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アイデア創造の極意:新しい発想を生む5つのステップ

こんにちは、志村です。皆さんも新規事業の企画、戦略やプランの策定、お客様への提案などアイデアが求められる場面は多いと思いますが、毎回自分が納得のいくアイデアを創造できているでしょうか?

実は、効果的にアイデアを創造できる方法がすでに先人の経験則として「アイデアのつくり方」という本に、またマッキンゼーのノウハウとして「イシューからはじめよ」という本にまとめられています。本記事ではこれらの内容をベースに、私なりの解釈を加えて説明したいと思います。


アイデア創造の原理とステップ

この本ではまず以下の2つの原理を紹介しています。

アイデア創造の原理(志村意訳)
1. アイデアとは既存要素の新しい組み合わせである
2. アイデア創造の技術は鍛錬によって高められる

そして以下の5つのステップをこの順番通りにこなしていくことが重要だと説いています。

アイデア創造のステップ(志村意訳)
1. 情報収集
2. 考え抜いてアイデアをまとめる
3. 意図的に忘れる
4. 神の降臨
5. アイデアの具体化

このステップ1と2の質を上げるのに役立つのが「イシューからはじめよ」という本です。

やみくもに情報収集やアイデアを考えるのではなく、まずはイシュー(論点)を明確にしたうえで、要素をMECEに分解して整理したりストーリーラインを組み立てたりする手法は、新たなアイデアを考え出すのに非常に有効です(こちらはビジネスパーソンの必読書だと私は思いますので、もしまだの方はご一読をオススメします)。

アイデア創造のために必要なステップ 「意図的に忘れる」

再び「アイデアのつくり方」に戻ります。自分なりに「もうこれ以上は思いつかない」というレベルまで時間をかけて考え抜き、アイデアをまとめあげたあとは、いったん意図的にそのイシューを忘れて、自分が好きな趣味などリラックスする時間を作ります。

この間に脳内では無意識に様々な要素が関連付けられてアイデアが昇華/醸成されていき、あるとき突然、思いもよらなかったような着眼点のアイデアがひらめくのです。それはぼーっと散歩をしているときかもしれませんし、朝シャワーを浴びているときかもしれません。逆説的ですが、何か革新的なアイデアが欲しいからといってずっと考え続けてはいけないというのがポイントです。

元コンサルタントの友人は、夜中の3時に突然目が覚めてクライアントへの提案に付加価値のつけられるアイデアが思い浮かんだこともあるそうです。この現象はコンサル業界ではよくあるらしく、「神が降臨する」と呼ばれているとのこと(気に入ったので表現を拝借しました)。

ちなみにその友人は料理が趣味なので、その日の夕食は仕事のことをすっかり忘れてリラックスしながら料理を作り、家族との食事を心から楽しんでいたのかもしれません。

その話を聞いたときは、「寝ている時まで仕事のことが頭から離れないなんてコンサルタントって大変な仕事なんだな」くらいの感想しか持ちませんでしたが、その後、自分が苦しみながらアイデアを考える場面で同様の経験をしたことで、これはもしかして普遍的な事象なのかもしれないと感じました。そして「アイデアのつくり方」を読んだときに、私の中でそれが確信に変わりました。

神が降臨したときに大切なのは、すぐにそのアイデアをノートなどにメモしておくことです。人は忘れる生き物です。なぜだかわかりませんが、特にこういったひらめきはすぐに忘れる傾向が強いようです。意外な切り口のアイデアを思いついたら、必ずメモをとる習慣をつけるのがよさそうです。

また、スマホでEvernoteやNotionなどのノートアプリに書き留めるよりも、紙のノートに手で書いたほうがテキストだけでなくアイデアの全体像などを図でさっと書いておけるため、ステップ5の「アイデアの具体化」により役立つのではないかと思います。

仕事のスタイルについて

学生時代に一夜漬けでテストを乗り越えてきたタイプの人は、お客様への重要なプレゼンであっても前日に一気に提案書を仕上げるようなスタイルをとっている方も多いと思います。ただ、上記の脳のメカニズムを考慮すると、これはあまり推奨できない方法かもしれません。

スケジュールに余裕をもって早めに提案内容を固め、そのうえでさらにアイデアを生み出す時間を確保したほうが提案価値を最大化できると思います。

結果的に+αの内容が思い浮かばなかったとしても、アイデアの熟成期間中に抜け漏れがあることに気付けたり、ちょっとした細かい改善を行うことはできるはずです。アイデア創造系の仕事は早め早めに進めるのがよいといえるでしょう。

この本では、ステップ4の説明の最後で、ニュートンが「万有引力の法則をなぜ発見できたのか」と聞かれたときに「常にそれについて考えていたからだ」と答えたことを紹介しています。

散歩をしていたときにリンゴが落ちるのを見てひらめいたというエピソードは有名ですが(真偽のほどは定かではありませんが・・)、ここで重要なのは、ニュートンは何の前触れもなくひらめいたわけではなく、その前段階として膨大な時間をかけて考えてきたプロセスがあったということです。

くどいようですが、対象のイシューについて自分が納得いくまで考える姿勢がもっとも大切ということは忘れてはいけません。アイデア創造には「意図的に忘れる」というプロセスが必要なだけなので、そこは誤解しないように気をつけましょう。

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いかがでしたでしょうか?自分なりに時間をかけてしっかり考え抜いたあとはあえてそのイシューについては考えず、脳をリラックスさせる時間を作ることで真のアイデアが創造されるというプロセスを理解しておけば、今後の仕事への取り組み方やスケジューリングも変わってくるのではないかと思います。

本記事が皆さんのアイデア創造の手助けになれば幸いです。

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