情景288.「人差し指と中指にだけ」【掌編小説 at カクヨム】
今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「人差し指と中指にだけ」です。
隙間から漏れ入るように差し込んでくる陽のひかり。
お気に入りの光のかたち。
私は、情景描写において光と風をよく使います。
光も影も、常に在るものですから、日頃ふと目に留まった光のかたちはなんとなく記憶してしまいがちで、地の文を書くときにそれを取り出し、文章にふりかけるように使ってしまうようです。
おかげで私は、手クセで地の文を書くと、光や風がつい出がち。
それで、光の話なのですが。
ひと口に光と言っても、その有り様はさまざまですよね。
中空でぎらつく陽光とか、校舎に張りつく夕日のオレンジとか、遠くの山間からのぞく朝日とか。
そんないろんな光の中で、とりわけ私のお気に入りなのが、今回の情景に出てくる「隙間から差す光」です。
木漏れ日とか、カーテンの隙間とか、雲間から筋になって注ぐ光とか、そういうもの。見ていて胸がすく思いがします。
白く照らされてまぶしく、向こうからは触れてくるのにこちらから掴むことはできない。
遠くからならはっきり筋となって見えるのに、いざその下に行くと、ひだまりがあるだけ。
何より無音なのがすばらしい。
……ともあれ、光の情景の話でした。
ちなみに私は外出先での原稿用に、サブPCとしてクロームブックを使っています。みなさんは何を使って原稿をされていますか。
原稿に勤しむヒトの光の情景、お楽しみください。
『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。
どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。ぜひ感想を聞かせてください。