見出し画像

私がメイクアップアーティストになった理由(後編)

「ヘアメイクをやりたい理由のピース」が自分に中でピッタリとハマったロンドン生活

1964年生まれの私は、80年代、20代始めがバブル絶頂期。
田舎からananの世界感に憧れて、ザ・TOKYOで若さ全開、怖いものしらすで、バブルという浮足立った幻想的な時代に飲み込まれていきます。

決して実力もないのに、時代が良かくて、若いってだけで仕事がきていたのに、いい気になってた自分。
それを見て見ぬふりをしながら、どこかでわかっていた自分。

だんだん、気持ちと現状のズレを感じてきて自分の居心地に違和感を感じるのは、「変わるサイン」

気持ちだけでは行動に移せなかったから、思い切って、環境変えるのが一番早い!

当時は、自分探しといえば「海外放浪バックパック突撃ひとり旅」。
バックパックに地球の歩き方片手に、現地の駅のインフォメーションで宿を決めて、旅をする。自分を見つめる。。。。大流行していました。
「書を捨て街に出よ!」って。
無謀でしたね。結構。危ない目に何度も遭遇しました。
でも世界はワンダーランド!
危険よりも好奇心が勝ってましたね。

この放浪の旅を、渡航を決めた1年前にヨーロッパで経験していた私は、今回の修行の地はロンドンに決定。

いよいよロンドン生活の始まり


ヒースロー空港に深夜降り立った私は、寂しさと不安と期待と夢が混ざった複雑な感情。今でも思い出すと感情体感できる。
それほどまでに強烈に自分の中に記憶としてのインパクト残ってます。

タクシーで、ロンドン市内へ。
タクシーの窓から見える夜のロンドンの町並み。
街頭の光が反射してオレンジ色に包まれた街は、まるでネガの世界。
建物の角から、オペラ座の怪人でも出てきそうなくらい幻想的。
まあ、寝不足で時差ボケ、複雑な感情とハイハイテンションでそう感じたのかもしれないですね。

ロンドンは、様々な人種がいて、おもちゃ箱をひっくり返したようなごちゃごちゃして多様性に満ち溢れた街ロンドン。均一的な日本に比べて新鮮でしたね。

80年代後半のロンドンは不景気で、地下鉄テロで爆発があったり、ホームレスも街のあちこちにいたし、70年代のパンクの生き残りの人たちや、ボーイ•ジョージやマドンナもクラブやパブに普通にみんなと楽しんでました。
テンションあがりめw

ロンドンはたくさんのギャラリーや小〜中規模のシアターがあり、アートは日常に溶け込んでいましたね。
学割を使えたので、よくギャラリーやシアターに足を運びました。

ビザの関係で3か月に一度は他のヨーロッパの国に行っていました。
なんと言っても学生割でエアもとてもお手頃価格。

英会話スクール、アートスクールやダンスも習いに行きました。
ダンスの先生がゲイの先生で、アダムちゃんて言うんですけど、一緒に習っていた友人の男性Aくんは全裸で踊らされたり、かならり大胆なことされてましたね。自分を開放しろってことなのかな??今なら大問題w

前回のヨーロッパ放浪の旅で知り合った商社の方のご縁で、洋服のデザインとバイヤーの仕事も頂き、80年代の一番ファッションが活気づいていたファッションの世界も潜入!
コモ湖での展示会やスコットランドでニットの展示会、ミラノやパリでの展示会。
ファッションのプロでないから、純粋に楽しめましたね。
特に帽子や靴は、日本でなかなか見ることができないデザインをたくさん見れたのは、楽しかったなぁ。

この素晴らしい経験、人生は人とのご縁の影響が大きいな~とつくづく感じた経験でした。

ヘアメイクも、展示会で知り合ったデザイナーの洋服のパンフレットやiDというおしゃれな雑誌などのヘアメイクをやらせてもらえました。

海外のヘアメイクアップアーティストから学んだこと


びっくりしたのは、海外のヘアメイクさんすごく下手だし、雑だけど、仕上がりが思い切っていて大胆な発想ができてる。

日本人は細かい技術はすごいけど、仕上がりに何かが足りない。
見せつけられましたね。感性と発想力と振り切る力。

型にハマらないヘアメイクやスタイリングの着こなし、アートディレクションを超えた作品の仕上がり、偶然性も含めてその場の空気感で意外な作品やアイディアが生まれる。 

空間のその中で被写体に、文化やバックグラウンドを持ったプロたちが、同じベクトルを目指しながら一つの作品を作り上げていく過程と、パズルのピースがピタッとハマったような、コレっていう瞬間がたまらなく好き、と感じました。

自分が自分のできることを最大限活かして、表現できる喜びと快感。
そしてチームのコラボレーションで生まれるユニークな偶然性と意外な世界観。

この感覚を、ロンドンで得たことは私の仕事感に繋がっている。
人を幸せにしたいからこの仕事をする、というよりも、
自分がワクワクしたことを仕事にして、結果周りが喜んでもらえることを目指す。

ヘアメイクの仕事でなくても、それぞれが個性を表現できて、調和が取れたら、みんなとワクワク感を共有できる仕事になるはず。

これが私が今でもヘアメイクアップをしている理由です。
後は最近思うのは、私は「顔が好き♡」
メイクアップしている時は、いつも顔に恋してますw

ずっとヘアメイクの仕事をできていることに感謝です。



#私の仕事 #ヘアメイクアップアーティスト #ワクワク #ロンドン
#アート #文化 #仕事 #仕事をする理由   #海外のヘアメイク
#ヘアメイクアップ #iD  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?