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5/1 寂しさに浸かるし雨にも浸る

朝食を食べ終え、着替えや洗顔、歯磨きをやらせ、支度は順調に進んだ。
「ねえねえ、まだ行かないの?」
と娘は今日から通う、新しい保育園に行きたくて行きたくてうずうずしている。

息子を学校へ送り届け、今日からは娘も保育園へ送り届ける。
お世話になる園に到着し、新たな仕様にわたしだけ戸惑う。
本人は朝の楽しみでたまらない様子は流石になくとも、淡々としている。
少し照れながら担任の先生に挨拶し、「じゃあね。」とハイタッチして離れていった。

いよいよこの時が来た。
3月末の息子の卒園式から1ヵ月半ほど、子どもたち、とくに娘とはひたすら一緒にいた。
子どもたちのことは大好きではあるが、正直ひとりになりたい、休憩したい。
それが合法的に叶う、念願の、貴重な、ひとり時間だ。
よっしゃーーーーーー!!!いやっほ~い!
となると思っていたのに、現実はおかしい。
わたしは寂しくて寂しくて仕方がなかった。

自転車を漕いでてもひとりだと転んだとて犠牲になるのはわたしだけなので、すごく気が楽だった。
楽なはずなのに、空っぽのチャイルドシートから空っぽの音がして寂しくなったし、スタンドを立てる時にも無言なことがなぜか堪え、そうかわたしはこのたった1ヵ月半の間で、何をするときも子としゃべりながらやるのが当たり前になってたのかと気づいた。

自分でも自分のこの感情に動揺した。
空は雲におおわれ、どんよりしている。
わたしの気持ちもますますどんよりしてくる。

家に帰り、これじゃいかん。このまま半日終えるわけにはいかん。
かばんに本とカッパを詰め込み、喫茶店に行ってみることにした。
場所を調べ、ペダルを漕ぐ。
どんどんどんどん漕いで、隣町の目的地に着いた。
臨時休業していた。
わたしはこの臨時休業によく遭遇する。
はいはいはいはいいつものことね!
次に気になっていたお店に行ってみようかなと調べていると、雨が降ってき、雨脚はすぐに強くなっていった。
カッパを着る。
雨に濡れながら、お店をさがして赴く気力はわたしにはなかったので、大人しく家に帰ることにした。
道にも迷った。

何してんだろと思う。

道に迷ったことで、本格的に不安と孤独感が強くなりかけ、ちょっと泣いた。
これはあれだ。
寂しさにどっぷり浸かる日なんだな。

そう腹をくくると気持ちは楽になるもので、だんだん気持ちは軽やかになってきた。
Googleマップの力も借り、知っている道につながった。

家に着き、パジャマに着替え、洋服は干して乾かす。
ドライヤーをし髪も乾かした。
かばんに入れていた本がしなしなになってしまったので、冷凍庫に入れた。

お昼ご飯にレトルトカレーを食べて、旨い。
カレーは美味しいし、元気が出るから好きだ。

そうこうしているうちに娘を迎えにいく時間になり、保育園に向かったがまた道に迷った。
無事会えた娘は「ともだちが娘ちゃん娘ちゃんって話しかけてきたんだよ。」と名前は知らないともだちが出来たことを誇らしげに話してくれた。
「お母さんは娘ちゃんがいなくて寂しかったんだよ。びっくりした。」と正直に話すと、「いえーい」とにやにやしていた。

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