有しました。

結局、孫から返事はありませんでした。

〇次回から

最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回はかなりショッキングな内容であったと思います。
でも、これがアニマルホーダーの人なんです。

次回は叔母と私の口論になります。

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