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#13 保育者に最も必要なのは「問いの確認」である

という仮説があったとする。

「本当にそうなのだろうか?」

今回はこの視点で書いていこうと思う。

はじめに

このタイトルをつけて、早々に思った。

言い過ぎかもしれないと。保育者に大切な要素はたくさんある。「最も」という表現は適さないのかもしれない。

しかし、「問い」にはそのくらいの影響力がある。それもたしかなのである。

問いが変われば思考が変わる。
問いを変えたら行動が変わる。
問いを大切にすると関係性が変わる。  

解決すべき課題に直面したとき、その組織(チーム)や個人で、まずどこに着目するか?

方法?

原因?

事実?

どれも大切だが、もしも前提や問いの立て方がズレていたとしたら、残念ながらどれも機能しないだろう。

問いの与える影響の違い  

例えば、
クラスの雰囲気がなかなか落ち着かない時期にどんなアプローチがあるかを考えていたとする。ざっくりとしているが、ここから問いの与える影響を見ていこうと思う。

・どんな環境をつくるか?
これは、おそらくアイディアを出しやすいだろう。子どもが興味を持てるような環境をつくっていくことはできそうだ。先生たちの工夫できっと子どもたちは楽しみながら集団での生活に慣れて落ち着いたように見える状態になっていくと思う。

しかし、起点にするには弱い部分がある。それは、つぎはぎだらけのような保育の営みになる可能性があるからだ。アイディアのチャンポンには要注意である。生活の連続性で、少しずつ少しずつ醸成されていくはずの、その子の固有の育ちが阻害されることもあるだろう。

そこで、物事の前提を見る土台がチームにあるかどうか。ここがポイントとなる。

目の前の子どもたちにとって必要な環境の本質は何か 。チームにその共通了解があるかどうかで環境の構成は大きく変わってくる。

落ち着かない背景に何があるか?落ち着くことが目的なのか?など、問いが視野を広げ、前提をとらえることでつくられる違いがある。

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