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母の料理

久しぶりに実家に帰り
母がいつも通りに朝食を用意してくれた

相変わらず
朝から野菜たっぷり
果物もデザートも付いている

ふいに
子供のころから食べている母の料理の記憶が
蘇ってきた

お母さん

子供のころ食べていたお母さんの料理は
野菜だらけで、しかも玄米で
あんまり好きではなかったよ

お母さんの作ってくれたお弁当も
周りの友達のとは違って
ご飯は茶色だし
おかずも、ハムもウインナーも
あんまりきれいな色ではなくて 
本当は
恥ずかしかったんだよ

それに
野菜は残さず食べなさい
嫌いなものもちゃんと食べなさい
って言われるのが嫌で
ご飯の時間が、あんまり好きではなかった

お母さん
でも
私が、お母さんになってみて
やっと分かったよ

お母さんの料理は
愛情たっぷりだったんだね

身体のことを考えて
栄養たっぷり、野菜たっぷり
お弁当も
ほとんど既製品は使わなくて

フルタイムで保育士をしていたお母さんは
いつも忙しそうで
帰っても夕食の片付けをしたら
リビングで、仕事をしながら寝てることが多くて
子供の私は
さみしいなって思っていたよ

そんな生活の中でも
お母さんは
料理に手を抜かなかったんだよね

それがいかに
大変なことか

私も子育てと仕事を一緒にするようになって
初めて気づいた

子供のころの私は
お母さんが、毎日毎日贈ってくれていた愛に
気づかなかったよ

お母さんは
いつも
料理で
ありったけの愛を
くれていたんだね

抱きしめてもらえないとか
「大好き」って言ってほしいとか
子供のころの私は
心のなかで拗ねてばかりいたけど

お母さんはいつもいつも
料理で「大好き」を
伝えてくれていたんだね

今になって気づいたよ

ありがとう
お母さん

いただきます。

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