見出し画像

《裕福さに隠れて…》お金で心の健康は買えません。

こちらへ夜逃げしてきて、まだ一年も経たない頃。
私はとてもショッキングなネット記事を読んでしまいました。

「担当の生徒に❝毒親(or親ガチャ)という言葉を使わないように❞と注意をしました。」

という旨が書かれた記事でした。

書かれた方はいわゆるお金持ちの家のお子さんをみる家庭教師だそうで、その記事にはお金持ちの家に生まれただけでも運が良い。お金持ちの家では家庭教師が来ていても、子供の進路などを巡って両親が怒鳴り合いの大喧嘩をすることだって日常茶飯事。いちいち気にしていたらキリがない。とありました。

この家庭教師にある生徒さんが打ち明けたんですって。
「…うちの両親、離婚するんです
うちは…毒親です」

それに対して、
「毒親という言葉を聴いて気分が良くなる人はいない。
アナタの立場が悪くなるだけ。
誰も幸せにならない。
隣の芝は青く見えるもの。
これから、毒親なんて言葉は遣わないように」

(❝毒親❞だったか❝親ガチャハズレ❞だったか曖昧で申し訳ないのですが…
あまりに私にはショックで読むのが精一杯でした)

この記事を書かれた方を賞賛するコメントがいくつも書き込まれていました。
「生徒さんに対する愛情を感じます」
「毒親という言葉を使うデメリットをしっかり教えてらっしゃる」などなど

私は血の気が引きました。

確かに、ネガティブな言葉を聴いて嫌な気持ちになった人が去っていくことはあります。
この方の言っていることも一理あります。

ただ、家の中に部外者である家庭教師がいても怒鳴り合いの大喧嘩をする家庭が多いって今書いてあったじゃない…

その生徒さんは自分の家がお金持ちだと分かっているから、お友達じゃなくて「先生」に打ち明けたのかもしれないじゃない…


実は私にもひと月だけでしたが家庭教師をつけてもらったことがあります。
(私の実家は私が幼い頃は貧しかったのですが、15〜16になる頃には実はそこそこお金持ちだったそうです。私にお金が回ってくるわけではなかったので後聞きです)

すぐに私の病状が悪化したので、ひと月だけでした。


身近な大人に出したSOSだったかもしれないのに…


この家庭教師の方は裕福とは呼べない家庭に生まれ、努力してこのポジションについたのだそうです。
きっとすごく努力されたのでしょう。
頑張ってみえたのでしょう。


それでも私はコメントを残しました。
アンチコメントが来るかもという覚悟もして。

「お願いがございます。
人は暴力を見るだけでも心の病気になります。
裕福な家では暴力・暴言が露見しづらく、周りが気がついたときには長い時間をかけて治療をしなくてはならなくなってしまう子供も多いのです。
私がそうであるように。
子供を守ることは家庭教師の方のお仕事ではないと承知でお願い申し上げます。
匿名電話でも構いません、児相でも地域の福祉課でも構いませんから、あまりに酷いなら相談先へ繋げてあげてください。
「繋げるだけ」で構いません。
どうかお願い致します。」


このコメントに対して何のリアクションもありませんでした。
たぶん、「何言ってんだ?コイツ」程度でしょう。

家庭教師という仕事柄「守秘義務」があって何もできないこともあるでしょう。
それを分かっていても、私は「許せない!、あんまりだよ!」と感じました。
せめて、注意するのではなく、「そうなんだね」「悲しいんだね」と(共感まではしなくていいから)…SOSを出した生徒を責め立てたりしないでほしかった。


豊かな家に生まれただけで運が良い。

それは「まぁ大半がそうかもね」というだけで、果たして人間関係が豊かであるかどうかは別の話です。

私の家みたいに外面よくて中はグチャグチャ。
罵声や物が飛び交う、暴力の権化みたいな家庭もありますからね。


そして、私が一番恐ろしいと感じたのはその行為を賞賛する声の多さでした。

恐らくは「私は毒親なんかじゃないわ!子供を立派に育てたいだけよ!」という雄叫びにも近い……本当は「悲鳴」なんでしょうね。

子供の進路を巡って大喧嘩。

誰の進路ですか?


少なくとも、暴力・暴言はいけません。
子供に見せるようなものでもありません。

私はこの行為に賞賛の言葉はいっさい掛けることは出来ませんでした。




この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?